あらすじ
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東京生まれ。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で第25回文藝賞受賞。以後『天体議会』『新世界』『野川』他数々のベストセラーで10代から20代の女性を中心に熱狂的に支持されている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最初の一文がとても好き。
ふわふわした不思議な世界と現実の狭間にいるようなずっと浸っていたい世界。
言葉で表せない美しい世界。
言葉や音の心地よさ、あー素敵
こういう体験があるから読書が好き
もっと長野まゆみワールドに浸りたいので出版社様、他の作品も復刊させてください!!!!
なんだか色々あって読書できなかったのですが、長野まゆみ作品で読書欲復活しました笑
集める切っ掛けになった本
図書館で見付けて粗筋に惹かれて借りてみたら大当りでした。
もう、キャラクターの名前・世界観、全てがファンタジーで言葉選びも美しい。どちらかというとメルヘンと言いたいお話。
長野作品の名作の1つです。
童話好きな方はハマるかもしれません。
Posted by ブクログ
美しくて淡くて清清しい、少年のある夜の冒険譚。
現実の世界とは異なるたゆたうような世界に迷い込んだアリスと
現実の世界でとまどう蜜蜂。
金木犀が淡く香る群青天鵞絨の天幕の空に細かく砕いた貝殻
を散りばめて作った星を縫いつける。
初めてこの本を読んだ日から20年ぐらいたっていることにびっくり。
改めて読みたくて、文庫で買い直しして読んでみると、
あの頃とはまた違う面が見えて改めて大好きだなぁと。
夢と現実のあわいでいない相手のことを想い、お互いに自分を見つめ
そっと自分の欠点に気づいていくところもいいなぁ。
改造版も購入したので、どんな違いがあるのか楽しみ♡
Posted by ブクログ
1989年の作品で、2011年に購入して積読していた一冊。
綺麗な漢字、日本語、
不思議な世界観の本を読みたくて、
手に取りました。
当時の購入金額は380円(税別)!
安いと思ってしまうのは、
今の物価高の影響でしょうか。苦笑
兄に借りた色鉛筆を取りに夜の学校に忍び込んだ、蜜蜂とアリス。
そしてアリスの愛犬、耳丸。
誰もいないはずの理科室から広がっていく別世界。
言葉が綺麗で、
時間の流れが独特で、
お風呂の中で読んでいましたが、
とても良い読書時間でした。
Posted by ブクログ
高山宏さんの解説が正鵠を射ているのでもはや私の劣文は必要ない気もしますが、とにかく、『少年アリス』はさまざまなものから「解放」されている作品として群青天鵞絨に輝く屈指の幻想譚だと言うことができるのです。
澁澤龍彦さんや短歌の好きな私は、前者には博物誌的な面白さを、後者には音とリズムに凝縮した言葉の感覚の面白さを見出します。ペダンティックな充足を得ることの面白さというより、普段私たちが使う言葉とは違った場所に居る言葉を採集することの面白さを求めて、手を伸ばしているのです。これが私の読書傾向かつ好みです。
そして私の好む作家さんの中に、まちがいなく長野さんも含まれています。解説で高山さんは長野さんを「マニエリスト」と述べ、「意味の重圧から言葉を解放した」本書を評価しています。まったくもっておっしゃる通りだと思います。文字どうしの間隔、本文の余白も趣があります。
さて、私は今回の感想で作中の内容にあまり触れていませんが、いいのです。それこそ私の「言葉」で語るに語れない『少年アリス』の感慨は、言葉や記憶にとどめるよりも、螢星が消えた一夜の出来事のように、夢うつつとしていいものなのです。
Posted by ブクログ
夏が近付くと長野まゆみ作品を読みたくなります。
再読でも、冷たく澄んでいる不思議で綺麗な世界でした。
アリスと蜜蜂が迷い込む夜の学校、夏から秋へ変わる瞬間。星を夜空の天幕に縫い付ける。
お話は優しいのですが、言葉の音の雰囲気とか、硬質な独特の世界です。
初期の長野作品は恋愛色がなくて、こちらも良いです。
Posted by ブクログ
レトロなメルヘンだった。ワープロで打ち込んだようなフォントとレイアウトからして。言葉の一粒一粒が仄かに輝いてみえる。ゆっくり風景を想像して読む。
Posted by ブクログ
ずーっと昔から名前だけは知ってた本。
長野まゆみさんの作品は何作か読んでるけど、このデビュー作はなんとなく手を出さずにいた。
読んで驚いたのは、このデビュー作から何作も書いてあるだろうに、私が読んだ少年アリス以降の作品に感じるものがここで既に完成されていたことだ。
ほとんどの作家は書いていくうちに作家として成長(変化)していくにも関わらず、長野まゆみさんの作品からは作者自身の中に芯が太く変化しないものを感じる。非常に稀有な作家ではないだろうか。
内容に関しては、このほかに改造版なるものがあるそうなのでそちらを読んでからにしたいと思う。
Posted by ブクログ
最初の一行からどっぷりと世界に浸かれるような作品で、一言一言がほんのり発光しているような控えめな美しさがある。何故だか死のにおいがちょっとして、アリスが迷い込んだあの世界は本当に怖かった。私はアリスが死んだんじゃないかと思っていた。
でも結局アリスは時間のゆがみはあったものの元の(冒頭の)世界に帰って来れた。これが本当に本当なのかな、という疑惑は拭えず。本当にあの教師の言うとおり、アリスは夢をみていたのかもしれない。
そういう、疑うに足る端くれを見つけるまではそのような問いは不適切であると思うけれど、実際そう深く感じられる世界を垣間見せられたあとではどうしてもそういう(平たく言えばマトリックスの培養液の中みたいな)世界であると疑うことをやめられない。
Posted by ブクログ
再読。初めて読んだのは10年近く前になるのかなぁ。他にも長野さんの作品はいくつか読んだけど、手元に残っているのは「少年アリス」と他1冊だけ。きらきらとした、素敵なメルヘン。星を縫いつける描写が大好きでした。ときめく!
