長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
太陽(ソル)から2億3千万キロ離れた夏星(シアシン)。
そこではP.U.Sという先天的病気の因子が住民を蝕み、
人々は“新世界”への渡航を夢見ていた。
斡旋住宅で兄シュイと二人きりで暮らすイオ。
謎の物質“ゼル”をめぐる闘いのなか、
“永い眼り人”はふたたび目醒めるか。
全5巻の長編作。
長野さんのSFはテレビジョン・シティ以来かな?
部分的な描写はハッキリしているのに全体が繋がらない。
でもそれは物語の進行を邪魔したりはしない。
最後はかなり切なかったけれど、種族によって
身体機能や能力で絶対的階級制度を設けたり
意思を持たない人を作り上げ、自分のパーツを培養したり
パーツを売り買いし -
Posted by ブクログ
運命に翻弄される少年たちの一生を垣間見たい方は、是非。
残酷さの中に美しさが織り込まれている長野版、御伽草子。
「行ってみたいなよその国」は外国文学のパロディだったけどこちらは和の、完全創作ストーリーで全体的に妖艶で幻想的な雰囲気が漂ってる。長野節もきいてて好きだな。
『鬼茨』と『螢火夜話』が特にいい味出してる。他一遍。
登場人物が、自分の力じゃどうにもできない出来事に、抗って抗って必死にもがいて堕ちてゆくような、そんな類の救われない泥沼話が好きなので、上記のタイトル2つは「そうそう、こうゆうのが読みたかった!」って本の前で思わず膝を叩いいてしまった。
ラストに幸せを求める方は読まないように