長野まゆみのレビュー一覧

  • 左近の桜

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    エロチックだけど生々しくなく、登場人物が魅力的。桜蔵くんはほんとは認めたくないだけで、悪あがきしてるんだよね

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    2021年09月27日
  • 聖月夜

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    長野まゆみさんの、こういう童話のようなクリスマスの話が好き。星降る夜のクリスマス。観覧車に乗ろうよ。粉雪。

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    2021年09月14日
  • 天体議会 プラネット・ブルー

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    ネタバレ

    久しぶりに長野さんの本。
    発売間近だった次に読む本との間をもってもらおうと読み始めた。理由は暑くて、薄い本だったから。

    休暇終わりの地下鉄の駅での朝から物語は語られ始める。
    銅貨は友人の水連を待っていたが、なかなか彼は現れない。
    やっとやって来た彼の片目には眼帯が付けられていた。
    理由は分からないが、朝起きると腫れあがっていたという。
    端正な水連の顔が見られないことを残念がりつつ、二人は混みあう学生群をのせた地下鉄から撤退して、さぼることにする。二人が向かったのは鉱石倶楽部という石やそれを愛でる道具を扱いつつ軽い食事ができる喫茶がいっしょになったお店だ。天体と鉱石に強い興味を持っている二人はこのお店の常連だった。
    店で朝食を頂こうとした二人はいつもの店番の大学生ではない人影に訝しむ。店番をしていたのは二人と同じ制服を着た少年だったからだ。少年は水連の眼帯を見て
    「石が入っている」
    という。まさかそんなもの入っていたら大変じゃないか!と言う水連と、治せるという少年を面白がる銅貨。やらせてみればいいという銅貨の言葉に、しぶしぶ水連は頷く。少年は果たして、手のひらに美しい碧色の石を水連の瞼から取り去って見せた。
    いったい少年は何者なのか、問い詰めようとすると少年は風のように去っていってしまう。
    青いインクと製図ペンで書かれた天体観測の誘い状で行われる天体議会。海のそばの気象台での集まり。高速軌道(カプセル)の信号燈(シグナル)の青ばかりを壊される事件。銅貨の兄との距離、水連と兄との関係性への嫉妬。水連との関係性の濃淡に、自分の心持も揺れる。銅貨の兄藍生のなかの父への渇望と反抗心。そして弟への接し方をうまくできない苛立ち。少子化のために作られた家族の形が故に血の繋がりをもたない兄弟である銅貨と碧生のお互いを大切にしたいし、されたいという感情の幼さとやさしさ。水連の銅貨へのまるで憧れのような友情。銅貨のもつ劣等感さえ、水連は良しとしているように思う。銅貨というものがあるがまま好ましいような。二人の割れた花瓶を大切に繕い続ける関係。お祭りの夜の、変わり玉の交換。幾度も現れては消える少年。南にいる父と、その場所へ思いを馳せる。そして雪の早朝、兄との会話。万華鏡へこめた祈り。
    少年たちの不思議な邂逅と別れの物語。

    長野さんの描く少年しかいない世界は不思議とくっきりと存在する。そこに置かれている様々な印象的で美しいものたちに囲まれて、うつくしい少年たちは生きている。たくさんのルビをふられた文章なのにとても読みやすい。純文学にくくられるのか、幻想小説に分類されるのか、それなのに夢見心地ではないお話。起こる様々な行事たちは全く身近ではないのに、目にその光景は眩しく浮かび上がった。灯された灯りのやわらかなオレンジと、その奥の深い深い藍の空。飛び立つ衛星の放つ光。見上げる天体のはるか遠い光。それらが鮮烈に網膜に映った。ぐいぐい読ませるお話ではないのに、読んでいると心地よくてついつい読んでしまう、そういう本だった。
    長野さんの書く少年たちの名前は、どこのいつという設定から解き放ってくれるし、少年と言い切られているのにどこか性別を失わせてしまう効果があるように感じた。

