長野まゆみのレビュー一覧

  • 綺羅星波止場

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    ものすごくスペースをあけた文字列は独特の雰囲気をかもしだすけれど読みづらい。
    話っていうよりも雰囲気を読むタイプの本。

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    2012年02月25日
  • 雨更紗

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    ひらがなと漢字が丁度いい具合に調和した美しい文でつづられる神秘的で妖しくも淡くぼんやりとした世界。なんとなく京都の吉田神社~真如堂あたりを想像して読んでいた。多分雨の日にあそこあたりを歩いたからだろう。あとお屋敷というのが、森見さんの「きつねのはなし」と被ったんだろうな。時間をかけて、言葉を味わうように読んだ。

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    2012年02月15日
  • 白昼堂々(凜一シリーズ)

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    読んだことあると思ったんだけど後半の記憶がなくてもしかして初見なのかなとか思ってたら読みおわってた。
    例のごとく男同士のあれこれなわけだけど下品にならずに色気とか繊細さとかあっていいなー。
    正午がかわいかったのでシリーズ探そうかな。
    終盤の省子さんがすごくよかった……。

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    2012年01月28日
  • となりの姉妹

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    タイトルは、「となりの姉妹」ではなく、「我が家の兄」の方が良かったのではないか、と思える程、語り手である佐保の兄、立彦の存在感が強い作品でした。
    近所の老舗酒屋で、地主でもある「菊屋」のおばさんが亡くなった事をきっかけに、おばさんが残した、謎の暗号めいたしりとりの「キリ」を、佐保と、隣に住む姉妹の逸子さんと咲也さんが探します。
    どうも、家族の知らない所で、菊屋のおばさんやおばあさんと親しかったらしい立彦は、何かを知っている様子で、ちらちらとヒントを出して来ます。
    そして、辿り着いた「キリ」は…。

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    2012年01月31日
  • 夏至南風

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    濃いなーとにかく濃い。噎せ返る。独特の文体でさらっと人を残酷にあつかうしグロテスクな描写もなんでもないような顔して書かれてるし、これは好き嫌い分かれるんだろうなーとも。
    毎度のことだけど何が何だかわからず何も解決しないまま終わる。それがいいって割り切っちゃえばいいけど初めてだとえっえってなりそう。
    ラストがなんか…新鮮だったなここまでの後味の悪さ…でも素敵。好きだこういう終わり方。
    ねっとりと気持ち悪い話でした、いい意味で。

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    2012年01月19日
  • 天然理科少年

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    ネタバレ

    独特の雰囲気が素敵な長野まゆみさんの作品。

    要所要所のふしぎな感覚、父と息子の会話、賢彦と北浦、あの笛の音。いろいろなパーツが組み合わさって、ものすごくやわらかな、きれいな作品になったと思う。


    なによりところどころの写真と詩と説明が美しいと思えた。

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    2012年01月18日
  • 天球儀文庫

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    懐かしさに思わず手にとってしまった一冊。
    20代のはじめぐらいまでは彼女の本が好きですごくよく読んでいたので・・・。
    やっぱり初期の世界観が私は一番ぐっと来ます。

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    2012年01月06日
  • 箪笥のなか

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    すべてを語られてしまうほど退屈なことはない。
    それは親切でも丁寧でもなく、ただ、無粋というものだ。

    この世とあの世をわけなきゃいけないなんてことはなく、
    あっちとこっち、ゆるゆると行き交い、交錯する。
    しろとくろに分けろなんて、だれも決めていないのだから。

    「私」は「弟」にくらべると、こっちに重心を置いて生きている。
    それが、読者を安心させて、物語に深く入り込ませてくれる。

    「弟」があれやこれや、正体不明の存在を引き寄せてしまうのは、彼がそういう存在も、あって当然と自然に受け容れているからだろう。

    ただ、物語を楽しむだけでなく、いまは耳にすることもめっきり減った言葉や名称に触れられるこ

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    2011年12月15日
  • となりの姉妹

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    登場人物を書き分けるということ。
    ともすれば、だれの科白なのか迷子になってしまうようなカギ括弧なしのなか、当然のように彼女ら・彼らはわたしの目のまえに現れる。

    ゆったり流れる時の狭間に(気を抜くとずっとおなじ時を刻んでしまっているような錯覚のなか)、だれがはじめたのか定かではない紐解きはすすむ。
    ゆるゆると、時間やひとびとの関係性の糸はほぐれていく。時が満ちたみたいに。

    余分な脂肪はひとつもないあっさりとした、それでいて暖かなお澄ましでも飲んだみたいな後味のよさ。
    それと、はっきりとは語られない、好奇心をくすぐられるヒミツ。
    (立彦のあれやこれやなど、ね)

    不思議なこと満載なのに、日常の

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    2011年12月11日
  • 白昼堂々(凜一シリーズ)

