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帝国の妄想と国家の暴力に抗する――アカデミズムが捉える政治の「本質」!「国家と戦争」の名著!
ナショナリズムの勃興が早熟的に帝国主義的な膨張につながり、ウルトラ化の果てに破綻することでそのサイクルを終えた20世紀の日本にとって、中国と韓国のナショナリズムの脅威感は、国家に求心力を求めるネオ・ナショナリズムの拡がりを促すことになった。このナショナリズムの逆流が、歴史修正主義の装いのもとに過去の歴史の清算を迫る「従軍慰安婦」をはじめとする数々の戦争犠牲者たちの「証言」に強い反発を示したのは、ある意味で当然であった。
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Posted by ブクログ
1996年から2004年頃に執筆された、ナショナリズムに関する著者の論考や対談をまとめた本です。
比較的短い論考が多い中でとくに読み応えがあると感じられたのは、日本における戦後民主主義を思想面でリードした大塚久雄や南原繁、丸山眞男らの国民国家論的な立場を批判的に検証する論考でしょうか。こうした仕事は、米谷匡史や中野敏男らによって精力的に進められてきましたが、加藤典洋の『敗戦後論』によって一気にアクチュアルな問題になったという印象があります。本書における小林よしのりの『戦争論』や西尾幹二の『国民の歴史』への批判的な言及も、そうした背景のもとで読まれるべき内容であるように思います。
また網野義彦との対談では、石母田正の歴史学を同様の視点から批判的に捉え返す必要があるという主張があり、日本における一国主義的な歴史観を解体するための興味深い視座が示されています。その一方で網野が、韓国の金大中が檀君神話を念頭に「韓民族五千年の歴史」という言葉を用いたことに言及し、旧植民地における対抗ナショナリズムが孕んでいる問題を指摘していることにも注目しておきたいと思います。こうしたことを含めて、私たちは国を超えて同じ問題に直面しているという感度を共有することが重要なのではないかと考えさせられました。
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