姜尚中のレビュー一覧
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今日は令和4年8月15日だ。正午少し前から毎年の様に戦没者への哀悼を示す番組が国営放送(NHK)で流れ、武道館には天皇皇后両陛下だけでなく岸田首相も訪れ、正午の時報がなれば1分間の黙祷が捧げられる。1945年8月15日は昭和天皇による玉音放送が流れた日であり、ラジオで初めて聞く天皇の言葉の前に、何やら難しい事を言っている様だが、日本が戦争に負けた事だけは確からしい、と膝をついて泣き出すもの、心の中では生き残れたと安堵するもの、様々な感情が渦巻いた日でもある。特に戦争遂行の最前線にいた軍部には腹を切って自決するものも多数いた。
終戦記念日と呼ばれるこの日は、この様に先の大戦において国民が戦争に負 -
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「見抜く力」という題については、ちょっとずれていると思います。
前半は身の回りでおきていることについての考察。後半は、北東アジアによる地政学的考察となっています。
■はじめに
人生を見抜き、時代を見抜く、これが、本書のねらいです。見抜く力のガイドブックです。
・自分のまわりの、小さな事実の世界と、世界で起きている、大きな事実の世界とは、実際には同時並行的に起きているのです。
・とすれば、それらを別々の世界として切り離すほうがむしろ不自然なはずです。
■人生を見抜く
距離をおく
・匿名の烏合の衆によってあっという間に世論もどきのものが形成され、それが一挙に拡散してしまうネット社会の危 -
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難しかった。
前提となる知識が足りなさすぎた。読むのが早すぎたか。
もうちょっと色々と読んで知って、また読み直すと色々とわかるようになる気がする。
p200
「聖と俗の、楕円というふたつの中心のダイナミズムがなくなった時に、皆カプセル化されて、狭い範囲のアイデンティティでしか人と交われなくなり、排他的になってゆく面があるんじゃないこと思います。」
今の世界は、まさしくこれで、多様性といいながら、一つの円の中に取り込んでいこうとしているところに違和感を感じる。
ここ何年かでよく聞くようになった「インクルーシブ」も、正直あまり好きではない。
別々の土俵で、お互いにそこにいることだけを許容しあえ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書中のメモ
●独裁制の反対は民主制ではない。民主制はいとも簡単に独裁制に転じてしまう悪い面を持っている。みんなが難しいことを考えるのに疲れたとき、シンプルな政策を提示する者に政治をゆだねてしまう
●独裁制の反対は共和制。共和制とは、法の制定者と実行者が別ものである統治形態ー立法権と行政権の分離
●共和制の統治機構は様々。条件は重大な決定は立場や判定基準の異なる複数の審級を経由し結論までに長い時間をかけること
●倒産したら終わりの会社経営と国政を同様に考えてはならない。独裁で迅速な判断ができることを至上命題としてはならない。国政は会社経営と違って間違えたら取り返しがつかないのだから。
●憲法2 -
Posted by ブクログ
毎日新聞内での連載コラムをまとめた本。
コロナによって、「自分にとっての幸せとは」「生きるとは」と考える機会が増えたが、なかなか上手く言語化できない部分を巧みに翻訳されている。
◼️コロナにより気づかされた人間の本質
技術の進化によって「どうにでもなる」と考えられる機会が増えていたが、元来「どうにもならない」ことの方が多い。
「知らぬ間に満たされていた」ことの多さに気づかされ、今ある環境や状況などのありがたさに振り返るきっかけとなった。
◼️「今日やるべきことを先延ばしにするべきではない」との記載があったが、20代の自分は、やるべきと気が付いていることすら、やれないほど不確実な未来が不安