長野まゆみのレビュー一覧
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ネタバレ鳥貝には可哀そうだけれども、百合子の鬱屈に心が向く。
夏目と本当の兄弟のように育って、本当の兄として慕ってしたけれど、夏目には血の繋がった本当の弟がいた。自分には助けられないけれども、本当の弟だったら夏目を助けられるかもしれない。それなのに夏目は、何も知らず幸せな生活を送っている弟のことを思って、彼が成人するまでは心を乱させたくない、とほとんど会ったことがないはずの弟のことを思いやる。だからどんな奴か確かめてやろう、くらいの気持ちで遠巻きに観察してみたら、……ミイラ取りがミイラになった。
鳥貝が東京に来た時点ではすでに好きだったのにそれを悟らせたくなくて、自分は悲しくてあんなに泣いたのに実の兄 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地図に導かれて、あるいはエルヴィラ・モンドに導かれて、リュスの出自が明らかになっていく。
リュスは何も期待せずに、ひっそりと生きる青年。
謎めいた地図にも、不思議なめぐりあわせにも、心を躍らせたりしない。
目立たないように生きることが、彼の処世術なのだ。
そんな彼が本当の家族に出会うまで。
とても良く出来たシンデレラストーリーだ。
珍しく伏線回収もしっかりされている。
でも、その物語自体は小さくまとまっていて、冒険活劇でもなければ、感涙必至でもない。
この物語の魅力は、ストーリーではなく、随所に散りばめられた小道具にある。
イタリアを思わせる異国の街。
日記としての地図。
つつましいプディ -
Posted by ブクログ
ネタバレ日常の中の不思議も、意味を知ってしまえば不思議でなくなることがある。
でも、それは時に本当の異界に繋がっているかもしれない。
立彦と熊谷さんは、似たような存在なのだろうか。
子供の頃の立彦は神経質だったのではなく、何かを感じ取っていたのだろう。
初島さんと熊谷さんと立彦、そして逸子も、あちら側に繋がりを持っていて、佐保や佐保の母は鈍感に日常を生きている。その対比が奥行きを持たせる。
本筋に関係がなさそうなのによく登場する髪は神に通じ、逸子の髪は針刺しを作るために売られ、こちらとあちらを繋いでいる。ようにも見える。
蝶は、死者の符号というところか。
でも肝心の蛇が何を指しているのかは分からな