理科に疎い私には、「?」となってしまう所もあるんだけど、そんな感覚も含めて現代版の宮澤賢治を読んでいるようでした。
Posted by ブクログ
すごーくふわふわして、きらきらしたおはなし。
アリスと蜜蜂が、互いに思い合って成長していくところがなんともかわいらしいと思います。
夜の学校・理科室となんともファンタジーな世界で、一気にさらっと読んでしまいました。
字体も可愛くて、絵本みたいな印象を受けました。
でも、その前に読んだ本が東野圭吾さんだったからちょっと物足りなさを感じてしまったので、星3つで泣
Posted by ブクログ
ファンタジーな世界から
またファンタジーな世界へ・・・
親友の蜜蜂と夜の学校に色鉛筆を取りに来た少年アリスが
理科室で不思議な夜の授業を受けるコトになるお話です。
不思議の国のアリスは何も関係ありません。
一つ一つの単語や文章がとても幻想的で
何度でも読み返したくなる作品でした。
『猫道楽』と『少年アリス』はちょっと購入を検討中(´ω`)
Posted by ブクログ
強く薦められ単行本の方を手に取りました。
少年アリスというタイトルから、不思議の国のような作品をイメージしていましたが違いました。
不思議と冒険という意味合いでは同じかもしれませんが、長野作品特有のさらっとした感触が同じだとはさせません。
しかしながら、単純にさらっとした綺麗な文の羅列だけの作品なのではなく、どこかしらにシミのようなものを残した不思議な余韻の残るものです。
同性愛表現がないため、BLが苦手な私でも安心して読めました。
やっぱり長野先生の作品では初期が一番好きです。
Posted by ブクログ
夜の学校に忍び込んだ少年が、夜中の生徒と間違えられ、その不思議な授業に参加させられる話。日常ではありえない授業内容が面白く、それを通じて彼らの正体がわかっていく。
アリスと蜂蜜がお互い離れてみて、やっと相手を客観的に知れたような、大人になっていくような感じ。
しかし、教師が、アリスがいくら違うと訴えても無理矢理仲間に引き入れ、誤解が分った後も自分の都合で彼を消したことは、子どもから見た大人の理不尽さを強く訴えているように見えたのだが、そういうことなのだろうか?
