感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年03月17日
近所の小母さんが遺した謎めいた符号、隣家の姉妹の元に現れる間借り人、ふらふらとしていて達観しているような兄。とうとうと流れる水のような文章に揺られて、どこでもない場所へと連れて行かれます。
流れに揺られるのがなんとも心地いいんです。ちょっと懐かしいような、それでいて丁寧な生活の描写が心地よさを増して...続きを読むくれます。
謎に明確な答えは与えられず、結局どういうことだったの? という幕切れとなりますが、それすらもまた心地いいんですな。
Posted by ブクログ 2016年09月13日
この空気感は好きです。兄弟がいる女としてもこの母親の兄に対する考え方も覚えがある。不思議な謎解きも、いつの時代かわからないけどちょっと前の東京なんだろうなと思わせるノスタルジーさも読んでて不思議と落ち着く。
Posted by ブクログ 2012年01月31日
タイトルは、「となりの姉妹」ではなく、「我が家の兄」の方が良かったのではないか、と思える程、語り手である佐保の兄、立彦の存在感が強い作品でした。
近所の老舗酒屋で、地主でもある「菊屋」のおばさんが亡くなった事をきっかけに、おばさんが残した、謎の暗号めいたしりとりの「キリ」を、佐保と、隣に住む姉妹の...続きを読む逸子さんと咲也さんが探します。
どうも、家族の知らない所で、菊屋のおばさんやおばあさんと親しかったらしい立彦は、何かを知っている様子で、ちらちらとヒントを出して来ます。
そして、辿り着いた「キリ」は…。
Posted by ブクログ 2011年12月11日
登場人物を書き分けるということ。
ともすれば、だれの科白なのか迷子になってしまうようなカギ括弧なしのなか、当然のように彼女ら・彼らはわたしの目のまえに現れる。
ゆったり流れる時の狭間に(気を抜くとずっとおなじ時を刻んでしまっているような錯覚のなか)、だれがはじめたのか定かではない紐解きはすすむ。
...続きを読むゆるゆると、時間やひとびとの関係性の糸はほぐれていく。時が満ちたみたいに。
余分な脂肪はひとつもないあっさりとした、それでいて暖かなお澄ましでも飲んだみたいな後味のよさ。
それと、はっきりとは語られない、好奇心をくすぐられるヒミツ。
(立彦のあれやこれやなど、ね)
不思議なこと満載なのに、日常の延長のように感じられるのが、長野作品の最大の魅力だとこのごろ切に思う。
Posted by ブクログ 2011年09月02日
この、不思議な感じがいい。
タイトルを見て、姉妹とは小さな女の子たちを想像したのですが(私の頭の中どうなってるんでしょうね?)、大人の女性でした。
Posted by ブクログ 2017年01月27日
☆3.5ってところかな。
長野さんらしさを期待していると長野さんっぽくない。
梨木さんみたいな感じで、普通に面白いんだけど、せっかく長野さん借りたのになって気もしないでもない。
異世界と現世界のきわどいラインを生きている人たちの話、という意味では長野さんらしいか。
でも、美少年が出てこない。
Posted by ブクログ 2015年05月09日
近所のおばさんが突然亡くなり、彼女が残した謎めいた「暗号」を、主人公の佐保は隣家の姉妹とともに解こうとする。
情報を小出しにする書き方で、最初は全員下の名前しか出て来ず、関係もなかなか明かされないので、人間関係が最初はわかりづらい。
だんだん苗字や、その関係がわかってきて、謎解きも進んでいく。
一...続きを読む生懸命確認しながら読まないと繋がりがわからない。
ラストの謎解きもちょっとわかりにくい。
長野ワールド健在です。
Posted by ブクログ 2014年01月21日
都内某所で暮らす主人公の日常を、彼女が遭遇する少し不思議な出来事を絡めて描いた物語。
タイトル通り隣の家に住む姉妹(妹はまあり出てこないけれど)と、主人公の兄家族が物語の中心人物である。
ゆったりとした綺麗な文体だけれど、文章の情報量が多くて(でも随想っぽく、物語の動きは少ない)なかなか進みが遅く...続きを読む、途中流してしまった。
兄の独特の生き方がすてきである。
Posted by ブクログ 2013年07月31日
御近所づきあいからのちょっとした冒険ものみたいなお話。謎解きもありながら、ゆるーく時間が過ぎてくのもいいな。身近な人達の関係性がいろいろあって、人との繋がりって不思議だなあと思わされる。
Posted by ブクログ 2013年04月09日
あらすじの、「不思議な世界」「妖しい世界」には、あまり共感できなかった(共感、というよりは、納得?)。しかし、聞いたことの無い呪いや習俗が沢山あって、興味深かった。少しほのぼのとした日常を描いた小説はあまり選ばないからか、ときめきながら読むことは出来なかった。私は、「おとなへの許容」が嫌なのかもしれ...続きを読むない。
ココアの描写が素敵だったので、真似して淹れてみたい。柑橘類の砂糖漬けも一緒に。
Posted by ブクログ 2011年08月22日
微かに不可思議な気配のする断片が、
折り重なるように、淡々と語られる。
会話も地の文に織り込まれる表現に、
読み始めは戸惑い、苛立ちました。
しかし、ゆっくりと読み進めるうち
今までに味わったことの無い感覚を
得ることができたように思いました。
Posted by ブクログ 2011年06月12日
20110612
不思議な世界観のお話でした。
久しぶりの長野さん。
読みにくいような読みやすいような文章と、流れの良い展開。
しりとりの謎を追って行くといっても、緊迫感のあるシーンはなく、
心地よいものでした。
人との出会いが出会いを呼ぶという感じ。
Posted by ブクログ 2011年06月13日
雰囲気のいい小説, 、とでも言おうか。
ただ、ちょっとわかりづらいのは、私の力不足なのか、そうでないのか。
さらっと読みたい文体なのに、さらっと読めなくてもどかしい感じ?
思わせぶりな表現や展開が多すぎるのかも。
Posted by ブクログ 2011年05月20日
この人らしいとか思う。
でも耽美路線ではないので、人によってはこの人らしくないとも感じるかも?
セリフ回しが地の文と区切りなく進むのだけれども、違和感もなく。
全般不思議系なストーリーが続く。
若干退屈でもあるけど、のんびりと読むのにはいいかもしれない。
しりとりで続く失せモノさがしと人々の縁...続きを読むの話と言っては要約が過ぎるか。