長野まゆみのレビュー一覧
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ネタバレ表紙とタイトルが素敵。
長野さんの作品はとてもきれいな言葉、単語が使われているという印象があります。
一方で「少年アリス」等、独特な世界感に入り込むのに時間がかかり読みにくかったようなイメージだったのですが、「よろづ春夏冬中」は短編で現代風のお話ということもあり、おもしろく読みやすかったです。
どのお話も不思議な雰囲気で、きつねにつままれたような感じになります。
男性同士の恋愛がベースのお話が多かったですが、お話によっては思わずきゅんとしてしまいます…
「海辺の休日」「花のもとにて」「アパートの鍵」が特に好きです。
魂や夢がからんでいるお話は少し怖くて、?となることも多かったです。
「雨 -
Posted by ブクログ
最初の一行からどっぷりと世界に浸かれるような作品で、一言一言がほんのり発光しているような控えめな美しさがある。何故だか死のにおいがちょっとして、アリスが迷い込んだあの世界は本当に怖かった。私はアリスが死んだんじゃないかと思っていた。
でも結局アリスは時間のゆがみはあったものの元の(冒頭の)世界に帰って来れた。これが本当に本当なのかな、という疑惑は拭えず。本当にあの教師の言うとおり、アリスは夢をみていたのかもしれない。
そういう、疑うに足る端くれを見つけるまではそのような問いは不適切であると思うけれど、実際そう深く感じられる世界を垣間見せられたあとではどうしてもそういう(平たく言えばマトリックス -
Posted by ブクログ
『星降る夜のクリスマス』
クリスマスの夜、デパートで買い物中の母を待つミラン少年が、不思議な雰囲気のフラノと共に遊園地に行くお話。
フラノは天使と住んでいるようだ。
キラキラふわふわした物語だった。
『仔犬の気持ち』
もミランが主人公で、クリスマスの出会いから時間をさかのぼり、愛犬タッシュが家に来てからの日々を描く。
お兄ちゃんとの関係がいい。
『少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く』
少年アリスは読んでない。物語はまんま不思議の国のアリスの焼き直しであった。
『クリスマスの朝に』
唯一女の子が主人公。
子犬のような巨体のうさぎをクリスマス休暇の旅行に連れて行くかどうかのあれこれ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半は、かわいくて幻想的な短編集。
『少年アリス』にも出てきた銀の実、
夜の波止場に現れる不思議な麵麭屋さん、
海辺へ繋がる扉、月光で孵化する卵、
焼け具合が一番いいひまわりパンを食べにくる猫たち、
不思議な街の不思議なスイーツ、夜半の独り歩き。
後半にあたる『銀色と黒蜜糖』は、
『野ばら』の“亜種”で、煌めきはあるがすこし仄暗い印象。
月彦の閉じた夢の中で、操り、操られる、銀色と黒蜜糖。
生ハムや白身魚のパテをはさんだ三日月麵麭、
サフランで黄金色に染めた砂糖をクリーム状にして、
カステラをくるんだ月の菓子、
ひまわりの種入りパン、楓のシロップ、
ココ椰子ミルクに沈む色とりどりのジュレ、