Posted by ブクログ
初読はおそらく中三とか高一とかその辺。衝撃を受けたのは覚えている。思春期に一度はくぐるのが「不思議の国のアリス」と「銀河鉄道の夜」だと思っていて、はまるかどうかは別として、洗礼は受けるのかなと。銀河鉄道の夜は少年たちの冒険で、アリスは少女の冒険で、その二つが組み合わさったようなタイトルで、思春期真っ盛りの自分が惹かれないわけがない。あれから何十年もたって読み直したけれど、いいね。この世界観。夢か現か、硬質で、少年でいられる時間は限りがある。刹那的で瞬間的な美しさがそこにある。
Posted by ブクログ
愛萌さんの偏愛河出文庫の企画で出逢いました。
自分のセンスでは絶対に選ばない本なので、新たな出逢いとなりました。
ファンシーでメルヘンな幻想的な童話です。
170ページほどしかないけど、旧かな遣いとかも含めて、長野まゆみ先生の独特な世界観に慣れるのに時間がかかりました。
絵本にしてもいいのでは?と思うぐらい、幻想的かつ美しい夜空や卵や螢星の表現、少年たちのやり取りが魅力的な作品でした。
現実を戦う勇気が湧くような話が大好きな私にはちょっとハマらなかったですが、幻想的な不思議な話が好きな方にオススメです。
◯特にオススメの層
絵本のような幻想的なメルヘンな物語が好きな方
Posted by ブクログ
何よりも言葉が綺麗。登場人物の名前が蜜蜂とかアリスとか、ちょっと変わった感じなのも面白い。雰囲気が宮沢賢治っぽいな~と思った。理屈ではなく、心で感じるタイプの物語。
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なんとも言えないふわふわとした、メルヘンチックな雰囲気の漂うお話だった。
正直、雰囲気でどうにかしている、と感じてしまう部分もあったが、それは解説の中に書かれていたように、私が"意味に緊縛されている"からなのだろうと思う。
言葉や字面の美しさよりも、この表現が正しいか否かで捉えてしまうのがなによりもの証拠だと思う。例えば、鉤括弧の終わりで句点が打たれていることに違和感を感じたり。
もっと、そうした型に嵌められて凝り固まった感性をほぐす為にも、長野まゆみさんの作品は合っているのかも知れないと感じたので、他の作品も読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
世界観がすごく好き。
漢字の使い方も素敵。
しかしその文章が読み難く、一冊読むことがつらい。
それでも、それをも超える独特の世界に揺蕩う魅惑。
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青春の狭間、夏と秋の狭間で少年たちが非日常を体験し、「包帯」から解放され、成長する物語。
卵の球形と兄で円環するというメタファー、と解説で指摘されていたのはなるほどと思った。
Posted by ブクログ
「あゝ、そうか。提灯を作るんだね。蛍星を入れて。」アリスが了解すると、
「そう、月明かりだけでは暗過ぎるからね。」
2014/10/31-11/05
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足穂だ!
書評を先に読んでしまい興味を持った。
幻想的であり、夢のようでもあり。
卵(鳥になれなかった=未熟な?
子どもから大人になるでもなく、子どものままでいるのでもない。
月の光:霧につつまれた様な雰囲気。
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アリス、蜜蜂、耳丸。舞台はどこなんだってなりました(笑)なんかメルヘンで不思議なお話でした。つかみどころ無いですが何回も何回も読んでしまいます。
Posted by ブクログ
独創的な世界観のある長野まゆみの原点。話の舞台は、現実世界のようなのだけど、著者の幻想的な表現によって、一種のパラレルワールドのようにも感じられる。その世界の住人アリスと蜜蜂が、夜の学校で別の世界に紛れ込んでしまう。二重のパラレルワールドが展開されているようで、とても不思議な作品。単純なファンタジーではなく心にチクッと刺さるものも、大人でも存分に楽しめる童話。
中学の頃に出会った本。当時は単行本だったが今回文庫を読み直し。「天体議会」もそうだけど、この作家の初期の作品を何冊か読んでいると宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(登場人物のほとんどが猫の姿で描かれてたアニメ版)の世界をいつも想像してしまう。
透明感で溢れている作品だと思う。 行間、漢字の使い方、物(質)の名前が独特で文の書体も独特。読み手の好みが分かれてしまうが文章を読んでいるはずなのに、綺麗な水彩画を見ているような気分になる不思議な世界観が私は好き。
「水蓮の開く音がする月夜だった。」という冒頭の文章に衝撃を受けたのを今でも思い出す。水蓮の開く音、とは?!と。
群青天鵞絨(びろうど)色のメルヘンという言葉がとても似合うデビュー作。長野まゆみ作品で一番好きな物語。
Posted by ブクログ
中学の頃、長野まゆみブームがきたので、夢中になって読んだ。
その中でも、これは異色だと思い、何となく覚えている。
妖精がいて、蜜蜂という不思議な名前の登場人物が出てきて、何処か薄気味悪いのに綺麗。
そんな印象が強く、ランプの明かりに照らされている世界観だと勝手に思っていた。
スカラ座通りや細工卵といったいちいちツボを突くアイテムを出してくるところがずるい。
Posted by ブクログ
この世界観を受け入れる純情さと可憐な心があれば、楽しい作品だと思う。主人公らの謎の深い内面描写は良かったが、なんか悟りすぎ感が否めない。まあそれで成長するならばいいでしょう、この美少年たち(たぶん)は。
Posted by ブクログ
話の展開がちょっと捉えにくいからビギナーさんにはオススメしませんが、耽美系好きな人にはたまらないと思います
長野まゆみさんはBL小説家みたいに思ってる人もいるけど
これはそういうのはあんまりないかな
まぁデビュー作だから他の作品に比べたら幾分か初々しい感じ・・・あんまりしないか
美しい色彩感覚
句読点にまで感情が篭ってるような叙情
しかしどれもこれも淡白で使っている漢字から
ああ、宮沢賢治ファンだな、と伝わってきます