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    2021年07月31日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    左近の桜シリーズ2作目。
    人ならぬ妖しきものを惹きつけ、この世の限りに交わりを求められる体質の桜蔵。

    1話20ページ足らずの12編のなかで「灰かぶり」「雪虫」「ヒマワリ」が好き。
    私の物覚えが悪いのもあるけど、読んだうちからふわりと消えてしまう。半分くらい夢のようなそんなお話たちです。

    最後、父・柾に引っ越してくるよう鍵を渡されたのにはドキドキ。3作目に続きます。

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    2021年07月30日
  • フランダースの帽子

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    ネタバレ

    夏なので幻想怪奇系積読を消化するぞのコーナーです。
    長野まゆみ読みたくなったから、本選ぶときのあみだくじの中に混ぜたら一発で当てたぜ!!
    そんなに積んでない。2年くらい?夏なのでとか言わんでもそのうち読むつもりやったけどいいタイミングやった。

    あー面白かった。
    最後、びっくりしてへんな声や溜息が出そうになるものばかり。
    幻想系と思って読んだけど、現実を描きつつそれを幻想系の手法でみせてる感じがした。
    ポンペイよかったなー。服もモノも記憶も共有して、精神の境界ももうないのやな。

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    2021年07月25日
  • 新学期

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    好きな世界です。余白が多い。
    解説読んでいて、確かに内面の描写無いかも…と思いました。でも、こう思った、が無くても彼らがどんなこと考えているか伝わってくるので良いです。
    学生結婚で17歳差の息子……って色々と捗るのですが、サラッとし過ぎていてそれも良かった。朋彦いい。

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    2021年07月23日
  • レモンタルト

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    長野まゆみさんのご本は、可愛いお話と無邪気な残酷さとかあやしさがあるお話があるんだけど、今回はどちらかと言うと後者かな。
    無邪気な、ではないけどね。

    『チマチマ記』を思い浮かべつつ、あの二人よりも難しそうな二人だなって思った。

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    2021年07月22日
  • 魚たちの離宮

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    すごく輪郭が掴みにくいお話。私はとても好きでした。描写が本当に丁寧、衣擦れの音まで聞こえてきそうなくらい。また暫く経ってから読み直してみたいです。

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    2021年07月11日
  • 左近の桜

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    この世とあの世のあわいでまどろみのなかに見た夢のようなお話。長野まゆみさんの小説を読むのは久しぶり。どっぷり楽しみました。

    本人自身その気がなくても、なぜか男を惹きつける
    桜蔵(さくら)は「左近」という世間をはばかる逢瀬のための隠れ宿の長男である。父、母、弟がいるが
    自分は血の繋がりがないような気がしている。それに兄弟は庶子、父には正妻がいる(「浮かれ猫」に登場するけどカッコいい)

    桜蔵がひろってくる男というのがこの世ならざるあやかしのものたちばかり。成就のために男たちが引き寄せられてる感じで、そこには父の柾や父の友人、浜尾が仕向けた案件もあったり。
    皆が桜蔵のことを「女」というのが、ちょっとうーむな感じですが…

    鵺が出てくる「空舟」と、弟の先生関連の「天神さまの云うとおり」が好き。
    流れるような文章に誘われて、浮かんでくる情景に陶酔させられます。

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    2021年06月11日
  • 鳩の栖

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    懐かしさを感じながらも、情景が浮かぶような温かさもあり、そんな中で登場人物の気持ちが自然と伝わってくるような短編集でした。
    ヨーグルト食べたくなった

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    2021年05月06日
  • レモンタルト

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    「もうずっと前から義兄のことが好きだった」この1文にたどり着くまでの、静かな静かな盛り上げ方が もう ほんと 長野まゆみ。

