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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 子供たちが沈んでいる、と云われる美しい沼のほとりに建つ一軒の家。そこで祖母と2人きりで暮らしている従兄の草一を、紅於と頬白鳥の兄弟が訪れる。沼の底へと誘う青い鳥を追って消えた少年たちの愛を描く水紅色の物語。
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Posted by ブクログ
小学校の頃一時期ハマった小説。 最初は古い表現が多くてとにかく読みづらかったけど、読み終えて暫く現実感が無くなってぼーっとするくらいこの小説の世界に入り込んでしまった。 とにかく綺麗で美しい。夏になったら読み直したい。
中学生の頃読み、魂を持っていかれた一冊。「水蜜桃」が何だかとてもおいしそうな食べ物に思えていましたが、ただの桃でショックでした(笑)初期作品では「野ばら」と同じくらい好きです。
子供たちが沈んでいる、と云われる 美しい沼のほとりに建つ一軒の家。 そこで祖母と2人きりで暮らしている 従兄の草一を、紅於と頬白鳥の兄弟が訪れる。 沼の底へと誘う青い鳥を追って消えた 少年たちの愛を描く水紅色の物語 沼に魅せられ沈みたいと願う頬白鳥と 沼を恐れる従兄弟の草一。 そんな二人...続きを読むに苛立つ紅於。 白く眩しい真夏に涼しげに誘う蓮が群生する美しい沼。 水盤から溢れる湧水と、甘い匂いを放つ水密。 沼の泥の柔らかさとニオイ。 五感全てを刺激されます。 幻想的で不思議で美しい。 夏の夜に読むことをお勧めします。
これも夏シリーズ。夏に読みたい。睡蓮が沼に咲いている様子が浮かんで綺麗。あと漢字の使い方が好き。水蜜たべたい。でも、ぬるい沼は嫌だなぁ、夏ならひんやりした泥がよい。 水の描写が上手い。
どことなくマンディアルグ風味な泥濘と水蓮と少年の舞台設定からして、惹かれないはずがないのです。長野まゆみさんらしい精緻で多彩な文章にぐいぐいと呑み込まれるようにしながら頰白鳥といっしょに沼をのぞきこむその瞬間の美しさ畏ろしさ。堪能しました。 物語の全体を通してみれば平坦かもしれないその一瞬を、いやむ...続きを読むしろその一瞬のために、築き上げられ飾られた文章一行一行を味わうように、大切に読んでいくことのできる作品こそ、私が偏愛したくなる作品なのです。 「頰白鳥、駄目だよ。燥いているように見えても、水は沁み出してくるんだ。」 「沈んでしまうの。」 「あゝ、沼だからね。」
面白かったです。 冷たい水と沼と、水笛や水蓮に涼しくなりました。 紅於だけに生命力を感じ、頬白鳥や草一は夢の中に生きているようなふわふわとした感じでした。頬白鳥は沼に魅せられ、沼に沈み、夢遊病の草一も沼へ。 頬白鳥が沈んだあとに咲いた青い水蓮、見てみたいです。 紅於はこれからも生きていくのかな。 暑...続きを読むい毎日の清涼剤でした。
全編通して夢か現実か曖昧で不思議な話。 水を豊富に含んだ柔らかい泥や水蜜の感触を想像するだけで、気持ちいいのと同時に引きずり込まれそうな恐ろしさを感じる。 途中で怖くなってきたがやめられずに最後まで読んだ。 唐突に終わるので夢から覚めた気分になった。 沼から聞こえる鳥の声に魅入られた少年たちは、その...続きを読む後一体どうなったのだろう。 しばらく頭から離れそうにない。
紅於の弟、頬白鳥は、初めて訪れる祖母の家の近くの沼と、祖母の家に住む従兄弟の草一に惹かれる。 紅於はそんな弟を心配しながら、草一と仲良くやれずにいる。 そんな草一は、壊れているはずの水笛を持ち、夜な夜な沼へ出かけていくが、ある夜、頬白鳥は草一の水笛を沼に落としてしまう。
確か、私が読んだ初長野作品だったはず。 不思議な情景が広がる。 何だかわからないけど引き込まれる。
夏の輪郭、水の恐ろしさ、少年特有の儚さが折り重なって恐ろしいまでの美しさを醸し出している。 怖い話としても十分通じるかもしれない。
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