長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ケンタウリ・プロキシマ。
“星の名前”を教えてくれた宵里という名の少年は、
いつもアビを魅了してやまない。
ソォダ水のはじける音、天使の枕、流星群の観測…
秋の新学期から、翌年の夏期休暇まで、
二人が過ごした一年足らずの日々を描く。
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月の輪船、夜のプロキオン、銀星ロケット、ドロップ水塔の4作を収録。
どこか外国を思わせる建築物や行事。
不思議な出来事と、当たり前の日常と
小さなエピソードの連続だけど全ては貴重なこと。
季節の表現や小物遣いや言葉の選び方が絶妙。
言わなくていいこと。今言わなければいけないこと。
思わず口にしてしまったこと。
言いたく -
Posted by ブクログ
美しい言葉、美しいカラー写真。
紙質も普通の文庫と違い、眼と感触、いろいろ楽しめる本。
個々の短編と思いきや、ひとつのストーリー。
ラスト、梓の真相は今思えば不思議だが全く気づかず。
だからこそ、とても胸にじんわり迫る。
飄々とした大人の父が、少年時代は少し不器用で完璧では無い面がとても愛おしくなる。
まゆみ氏の少年はとても血気盛んな少年と、幽霊みたいな少年に分かれていて、
幽霊みたいな少年が本当に幽霊だったという、こんなしっくり納得できる話もない(笑)
上海少年で読んだ秀逸な短編を、丹精にもういちど見せられたような、贅沢な気分になれた。
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Posted by ブクログ
初めて読んだ長野さんの本です。母親が所持(!)していて、面白そうだな〜と思ってタイトルに惹かれて読みました。第一印象は本当にビックリの一言というか。世界観がまず私がとても好きなものだったのでそこに引き込まれたというのと、やはり言葉のひとつひとつにすごく感銘を受けたというか。他の本や作家さんの言葉や文章が雑というわけではないですが、これほど丁寧というか日本語とか漢字に対して愛情を感じる作家さんはいないのでは?というぐらい文字ひとつひとつが頭に染み入るかんじ・・かな。この本を読んですぐにファンになっていろいろと読んでいますが、やはりこの辺りの作品は今でも大好きです。ちなみにレンズ豆のスープ、この間