長野まゆみのレビュー一覧
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ネタバレ地図に導かれて、あるいはエルヴィラ・モンドに導かれて、リュスの出自が明らかになっていく。
リュスは何も期待せずに、ひっそりと生きる青年。
謎めいた地図にも、不思議なめぐりあわせにも、心を躍らせたりしない。
目立たないように生きることが、彼の処世術なのだ。
そんな彼が本当の家族に出会うまで。
とても良く出来たシンデレラストーリーだ。
珍しく伏線回収もしっかりされている。
でも、その物語自体は小さくまとまっていて、冒険活劇でもなければ、感涙必至でもない。
この物語の魅力は、ストーリーではなく、随所に散りばめられた小道具にある。
イタリアを思わせる異国の街。
日記としての地図。
つつましいプディ -
Posted by ブクログ
ネタバレ日常の中の不思議も、意味を知ってしまえば不思議でなくなることがある。
でも、それは時に本当の異界に繋がっているかもしれない。
立彦と熊谷さんは、似たような存在なのだろうか。
子供の頃の立彦は神経質だったのではなく、何かを感じ取っていたのだろう。
初島さんと熊谷さんと立彦、そして逸子も、あちら側に繋がりを持っていて、佐保や佐保の母は鈍感に日常を生きている。その対比が奥行きを持たせる。
本筋に関係がなさそうなのによく登場する髪は神に通じ、逸子の髪は針刺しを作るために売られ、こちらとあちらを繋いでいる。ようにも見える。
蝶は、死者の符号というところか。
でも肝心の蛇が何を指しているのかは分からな -
Posted by ブクログ
ネタバレ長野まゆみさんの作品、初期よりも後期のほうがすっかり好みになってしまいました。
こちらもしみじみよかった。
戦中戦後の家族の記憶は現実と幻想が入り交じって、長野ワールドのきらめきや爽やかさと、戦争の仄暗さが同居してました。
風景描写、生きている時代も居住区域からも知らない風景の筈なのに目に浮かぶような鮮やかさです。
あまりの「思い出話」ぽさに何度も、私小説かな?と思い、いや長野さんのご兄弟はお兄さんでなく妹さんだったはず…と我に返りました。
「八月六日上々天氣」もだったけど、淡々としているほうが胸に迫るものがあります。かといって深刻じゃないからすごい
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Posted by ブクログ
前作を読んでから1年半が経ってしまったので諸々の関係値がうろ覚えに…それでも新しく登場した有沢くんのおかげで楽しむことができました。
そこそこ本を読んでいる自負のある自分でもほとんど1~2Pに1回くらいの頻度で「なんて読むんだこれ…」って単語だったり「どういう意味だこれ…」って単語が出てくる。時代が違うこともさることながら、綺麗な日本語だな、と素直に感服してしまう言葉がこの本には確かに残っている気がしました。昔の自分だったらその一言一言を嬉々として調べては、知ることそのものを楽しんでたんだろうけど、今はどうも億劫に感じてしまってよくないですね…。 -
Posted by ブクログ
古本屋で題名に惹かれて読み始めました。
元々猫に関係する話なのだろうな、と思って読んでいましたが、読み進めるうちに雰囲気が変わっていき「これが、、あれなのか?」と訝しみ始めました。
別に僕はこの手の本が嫌いなわけではなく、全く触れてこなかった分野なものだけに少し警戒していたのです。何に警戒したのかはわかりませんが。
ただ物語に用いられる言葉や雰囲気がとても官能的なのはずっと感じており、それらにとても魅力を感じました。登場する家屋の描写もとても好みでした。
また、言葉の意味合いを含めて色々勉強になったのも確かです...。
改めて一通り読んだ自分を文字で表してみると、一郎とほとんど同じ道を辿っ