長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かったです。
少年たちの日々と世界が、学級日誌を通して描かれています。
学校ともだちとの生活のなかで悩みながらも成長していく少年たちが眩しい。
そして言葉の端々から浮かび上がってくる、破壊されつつある世界。紫外線の影響で夏期は外出規制があり、普段の外出もままならない。5年後には『選抜』という制度もある…。食料などにも問題があるようです。仄かなディストピア感、好きです。
担任のオヅ先生が素晴らしいです。厳しくも優しい、理想的な先生だなぁ。
「きょう解決できないことがあっても、あしたはうまくゆくかもしれません。そう考えるようにいたしましょう」 -
Posted by ブクログ
面白かったです。短編集。
「綺羅星波止場」「レダの卵」「月夜の散歩」「銀色と黒蜜糖」が特に好きでした。
表題作は、三日月パン(パンの字が出せない…)が美味しそうなのと、熱くないほのをを立ち上らせる碧い石がなんなのか気になりました。素敵。
「レダの卵」は、大人の女性二人組が主役というのが珍しかったです。酒店とか的士、香港…?と思いました。
「月夜の散歩」は詩のようでした。
「銀色と黒蜜糖」はふたりがとても冷酷で良いです。影を壊した銀色が、月彦を柘榴石にしてその紅玉の粉末を飲んで元に戻るために、黒蜜糖と共に月彦を夢の中でつけ狙うのですが、月彦が彼らに囚われているのか、それとも銀色と黒蜜糖が月彦の夢 -
Posted by ブクログ
カムパネルラの視点から、「銀河鉄道の夜」を語り直す…だけでは終わらなかった。
もっとファンタジーで、きらきらしたかんじかと思っていたのですが、中原中也(宙也?)さんの電波妨害による宮沢賢治という人の解釈とか、なんかもう小説というよりは論文みたいでした。
読後感としては、カムパネルラよりも中也さんの印象が強かった…
これはこれですごく面白かったですが。
ジョバンニが幼い頃の宮沢賢治の姿であり、カムパネルラは青年時代(恋をしていた頃)の自己投影、という説は、なんというか、そんな見方があるのかと、もう一度、「銀河鉄道の夜」を読み直したくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて改造版を読んだときは、こっちの方が好きかな~と思ったけど、再読したら、そうでもないかも?と思い、旧版が読みたくなって、そっちも電子書籍で買ってしまった…
比較したら、アリスと蜜蜂が、お互いがどんな存在か想ったり、自分の弱いところについて考えたりする部分が全部削られててびっくり!行間を読めってこと? あと、遠くを見ているアリスの横顔を蜜蜂が見ているところも好きなんだけど、なくなってる…
文章は、初期の漢字が多くて硬質なものから、ひらがな多用の文章に変わっていて、全体のかんじは新しい方が好きかなあ。 要するにふたつでひとつだな、と思った。 改造版が出たときの「文藝」長野まゆみ特集を読み返