長野まゆみのレビュー一覧

  • 咲くや、この花 左近の桜

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    ネタバレ

    『左近の桜』の続編。相変わらず妖しくも美しい世界観。そして相変わらず桜蔵は、あやかしにいいようにされてる。でも、段々と状況をすんなり受け入れている節が。何より文章がとても美しい!
    最終章のラストで、桜蔵と柾の関係が変化しつつあるので、その後が気になる。でも、この作者さんなら、はっきりとは描かないかも。いろいろと想像するのもまた楽しいけど。

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    2013年05月01日
  • 野ばら

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    長野まゆみさんの作品を初めて読みました。不思議な世界観。でも嫌じゃない。色の書き方、時の刻み方、無音のざわめき…どこかで触れた感じがあるなぁと思っていたけれど、宮沢賢治の作風に似ているのかも。

    夢か現実か、はたまた全て夢なのか。白いバラと赤い石榴が織り成す不思議な世界にちらつく二匹の猫の影。美しい文でした。

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    2013年04月24日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    前作の設定を少々忘れていて、物語世界に入るのに少しだけ手間取りました。
    短編の連作だけど、ちゃんと時間が進んでいる。
    桜蔵がちゃんと受験合格するのかハラハラしました。
    毎度、妖に取り憑かれるのにも。
    知らないうちに変な世界に入り込んでいることもあれば、「あ、その扉開けちゃダメ――――!」と思う事も有り。
    けれど、どんな悪い夢でも必ず醒めるように、最後はちゃんと戻ってくるので、そこは安心して読めるし、読後感も悪くないです。
    一遍ずつ工夫が凝らされて、綺麗な鉱物の標本を見ているよう。

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    2013年04月10日
  • 鉱石倶楽部

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    この作品を読み終わった時に、
    昔好きだった鉱石集めの趣味がぶり返してきました。
    ひとつひとつの石がとてもおいしそうに描写されており、
    本当に食べられるのではないかと錯覚してしまいそうになりました。
    写真も素敵です。

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    2013年04月05日
  • レモンタルト

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    叶わない義兄への思い、ちらつく亡き姉。
    2つの感情に板挟みになっているうえに会社の立場はとんでもない主人公に「オー人事!オー人事!」と叫びたくなる。
    でも、日常に混ざる非日常や主人公の思いが淡々とつづられる文章はさすが長野さんと唸る。
    「となりの姉妹」や「箪笥の中」などと同じ系統かな?
    買ってよかった

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    2013年04月04日
  • 野川

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    想像以上に「野川」でした。
    知っている地名らしきものがたくさん出てきて、楽しかったです。

    この本に出てくる先生のような大人になりたい。

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    2013年03月26日
  • 野川

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    さ、爽やか……だと!?

    言葉の想像力が主題のせいか、情景描写が多めなのが気になった。
    読後はとにかく爽やかな気分にさせてくれる。

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    2013年03月24日
  • 左近の桜

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    妖しくも不思議な雰囲気がいいです。
    さくらくん可愛い。
    でもさくらくんが好きだからこそ次々と厄介事がふりかかってもうやめてあげてってなるところも…。
    続編は気が向いたら読もうと思ってます。

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    2013年03月16日
  • 天体議会 プラネット・ブルー

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    長野ワールド全開で独特のキラキラした世界観にうっとり。鮮やかな色彩の描写や透明感が心地よかった。長野まゆみ作品に出てくる「ソーダ水」の清涼感ってはんぱない。脳内で勝手に手塚治虫の「メトロポリス」のような近未来的な世界観で映像化して楽しみました。これアニメで見てみたいなー。
    一旦その世界に入りこんでしまえばどっぷり浸れるのですが、一度意識を外へそらしてしまうと文章がすべるすべる。何度も同じ部分を読んでも頭に入ってこなくて、薄い割には結構読むのに時間がかかりました。でもその分じっくり読んで、じっくり浸れました。
    この世界の女性はまさに「生む機械」ってわけか。

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    2013年02月19日
  • 螺子式少年

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    百合と茨(ばら)だったとは…。読んだ当時は何にも知らんかった。笑
    しかし本物かレプリカかっていうモチーフはたまらん。しかも「螺子式」ねじしき。うーん読み返したい。

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    2013年02月16日
  • 少年アリス

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    すごーくふわふわして、きらきらしたおはなし。
    アリスと蜜蜂が、互いに思い合って成長していくところがなんともかわいらしいと思います。
    夜の学校・理科室となんともファンタジーな世界で、一気にさらっと読んでしまいました。
    字体も可愛くて、絵本みたいな印象を受けました。
    でも、その前に読んだ本が東野圭吾さんだったからちょっと物足りなさを感じてしまったので、星3つで泣

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    2013年02月12日
  • 改造版 少年アリス

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    少年アリスが夜の学校を通して不思議な冒険をする。
    蜜蜂はアリスを助けるため、耳丸とともに現実世界と不思議の世界のあわいで奔走。「何が起きてるかよく分かんないけど助けなきゃ」みたいな、少年らしいピュアな感情と友情が読んでて幸せな気分にさせてくれた。
    情景が美しくて好みだし、それぞれの名前もかわいい。
    子どもがいたら読ませたいようなお話だ。
    最後のオチ、ユーモアがあって良かった。

