姜尚中のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎日新聞内での連載コラムをまとめた本。
コロナによって、「自分にとっての幸せとは」「生きるとは」と考える機会が増えたが、なかなか上手く言語化できない部分を巧みに翻訳されている。
◼️コロナにより気づかされた人間の本質
技術の進化によって「どうにでもなる」と考えられる機会が増えていたが、元来「どうにもならない」ことの方が多い。
「知らぬ間に満たされていた」ことの多さに気づかされ、今ある環境や状況などのありがたさに振り返るきっかけとなった。
◼️「今日やるべきことを先延ばしにするべきではない」との記載があったが、20代の自分は、やるべきと気が付いていることすら、やれないほど不確実な未来が不安 -
Posted by ブクログ
かつての大英帝国が縮退し、一島国「イギリス」としてその存在を再び確立したように、日本も「身の丈に合った中規模国」としてのあり方を模索すべき、という基本概念の下に、今日の激動する国際情勢を様々な角度から考察するとともに、日本の国家戦略のあり方を批判的に議論する対談書。
マスコミでは通り一遍の報道しかされない中国の内部事情や、建国まで遡る米国のイデオロギーの対立とそれがもたらす強み・弱み、さらには地政学的観点から見たトルコの存在感など、興味深い考察が複数示されるとともに、日本の国家戦略については、「国家理性」よりも「国民感情」が優先される結果、真に国益となる政策よりもポピュリズムが意思決定の源泉 -
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Posted by ブクログ
姜尚中とテッサ・モーリス=スズキが、現代の国際政治状況におけるデモクラシーの危機について語りあっている本です。姜はすでに森巣博と『ナショナリズムの克服』(集英社新書)という対談本を刊行していますが、本書ではおなじテーマを政治思想史を振り返りつつ、もうすこしオーソドックスなかたちで語りなおしたものということができるように思います。
「すべての人間は、外国人である」というスズキのキャッチーなスローガンは示されており、読者の目を引きます。ただ、おおむね問題意識を共有している二人が、おたがいに問題と感じているところを確認するにとどまっており、これからの展望を切り開くような議論がやや乏しいように感じて -