あらすじ
ミリオンセラー『悩む力』の著者が、夏目漱石没後100年の年に、満を持して“名言集”に挑戦。漱石の平易な言葉は、今なお私たちに深い智慧をもたらしてくれる。「可哀想は、惚れたという意味」「本心は知り過ぎないほうがいい」「すれ違いは避けられぬ」「みんな淋しいのだ」「病気であることが正気の証」「嘘は必要」「一対一では、女が必勝」「頭の中がいちばん広いのだ」「片づくことなどありゃしない」。半世紀以上にわたり漱石全集を愛読してきた姜尚中が、密かに会得したこれらの“教訓”とともに、148の文章を紹介。本書は、混迷の21世紀を生き抜くための座右の書である。【目次】序章 残念な人生へのやさしい讃歌/第一章 かくも「私」は孤独である 【自我】/第二章 「文明」が人を不幸にする 【文明観】/第三章 たかが「カネ」、されど「カネ」 【金銭観】/第四章 「人の心」は闇である 【善悪】/第五章 「女」は恐い?! 【女性観】/第六章 「男」は男らしくない?! 【男性観】/第七章 「愛」は実らぬもの?! 【恋愛観】/第八章 「美」は静謐の中にあり 【審美眼】/第九章 とかくに「この世」は複雑だ 【処世雑感】/第一〇章 それでも「生きる」 【死生観】/終章 上り坂の向こう側へ/あとがき
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Posted by ブクログ
漱石を読んだ中高生の頃の思いが蘇る。今読めば、新たな発見があるのだろうね。引用文がやたらと大きいのも親切。このくらいの字でもう一回読むかな。。。
Posted by ブクログ
小説を読んでいる時には、こうした”名言”として地の文を読むことはないので、新鮮で面白かった。芥川の『侏儒の言葉』などは、漱石のこのような側面から出ているものなんだと思い至る。
Posted by ブクログ
うーん
たぶん私と姜さんは寄って立つ思想というか哲学が違うんだろうな
後半で取り上げている「死なずに生きてらっしゃい」という言葉ですら、根底に哀音が流れている気がする
ただそれは漱石の持つ哀音ではなく、姜さんの持つ哀音
光には影がある
であるならば光の中を歩もうよと思うのか、やっぱり影があるんだよね と達観したふりをするのか
少なくとも後者を肯定したくない