姜尚中のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
勘違いしてはいけないのは、この本は決して本そのものに価値があるわけではなく、ただひとえに姜尚中が書いたという事実に価値があるのです。あまりにも綺麗にまとまりすぎていて、その思想性も美しすぎるのでは?と首を傾げたくなる気持ちもある。しかし、姜尚中という洗練された存在はサイードから受けるような知性と崇高な印象を私に与えるのです。姜尚中の生き様とか、歩んできた歴史がほんの少しでも垣間見られるのが私にとっては価値があった。「パブリックな個人として存在する」ことができたら、多くの人はもっと快・不快から切り離された幸福を内発的に見出していくことが可能なのではないかと、私自身も強く思いました。
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Posted by ブクログ
かなり興味深い引用があった。
↓以下引用
人類学者達が未開社会をフィールドワークするうちに
「共同体内部で発生する諸処の『過剰』(貧富の差、
人間関係の矛盾、等々)が、祝祭や儀礼といった
非日常の時間の中で一気に『蕩尽』される仕組みを
発見しました。それは時によって、
共同体の成員である人間をも生け贄として
殺傷するような、暴力的な相貌を呈することがある」
未開社会がどの定義で扱われるかは別として、
さほど関係の濃くない人間関係の薄い、ある種の未開な
関係でもその事身近に生じる。
まだ、信頼関係を結んでいない中での
特定の人への中傷による、特定の人以外の
人員の中での結びつきの深まりと -
Posted by ブクログ
デモクラシーの担い手とは、「それを望むすべての人々」というタテマエになっているが、現実では人々は自らの無力さを感じ、それゆえ「政治的無感情」となっている。その原因はさまざまである。「市場の社会的深化」により、デモクラシーにおいて有権者である人々は消費者となったこと。世論は人々の声を代表しないことや、グローバルな権力によって、人々の選んだ代表にも決定できない事柄が増大した。このように、自分たちがいくら努力しても結果に結びつかなくなって人々は「政治的無感情」に追い込まれた。こうしてデモクラシーの空洞化が進み、ポピュリズムを促進させ、憎悪の政治学を作っている。しかしながら、今は市場の社会的深化や公私
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