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    2013年02月01日
  • 改造版 少年アリス

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    ネタバレ

    長野まゆみさんの本は久しぶりに読みますが、やっぱり白いヴェールで包まれた世界です。

    今もし私が後ろを振り返ったとして、その向こうにこんな世界があったらどうだろう。もし、今だったとしたら私は迷わずに鳥になることを選ぶと思う。
    私たちは成長するにつれて、手のひらからぽろぽろと大切なものをこぼしてしまう。きっとアリスと同じころの私だったら、迷わず戻ってくることを願った。あのとき持っていた大切なものはどこへ行ってしまったんだろう。

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    2013年01月20日
  • 左近の桜

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    ネタバレ

    わーーー表紙がまず色っぽいですね
    学ラン大好きだし好みなので何回も表紙見てにやけてました
    桜蔵君の色気が生意気さと交わってて読んでてにやけてました
    にやけてばっかですいません
    状況描写も幻想的で綺麗ですね
    お風呂の桜とか背中の蝶々とか最後あたりの盃から花弁がうんたら
    とか読んでて綺麗に書く人だなぁって思いました
    千菊がかわいかったです 先生好きすぎだろお前ーーー
    パターンは毎回同じなんですけどなんだか先が気になるかんじで
    めっちゃ面白い!!って感じじゃないんですが
    なぜか惹きこまれました 私がアレなせいでもあるけどね
    時代設定があんまり想像できなかったので
    何回も読んでて躓きました 
    ただ単に

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    2013年01月20日
  • 箪笥のなか

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    いかにも長野さん、な文章なのですが、今回はほかの作品とどこかひと味違ったように感じます。

    設定に少年が出てこなかったのが、珍しいと思いました。
    姉と弟の組み合わせは結構何回か読みましたが、今回の姉弟の掛け合いが一番好きです。

    綺麗な文章はもちろん、いつもみたいに登場人物たちに危うい感じがしない作品だったので、安心して人に勧められる一冊です。

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    2013年01月17日
  • 宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ

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    双子がとても子供らしくて可愛くて、
    ふわふわしたファンタジーの世界観が魅力的な作品でした。
    長野まゆみさんの淡いファンタジーは乙女チックで良いですね~。

    双子のミケシュとロビンの日常的な非日常が、キュートさ全開です。
    子供の目を通すと、この世は摩訶不思議に満ち溢れていると思うのです。
    子供にしか見えないもの、子供にしか理解できない道理、
    そういったものが散りばめられて、キラキラしてました。

    本作は、双子の生活にまつわる小話の詰め合わせですから、
    すごく読みやすいと思います。寝る前に一編づつ読みました。
    キレイな缶に入ったドロップを一粒づつ食べてる気分になれます。

    白うさぎに見える毛糸玉、

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    2013年01月05日
  • カンパネルラ

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    ネタバレ

    耽美だなぁ。とひたすらに思う。それは文章がそうさせるだけでなくて文字列の並びや空白、踊る反復記号やフォントにもそう見せられている気がする。

    或る夏の兄弟の物語だけれども、そこにはただの普通の兄弟でない緊張感と期待と異世界の空気が漂う。

    最初の場面で既に読者も柊一もこの現世から離れて違う場所へ取り込まれる。そうしてから柊一はひたすらに兄・夏織を捉えようと自分の世界に見出そうとする。

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    2013年01月16日
  • 八月六日上々天氣

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    題名を見ると、「原爆」文学なのかな?っと思われるかもしれない。
    だが、八月六日の記述は約9ページ分。全体の1/15程度。

    記述が少ない分、最後に史郎が現れる部分は、本当に深い。

    それまでの珠紀と史郎の人間ドラマがこの場面に集約されてるような気がして。
    そして、原爆の被害をつらつらと書くよりも、この一文はより印象的に残るように感じました。

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    2012年12月29日
  • 箪笥のなか

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    長野まゆみの初期作品を好んで読んでいた私にとって、
    これはごく最近の作品となる。
    読み進めるうち、不安になった。
    紛れもなく長野まゆみの作品で、面白い。
    でも、作家仕事の仕舞いの支度をしているような気になってしまった。

    交錯し、曖昧で、美しい道具仕立てであるのは変わりない。
    でも、それらすべては全く不安でないのだ。
    初期作品でのこれらの要素は、永遠に続く美しい不安だった。

    でも、これはまったく不安でなく、むしろ曖昧なままを良しとする暖かな曖昧だ。
    安心できる作品を読んで不安になってしまった。
    長野まゆみには、こういう古い日本の風景を記録せねばという義務感があるのだろうか。

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    2012年12月28日
  • 猫道楽

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    艶かしい。「桜の季節には、日頃の無粋ものもすこしは心を奪われ、春爛漫の花吹雪に酔いもする」この一行で惚れました。偶然にも引き当てた作家さん。ただ、一般書籍でがっつりBLものだけに、その方面からファンができてほしくない。綺麗な文体を独占したくなるいい本です。

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    2012年12月12日