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    長野まゆみさんの小説は今までファンタジー?SF?系しか読んだことがありませんでした。
    この「白昼堂々」を始めとするシリーズは少年同士の友情か恋愛かあやふやなつながりを綴ったお話で、長野さんの少し寂しげな落ち着いた、でもそわそわさせるような文体が沁みるように読めました。
    同姓愛、と書くとひいちゃう人もいるかも知れませんが、このお話は文体のお陰で、嫉妬心すら凄く綺麗なものにみえてきます。
    読み心地がさらっとしすぎているので、シリーズ全部一気読みしたいです。

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    2011年12月05日
  • 夏至南風

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    好き嫌いが分かれる作品だと思います。私は中学生の頃初めて読みましたが、その時はただただショックでした。同性愛、近親相姦、腐った果実。アジアのねっとりとした風を感じます。残酷な世界ですがどこか透明感もあります。歳を重ねるほどに、私のフェイバリットになってゆく作品です。ラストの解釈が深いです。

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    2011年11月25日
  • 左近の桜

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    表に出てるタイプのBL小説。
    それでも長野まゆみらしい現実と夢を行き来するような話ですんなり読めました。
    最後まで桜蔵は男だと言い張ったけれども実は女性なんじゃないかと最後まで思ってしまう終わり方でした。

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    2012年10月05日
  • 鉱石倶楽部

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     美しい鉱石の写真と、それに添えられた幻想的な小話集。
     鉱石の写真と相俟ってか、言葉も透き通って響くようです。
     ファンタジックな鉱石コラム(?)も、想像が難しいながらも魅力的で、鉱石がただの石ではなく、それ以上に生き物たちの暮らしに溶け込んでいるような世界観があります。
     そして綺麗な宝石の写真が、段々と美味しそうな食べ物に見えてくるのです。
     これほど想像を膨らませることができたら楽しかろうなぁ。

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    2011年11月09日
  • 宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ

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    気が強く容量の良いロビンと,そのロビンに負けじとするもいつも貧乏くじを引いてしまうミケシュはパッと見ただけじゃ見分けのつかない双子の兄弟。

    ふたりは喧嘩ばかりしているけれど仲良しで,お話の最後にはちゃんと仲直り。
    優しくてなんだかホッとする,そして不思議な日常が描かれている。

    いいなぁ,こんな双子がじぶんにもいたら,学校で入れ替わったりしてたかも,セカイが2倍にひろがったかも・・・なんてそんなこと考える。

    夜天から降り注いだ流星[ドロップ]をふたりでかき集めたり,ロケット壜ソォダを飲んだりしながら。

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    2011年10月03日
  • 天球儀文庫

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    アビと宵里の二人の少年の短編集。爽やかな友情。最後の別れが寂しいけど、前向きな気持ちにさせてくれる。

    「すっかり忘れてしまって、またいつかはじめて出逢えばいゝぢゃないか。」

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    2011年10月02日
  • 少年アリス三月うさぎのお茶会へ行く

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    ネタバレ

     
    ◆◇◆outline◆◇◆
    ニッケル月が輝く夜、アリスは卵の殻に絵の具で色を付けていた。
    そこへシロウサギが通りかかり、アリスはウサギを追って不思議の国へ…。
    「少年アリス」の幻のイラストレーションとお話をカップリング。

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    2011年09月30日
  • 綺羅星波止場

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    ネタバレ

     
    ◆◇◆outline◆◇◆
    大陸の涯での山地から運ばれて来た石は瑠璃色
    それはやがて砕かれ、「群青」になるという。
    その鉱石が欲しくて、夜更けの波止場をさまよう灯影と垂氷の前に
    丸眼鏡の妙な麺麭屋が現れた…。

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    2011年09月30日
  • 夜間飛行

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    プラチナとミシェルという二人の少年の夜空旅。

    プラチナは慎重派でおとなしめ,それに対してミシェルは直観的に物事を判断し自分の意見を突き通す。
    喧嘩もするけどふたりは仲良し。


    雷卵石,猫目石(キャッツアイ),蛋白石(オパール)に海王石(ネプチュナイト),黄水晶(シトロン),辰砂(ヴァーミリオン),etc…此処にある言葉は見慣れないものが多くて新鮮な響きがある。
    その上,とても綺麗だ。

    それに,鉛筆を握れば自分の行きたい場所を紙に勝手に描いてくれる,自動書記機(プランエシェット)なるものや,壁に取り付けてその蛇口をひねれば氷が出てくるものなど,不思議な道具も登場する。


    長い長い夜の旅行

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    2011年09月23日
  • となりの姉妹

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    この、不思議な感じがいい。
    タイトルを見て、姉妹とは小さな女の子たちを想像したのですが(私の頭の中どうなってるんでしょうね?)、大人の女性でした。

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    2011年09月02日
  • 三日月少年漂流記

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    「少年アリス」や「魚たちの離宮」を読んでいたので、迷うことなく手に取れた本。

    彼女の描く世界は独特で、光や色彩・空気感・温度・マテリアルを想像させる。淡々と積み重ねられる描写がいい。

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    2011年08月27日