姜尚中のレビュー一覧

  • ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント

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    若い世代に向けて、これから生きていくために仕事や友達や結婚についてどう考えたらいいのか、政治や社会の話を振られても変に同調したり反論したりせず、自分の考えを伝えるにはどうしたらいいのか、というようなことのヒントになる本。
    姜さんの本を読むのは初めてでしたが、読みやすく、弱い立場に立たされた人たちを切り捨てない優しさが素敵だなと思いました。

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    2009年10月07日
  • 姜尚中の青春読書ノート

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    姜尚中が影響を受けた書籍の紹介という形を取りながら、
    彼の生き様と思想が色濃く描かれている。
    その意味では『在日』の補足のような作品ともいえる。
    彼の淡々とした、且つ確固たる語り口は、いつものことながら素敵だ。
    しかし、この作品を特別にしているのは、
    金融危機を見事に言い当てていること。
    やはり彼の言葉は信頼に値する。

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    2009年10月04日
  • 姜尚中の政治学入門

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    正直、政治学の知識ゼロなわたしにとっては難しかったです。こんなに読むのに時間がかかった新書は初めて…苦笑
    でも、だからこそ全部がわたしにとっては新しい視点。なんだか世界が開けた気がした。アメリカが民主主義の独裁、みたいな表現はびっくりした。あと、あとがきの「干物」があるから「生もの」が味わえるんだ、ということとか…
    もっと姜さんの思考をなぞりたい。

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    2013年02月28日
  • 愛国の作法

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    「したがって、「愛国心」を、与えられた環境への情緒的(感性的)な依存とみなすことは国民の原理そのものを蔑ろにすることですし、ましてや「愛国心」を強制することなど自家撞着と言わざるをえません」

    ちょっと前までにあーだこーだ言われてた、「愛国心」を分析している。
    その歴史の流れのところでは、過去の資料などをたくさん用いて、著者の引き出しの多さを物凄く納得。
    そして、講義ならうとうとしてしまうような分かり難い箇所も多々・・・。
    ですが、後半以降、この著者の考えが明確に論じてあるところに関しては明快!非常に分かり易かった。
    そして、巷で溢れる愛国心論に対して自分自身が持ってた違和感を言葉にしてもらえ

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    2010年10月19日
  • 姜尚中の政治学入門

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    姜尚中による政治学入門。政治思想史のようないわば「干物」のような知の体系が、時としてメディアのような「生もの」よりもずっと生々しいアクチュアリティを持って、現状での判断に生かされるという。そして、政治学というのは本来未来への構想力を提言することを目的とした知の形態だという考えにのっとり、

    アメリカ

    暴力

    主権

    憲法

    戦後民主主義

    歴史認識

    東北アジア


    という7つのキーワードを通して、現代日本と世界の問題意識を見据えている。

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    2009年10月04日
  • 愛国の作法

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    近代国家とは理性的・意識的に作り上げるものであって、「愛国心」と自然な感情としての「郷土愛」とは決して同心円状にあるものではないという分析にそういえばそうだとうなずく。

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    2009年10月04日
  • デモクラシーの冒険

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    テッサ・モーリスースズキと姜尚中による対談をまとめたもの。新進気鋭の学者2人が、オーストラリアのビーチでデモクラシーについて語り合った内容。

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    2009年10月04日
  • ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント

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    R25で宣伝されていて、著者の文章が分かりやすく、内容にも興味があったため、購入。

    10の項目に分かれており、それぞれについて著者が意見を述べる形式。

    平易な言葉を使っていて、とても理解しやすくすらすら読める。

    特に、10章「どうしたら『幸せ』になれますか」に共感。

    人格と結びつかない幸せはない。
    快・不快は幸福の基準ではない。
    現代は幸せの求め方が他者志向型になっているが、人間のパーソナリティを少しずつ強くしていかなければ、幸せには結びつかない。
    そうすると、初めて、不確実性に伴う不安というものを抱きしめて生きていける。
    不安のない自由はないのだから。

    他にも、「知性」の章が面白か

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    2009年10月07日
  • ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント

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    姜 尚中ですから。と言う理由で購入。かなり簡単にすらすらと読める。姜 尚中の良いところは、気張らずに、すごくさわやかに知的に物を言うところ。かっこいいっす。いろんなところに納得しながら読んだ。が、まだすっきり頭に落ちてこない文も多少あり。もうちょい自分の中で考えないと、咀嚼できません。横の繋がりが大切。ってのが、中心となる言葉かな。「自由なのに息苦しいのはなぜですか?」「仕事は私たちを幸せにしてくれますか?」「どうしたら知性を磨けますか?」あたりが特に良かった。

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    2009年10月04日
  • 愛国の作法

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    当世流行の「愛国心」には主語がない。述語だけが異様に肥大化したような感情の暴走である。それは醜悪で身勝手なナルシシズムであり、そこには決定的に知性が欠けている。とまあ、そういう警鐘から始まり、民族共同体と国民共同体、愛国心と愛郷心、パトリアとナショナリティなど、まさに"知性"をフル動員して「愛国」の本質を明らかにしてゆく。この点、ついに情緒表現の域を脱せなかった現宰相の著書とは格段の違いである。「ただ日本の美しい伝統や国土、その情趣をナルシシズム的に吹聴する『愛国』」ではなく、「時には生身を引き裂くような激しい相克と葛藤を自我の内面の中に抱え込んでしまう」ことすら辞さない「

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    2009年10月04日
  • デモクラシーの冒険

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    東大教授の姜氏と政治学者のスズキ氏の対談.両氏の著作を読んでいる人には既知の主張が多いけど,語り口のわかりやすさで惹きつける.民主主義とは,個人の実践でのみ獲得されるものでしょうか.

