あらすじ
東京帝大の学生時代は北一輝に心酔し、官界に進んでからは革新官僚として満州の経営に辣腕を振るった岸信介。敗戦後はA級戦犯容疑から総理の座に昇り詰め、高度成長を発進させて昭和の妖怪とも呼ばれる。かたや教師から立身のため満州国軍人となった青年は、戦後、韓国軍の中で頭角を現し、クーデタで政権を掌握。独裁者となって漢江の奇跡と呼ばれる高度成長を達成する。朴正煕と岸信介、二人の揺籃の地、満州国の遺産を問う。
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戦後の日本の保守派と韓国の軍政は満洲国との連続性を持った存在であり、その代表が岸信介と朴正煕だった。日韓の「和解」は共通の満洲体験のもとに可能だったとする論考です。視点はとても面白いが、最後の方はただの韓国政治史っぽくなってて少し冗長でした。まあとはいえこの辺りの日韓の保守派の繋がりは有名な話でもあるし、それが一昨年の安倍晋三の銃撃事件まで繋がっているので、現代の日本を理解する上ではこの辺りの掘り下げはもっと行うべきだろう。