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安定した収入、伴侶と家族、健康、老後のたくわえ―。この既存の幸福像は、いまや瓦礫と化した。神仏はおろか、現代社会の宗教とも言える科学への不信も極まり、寄る辺ない私たちの孤立はさらに深まっている。この憂鬱な時代のただ中で、私たちが真の意味で生まれ変わり、新たな「幸せの感情」に浸ることなど、果たして可能なのだろうか? その問いを解く鍵は、夏目漱石の100年前の予言にこそある。大ベストセラー『悩む力』刊行から4年の時を経て、待望の続編がついに登場!【目次】まえがき/序章 「幸福論」の終わり/第一章 漱石とウェーバーに何を学ぶのか/第二章 どうしてこんなに孤独なのか/第三章 漱石が描いた五つの「悩みのタネ」とは/第四章 漱石の予言は当たったか/第五章 ホンモノはどこにあるか/第六章 私たちはやり直せるか/第七章 神は妄想であるか/第八章 生きる根拠を見いだせるか/終章 それが最後の一日でも、幸せは必ずつかみ取れる/あとがき
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Posted by ブクログ
100年前の夏目漱石やマックス・ ウェーバーなどの慧眼により、現代を的確に表現している。自殺者の多数、逸脱資本主義からの人と人との全般的や不信の構造、直接アクセス型社会からの公共領域の消失、柔らかい全体主義の傾向、宗教に代わった科学の存在、同時に人々の孤独感とともに肥大化する自意識の状態。
「彼らをむやみに自分らしさの探究に駆り立てるものをしっかり見つめ直しておく必要があると思うのです。」引用
前半は読んでいて、現代の病理的な現象を夏目漱石やウェーバー等の作品、表現を引用し論じられている。そのため正直気が滅入りそうだった。
しかし、後半は、そのような世界においてどのように考え、どこに幸福を見いだしたらいいのか、これも夏目漱石等を元に、人間の3つの価値観や己を忘れるべしという考え方、何をやるかよりどうやるか、よい過去を積み重ねていく気持ちで生きることと、考え方を刷新させられます。
Posted by ブクログ
2013/2/17
二度生まれ:ジェイムズ「宗教的経験の諸相」
人は生死の境をさまようほど心を病み抜いたときに、はじめてそれを突き抜けた境涯に達し、世界の新しい価値とか、それまでとは異なる人生の意味といったものをつかむことができる。
「健全な心」で普通に一生を終える「一度生まれ」(once born)よりも「病める魂」で二度目の生を生き直す「二度生まれ」の人生の方が尊い。
「一度生まれ」の人の宗教は「一種の直線的なもの」「一階建てのもの」。
「二度生まれ」の人の宗教は「二階建ての神秘」。漱石「第二の葬式」、ウェーバー、フランクル
p.167 方丈記
自然に対峙する人間の態度。我々現代人はその気持ちをいつからか忘れてしまった。
p.170 市場経済の成り立ちの三要因
「人間」労働力、生きもの、モノとして扱うには無理がある。能力にバラツキあり、労働力の対価として賃金が支払われる。ゆとりが必要
「自然」
「貨幣」
p.184 吾輩は過去である
「一回性」と「唯一性」のなかで生きている。
Posted by ブクログ
ベストセラーの続編。2012年発行。
2011年の東日本大震災を絡めて、改めて自国に蔓延する憂鬱な状況について、1作目と同じく夏目漱石とマックス・ウェーバーの考え方を参考に語る。なーんちって。
以下、気になった点
○もはや営利活動は、一切のモラルや倫理、意味づけをはぎ取られて、スポーツと同じような競技となって勝者だけが生き残り、幸福の祝杯を飲み干す事ができるのです。
○自意識の突出。
○ホンモノの自分探し、あるいは自己実現のプレッシャーは、いつまでたっても終わることのない悪夢のような堂々めぐりとなって、いまの私たちに重くのしかかっているのです。
○ヤンネ・テラー「人生なんて無意味だ」←読んでみよ
○私たちは、この市場経済を、個人を超えた強制力をもつ避けようのないもの、未来永劫つきあっていかなければならない運命のような存在だと、何となく思い込んでいますが、そうではありません。人類の歴史のなかではたかだか400年の歴史しかもたない、新参者のシステムなのです。
○過去を大事にするということは、人生を大事にすることにほかならず、逆に「可能性」だとか「夢」だとかいう言葉ばかり発して未来しか見ようとしないのは、人生に対して無責任な、あるいはただ不安を先送りしているだけの態度といえるかもしれません。
○人間の真価は「創造」「経験」「態度」。その中でも「態度」が一番大切。
○私は「愛する」ということの理想的なあり方は、相手が何をしようと、何をもっていようと、どう考えていようと、相手のありのままの状態を、丸ごとそのまま受け入れることだと思います。
○則天去私
○私たちは人生というものに対して、しばしば「この人生は、私にとって何の意味があるのか?」とか、「この人生は、私にとってどんなよいことがあるのか?」とか疑問を抱き、不満を吐き出します。そして、意味がないと思えば絶望し、最悪の場合は、自分の手で自分の人生を終わらせてしまったりします。〜中略〜
人生とは、「人生のほうから投げかけてくるさまざまな問い」に対して、「私が一つ一つ答えていく」ことだと考えたのです。
※まとめ⇒これがつまり「態度」。すべて自分の思い通りにすることは不可能。大震災を考えてみても明白で自然や運命の力には抗えない。全てを受け入れ、人生の問いに対して、真面目に答えていくしかない。
最近の日本の幸福の基準は「正社員/年収500万以上(仮)/恋人がいる/結婚している/子供がいる/持ち家がある/老後の心配をしない程度の貯蓄がある」などなど、結構ハードルが高い。そして、その基準を満たしていない人間は多く、またその絶望感たるや半端ではない。
そして、人間にはできないことはなく、可能性は無限大などという、やたら高揚感のある自己啓発本の数々の無責任なあおり。
本当の自分の生き方をしていくことの難しさよ!!
という感じでした(笑)。
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