Posted by ブクログ
2014年10月31日
ベストセラーの続編。2012年発行。
2011年の東日本大震災を絡めて、改めて自国に蔓延する憂鬱な状況について、1作目と同じく夏目漱石とマックス・ウェーバーの考え方を参考に語る。なーんちって。
以下、気になった点
○もはや営利活動は、一切のモラルや倫理、意味づけをはぎ取られて、スポーツと同じような...続きを読む競技となって勝者だけが生き残り、幸福の祝杯を飲み干す事ができるのです。
○自意識の突出。
○ホンモノの自分探し、あるいは自己実現のプレッシャーは、いつまでたっても終わることのない悪夢のような堂々めぐりとなって、いまの私たちに重くのしかかっているのです。
○ヤンネ・テラー「人生なんて無意味だ」←読んでみよ
○私たちは、この市場経済を、個人を超えた強制力をもつ避けようのないもの、未来永劫つきあっていかなければならない運命のような存在だと、何となく思い込んでいますが、そうではありません。人類の歴史のなかではたかだか400年の歴史しかもたない、新参者のシステムなのです。
○過去を大事にするということは、人生を大事にすることにほかならず、逆に「可能性」だとか「夢」だとかいう言葉ばかり発して未来しか見ようとしないのは、人生に対して無責任な、あるいはただ不安を先送りしているだけの態度といえるかもしれません。
○人間の真価は「創造」「経験」「態度」。その中でも「態度」が一番大切。
○私は「愛する」ということの理想的なあり方は、相手が何をしようと、何をもっていようと、どう考えていようと、相手のありのままの状態を、丸ごとそのまま受け入れることだと思います。
○則天去私
○私たちは人生というものに対して、しばしば「この人生は、私にとって何の意味があるのか?」とか、「この人生は、私にとってどんなよいことがあるのか?」とか疑問を抱き、不満を吐き出します。そして、意味がないと思えば絶望し、最悪の場合は、自分の手で自分の人生を終わらせてしまったりします。〜中略〜
人生とは、「人生のほうから投げかけてくるさまざまな問い」に対して、「私が一つ一つ答えていく」ことだと考えたのです。
※まとめ⇒これがつまり「態度」。すべて自分の思い通りにすることは不可能。大震災を考えてみても明白で自然や運命の力には抗えない。全てを受け入れ、人生の問いに対して、真面目に答えていくしかない。
最近の日本の幸福の基準は「正社員/年収500万以上(仮)/恋人がいる/結婚している/子供がいる/持ち家がある/老後の心配をしない程度の貯蓄がある」などなど、結構ハードルが高い。そして、その基準を満たしていない人間は多く、またその絶望感たるや半端ではない。
そして、人間にはできないことはなく、可能性は無限大などという、やたら高揚感のある自己啓発本の数々の無責任なあおり。
本当の自分の生き方をしていくことの難しさよ!!
という感じでした(笑)。