無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
昭和二〇年八月六日、広島は雲ひとつない快晴だった-東京の女学校に通う十五歳の珠紀。戦争の影が濃くなるなか、友人たちは次々軍人に嫁いでゆき、珠紀は従弟の担任教師と結婚する。だが突然、夫は軍に志願したため、二人で過ごせる時はたった一週間しかなかった。珠紀は姑と暮らすため広島へ移り、やがてその地で運命の日を迎えることに…。少女たちの目から原爆を描き話題となった名作。
Posted by ブクログ 2012年08月02日
去年の夏に買いました。
新刊の棚に並んでいるのを見て、作者にしては珍しい題材だと思いました。
あとがきまで読んで納得。
いつもより抑え気味の文体に仕立ててある気がするのが、ノスタルジックで…従姉弟のほのかな想いも初々しく、まさに昭和。
戦争さえなければきれいでいい時代だったのだと感じさせる。
そして...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月07日
「原爆」がテーマの本作。けれど、その瞬間も以後の世界も描かれていません。そこにいたるまでの日常が描かれた、緩やかで温かな青春小説です。だからこそ、以後を知る私たちには言いようのない虚無感と怒りがわいてくるのです。
ところで、文庫版は、東日本大震災のすぐ後に出されました。あるボランティア団体は、3月1...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年11月01日
原爆とかどうとか関係なく、珠紀と史郎の心の交流が美しかった。これが、年下萌えなのか…?とも思ってしまったり。
原爆で死んだ史郎が最後珠紀に会いにくるシーンが、なんとも悲しい。
市原さんのことは結局よくわからなかったな。当時の若い青年の戦争観なのだろうか。
「突然消えてしまう」ように見える乗組員のよう...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月21日
単行本の刊行は1995年ということですので、
戦後50周年の企画として描かれたお話なのかもわかりませんが
ただ勢いに乗って書いたという風ではないので安心して読めます。
(あとがきを読んで納得です)
細かい情景の描写と麗しき少年の描写はさすが長野さんだなと思いました。
よくある日常の中に何気ない顔を...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月29日
題名を見ると、「原爆」文学なのかな?っと思われるかもしれない。
だが、八月六日の記述は約9ページ分。全体の1/15程度。
記述が少ない分、最後に史郎が現れる部分は、本当に深い。
それまでの珠紀と史郎の人間ドラマがこの場面に集約されてるような気がして。
そして、原爆の被害をつらつらと書くよりも、こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月29日
その日まで戦時ではあっても日常があったのだと改めて思わせてくれた本。
八月六日を知らない人が読んだなら「初恋」と題をつけてもおかしくない。
装丁は作者による原爆ドームが描かれている。表紙を見ただけでは避けてしまう人がいるかもしれない。私も長野作品でなかったら避けてたと思う。
でも、これはもったいな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月15日
昭和16年から原爆投下の日まで、女学生珠紀の何気ない日常を、彼女を慕う4歳年下の従弟との交流を織り交ぜながら描いていく。
戦時下の市井の人々がただ凄惨な日々を過ごしたのではなく、不自由ながら小さな喜びを見つけて一生懸命生きていたんだとつくづく思う。
だからこそ、一瞬でその日常を奪った空襲や原子爆...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月06日
従姉弟同士のかけがえのない、優しくて切ない時間にうっとりしました。
原爆がテーマとのことで最初は敬遠していたのですが、勧められ読みました。結果、読んで良かったと思います。
最初は原爆ではお馴染みの「ピカドン」で終わりだろうと高をくくっていのですが、原爆に関する記述はなくそれ以前の戦争中ながら優しさと...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。