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    2009年10月04日
  • 【カラー版】あなたは誰? 私はここにいる

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    絵画を見て感動した、という記憶が、
    どれだけ頭の中をびっくり返しても出てこない。
    本物を見てないからかな?と思ったけれど、
    ポスター見て心を射抜かれているのよね、
    姜尚中さんは。
    感性の問題か、やっぱり。

    絵を見に行っても、つい解説を読んでしまう。
    右脳、衰退しちゃってるかも。

    今度、娘を美術館に連れてく約束をしてる。
    期待はせず、予断を持たず、
    フラットな気持ちで歩いてこようと思う。

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    2025年05月21日
  • 生きるコツ

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    私は姜尚中先生を誤解していたようです。
    あのテレビで静かに低い声で語る知的な雰囲気が身近にいなさそうでとても素敵に見えていました。
    この本を読んでみたら、案外普通の人だったのだと気がつきました。
    奥様との話は単に惚気ているようで、お母様との話はマザコンを証明しているようで、まことに微笑ましい限りです。
    でも、そこが私には残念でなりませんでした。

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    2024年11月13日
  • ナショナリズムの克服

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    日本人としての民族アイデンティティは近代の想像物・捏造物にすぎず、フィクションであるのだから、これを捨て去ればよい、と考えるのであれば、在日韓国朝鮮人の民族アイデンティティも「ただの共同幻想」であり、「われわれus」と「かれらthem」の間に想像上の境界線を引いた「タチの悪い病」ということになる。しかし、これでは具合が悪い。日本人の民族アイデンティティは否定したいが、在日韓国朝鮮人の民族アイデンティティは肯定したい。で、どう折り合いをつけるかというと、「排除され差別されてきた人々は民族概念をもつべき」(p.182森巣氏)であるが、多数者である日本人には民族概念はない、と考える。どうやら日本人も

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    2024年05月19日
  • 興亡の世界史 大日本・満州帝国の遺産

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    戦後の日本の保守派と韓国の軍政は満洲国との連続性を持った存在であり、その代表が岸信介と朴正煕だった。日韓の「和解」は共通の満洲体験のもとに可能だったとする論考です。視点はとても面白いが、最後の方はただの韓国政治史っぽくなってて少し冗長でした。まあとはいえこの辺りの日韓の保守派の繋がりは有名な話でもあるし、それが一昨年の安倍晋三の銃撃事件まで繋がっているので、現代の日本を理解する上ではこの辺りの掘り下げはもっと行うべきだろう。

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    2024年08月17日
  • アジアを生きる

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    「在日二世」の観点から、アジアにおける日本の立ち位置を論じている。筆者の人生が色濃く反映されていて、大局的観点だけでなく韓国人と日本人双方の視点が入っているのはこの筆者ならでは。

    話は過去の思想家やそこから繋がる現代の状況、世界各国まで広がるので少し難しい。しかし筆者が述べている通り教科書でほんの数行だけ「韓国併合」などと触れられていても実態を理解できるものではなく、世界中の過去からの流れがあってその歴史が刻まれていくということを考えれば、古今東西まで話が広がるのは当然だろう。

    筆者自身の生い立ちを歴史に絡めた知的エッセイのようなテイストの本。

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    2024年03月23日
  • 悪の力

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    悪とは何かに対する一つの答えであるが、あくまで筆者の考える悪の形であるから、これが正解というものでは無い。だがカラマーゾフの兄弟や過去に発生した悪魔的とも思える殺人事件などを例に挙げ、悪の形を明らかにしている。
    「魔が刺した」とか、「他人の不幸は蜜の味」など我々の周りには小さな悪もたくさん潜んでいる。確かにニュースから流れてくる戦争やテロ、犯罪の報道を見ていると時に目を覆いたく、耳を疑いたくなるような凄惨な出来事が世界中で起きている。それを見た大半の人は、許せない気持ちや、被害者への「可哀想」という感情を抱くだろう。だが一方で身近な悪を成敗するような正義ぶったユーチューバーの動画を見てきっと恐

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    2023年12月03日
  • 母 ―オモニ―

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    戦争は本当に罪深いものだと思いました。平和な世の中では考えられないようなことが起こり、誰もが辛い思いをして必死で生きてきたのですね。
    先人達の並々ならぬ努力に頭が下がります。

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    2023年11月13日
  • 漱石のことば

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    うーん
    たぶん私と姜さんは寄って立つ思想というか哲学が違うんだろうな
    後半で取り上げている「死なずに生きてらっしゃい」という言葉ですら、根底に哀音が流れている気がする
    ただそれは漱石の持つ哀音ではなく、姜さんの持つ哀音

    光には影がある

    であるならば光の中を歩もうよと思うのか、やっぱり影があるんだよね と達観したふりをするのか

    少なくとも後者を肯定したくない

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    2023年10月15日
  • 生きる意味

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    「計画を立てることは無意味だし、むしろ無計画であるほうが幸せで、憎しみや不安から解放される術は身近なところにある。」というところが印象的だった。先が見えないことや計画が進まないことに息苦しさを覚えるのでなく計画を立てる生き方から距離を置くことの意義を知れた。ケセラセラの言葉を想起した。まだ自分にも難しい境地だと思うが。
    野菜スープが気になった。

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    2023年09月26日