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    2021年05月04日
  • 猫道楽

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    ネタバレ

    とてもエロテックだけど隠語と和モダンな雰囲気でお上品な作品。

    4つの短編集だけど一つ一つのお話をもっと見ていたかった。

    ストーリーは猫飼亭に縁がある青年が訪れて
    あれよあれよと青年に抱かれるお話。
    ネコだから、、、ね、、。

    甘美なストーリーでドキドキしました。

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    2021年04月22日
  • 雨更紗

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    単行本の初版を買ってた。ものすごく久しぶりに再読。
    美しい文章と解けない謎。閉じた世界からいつまでも抜け出すことが出来ない…。
    と、この何ともいえない気持ちを文章に残せないことがもどかしい!

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    2021年04月04日
  • よろづ春夏冬中

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    これまた先生の作品の中ではボーイズラブ色が強い一冊。
    好き嫌い別れそうではあるけれど、刺さる人には深々刺さる。私のように。

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    2021年03月13日
  • 天球儀文庫

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    ネタバレ

    耳をすませばのしずくが書く小説の中の世界みたいな、不思議な世界観。品の良いお洒落な風景と少年たちの幻のような時間が、清涼な読後感を誘います。私が呼んだのは文庫版ではなく4篇それぞれが一冊の本になっているもので、中の装丁もとても美しい。レコードのノイズをソーダの音と表現してみたり、雪雲を天使の枕と言ってみたり、表現の一つ一つが上質なファンタジーで、久々に夢中になって読んでしまいました。

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    2021年02月27日
  • よろづ春夏冬中

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    どの短編も男と男の恋愛が素地になっている。「あづなひ」という言葉がでる『花のもとにて』がよかった。見つめ返してくる一枚の絵のような、または他人の夢に忍び込んでしまったような、静かで甘美な作品群。

    「ボーイズラブ」という言葉があるが、『日本書紀』の昔から、男と男の恋愛の空想に耽けることがある。しかしこの短編集はどれも閨房を覗き見するようなやましさはなく、神話中の神々の戯れのごとく抽象的でノーブル。さらに恋愛の始まりが黄泉の国への入口でもある物語が目立った。エロスとタナトス。

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    2021年02月02日
  • 新世界〈4th〉

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    誰がHALASSで誰がラシートで、誰が誰の子どもで…?とかそろそろ解らなくなってきたけれど謎めく世界観が良いです。
    消えてしまいたいシュイと、ジャウが…ジャウが居なくなるっぽいのが悲しい。

    ラストの独白は毎回、誰なんだろう。
    「いつからこうしているのか……思いだせない」

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    2021年01月23日
  • 新世界〈1st〉

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    長野さんのゴリゴリのSFで、ダークな世界観が好きです。
    粗野と品が同居するキャラや、記憶か人格を無くしたかでよく分かってないキャラがいるのもいつもの。
    P.U.S.を発症すると超肥満体になる、これまでで最も醜いかも。身体を切り売りしたり。
    黒長野、好きです。

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    2021年01月19日
  • 鉱石倶楽部

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    綺麗。鉱石の写真もお話も。
    鉱石を食べ物や他のものに例えてお話作られてるのも素敵。砂糖菓子屋のところもいい。

    「きょうこれからの、まだ誰も知らない一日のほうがきっと価値がある」

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    2020年09月21日
  • 冥途あり

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    うわーやっと読み終わった。4か月くらいかかった。次男が産まれたばっかりで眠たい毎日の中で読むのはしんどかった。冥途あり、ほんのり戦争ものやとは思わなんだ。8月9日に読み終わるべきものやったのかなーと思いながら10日に冥途ありを読み終わった。
    続きのまるせい湯は面白かったのでさっと読めた。不思議なことや怪異が身近にあった時代から、戦後の慌ただしさの中でそーいうものが遠のいていく境目な頃のお話で(双子のホラ話だとしても)面白かった。眠たくても読めたよ。
    地理的な描写は分かりにくいとこが多かった。

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    2020年08月16日