長野まゆみのレビュー一覧

  • テレヴィジョン・シティ

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    ネタバレ

    ジロがとても好き。

    意地悪で高慢だけど、アナナスに対する分かりにくい優しさが見え隠れしていた。

    だからこそ、二人が歩み寄れていたら……と思ってしまう。

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    2019年01月19日
  • メルカトル

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    「映画三昧で本を読む時間がつくれないから、とにかく本屋で目についたいちばん薄い本を買う」の第2弾。のはずだったのに、思いのほか読むのに時間がかかってしまい、何やっているんだか(笑)。時間がかかったのはつまらなかったからではなく、その逆。丁寧に読みたくなるし、丁寧に読まないとついていけなくなる。まるで翻訳ものを読んでいるかのようで、乙一の『銃とチョコレート』なんかを思い出しました。異国の港町、地図収集館に勤める17歳の静かな日常がミステリーに引き込まれてワクワク。この表紙、素敵です。絵本でも読みたいぐらい。

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    2018年12月28日
  • 夏帽子

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    小・中学生の時の理科の授業って、実験したり観察したり、普段身近にあるけれど知らなかったこととかを教えてもらえて、他の教科とは違った特別感みたいなのがあったなぁ、特に顕微鏡を覗いて植物の葉脈を観たり、天体の授業を聞いているときはわくわくしたなぁ…というのを思い出して懐かしい気持ちになりました。

    本作に登場する紺野先生は、各地を転々とする臨時の理科教師で、身近な植物や自然の光を利用した遊び、豆知識を教えてくれる物知り博士のような人。

    各地を移動するわけだから、環境が変わればそこで暮らす少年たちの性格や遊びも変わる。そんな変化を楽しみながら巡る季節と、不思議な出会いの連続。年中を通して、紺野先生

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    2018年12月18日
  • 野川

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    長編。

    中2の音和おとわは両親の離婚、父の事業の頓挫で転校することに。
    転校先には、変わった国語教師の河井。3年で新聞部の吉岡。新聞部では伝書鳩を育て訓練していて、その中に飛べるのに飛ばないコマメが居る。

    肩に乗って、肩から肩へ移動するコマメが可愛い。
    音和の父親にも同情してしまう。
    お父さんはもっと仕事が出来るのにって思う子供の気持ちとか。
    伝書鳩が野生化したのがドバトって知らなかった。

    主人公に限らず、その親も詳しく描いてあるって前はなかった。気がする。

    意識を変えろ。ルールが変わったんだ。
    河井が転入してきた音和にかけた言葉。

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    2018年11月04日
  • ぼくはこうして大人になる

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    淡々とした語り口で、子どもと大人の狭間の少年の姿を描く。爽やか、という感じではないが眩しい。
    長野さんは同性愛を描くことが多く、本作もその要素はそれなりにあるのだけども、それが苦手な人でも楽しめると思う。一が淡々としているからギラつかないし、身近な人には受け入れられており、とてもよいなと思う。
    長野さんの少年は、女性からみた理想の少年なのだと思う、「男子」ではなく。年をとってから読んでも、つい憧れてしまうような。

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    2018年10月19日
  • 野川

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    長野さんの作品に出てくる学生は私からみると大抵大人びていて、それが好きです。
    このお話に登場するような先生と学生時代に出会えたら素敵だなぁと思いました。

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    2018年09月04日
  • 野川

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    成長したいと思っても、望む速度と身体の成長の速度が追いつかなくて、自分はまだ子どもの区分だと諦める。でも諦め切れない領域もあって、差分と埋め合わせる成分として涙が出る。そんな話し。

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    2018年06月26日
  • レモンタルト

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    絶妙なタイミングで現れる義兄がずるい!(笑)
    姉との思い出、義兄への想い。読んでて始終もどかしく、切なかった。
    各話の謎が解明されてるようでされてない、この曖昧な感じが好きです。続きが気になってぐいぐい読めました。

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    2018年05月05日
  • 左近の桜

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    耽美な雰囲気と妖しげな展開が気になってすっかり作品の世界観に魅了されてしまいました。
    不可思議な現象や風景の描写がとても綺麗で良かった。
    全部語らないことで感じる余韻や、狐につままれた気分になるのが逆に癖になりそうでした(笑)
    長野まゆみさんの作品は初めて読んだのですが、他の作品も読んでみたいです。

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    2018年04月27日
  • チマチマ記

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    チマキとノリマキの猫兄弟。
    チマキ視点で語られる『宝来家』での日々。

    小巻おかあさんがフリーペーパーに連載している『コマコマ記』を真似て『チマチマ記』だって^^
    かわいい♪
    所々にでてくるチマキのかわいい表現にやられちゃいます♪
    チマキとノリマキの会話なんてほんっとかわいくて癒されちゃいます^^

    美味しそうなごはんの数々が出てきますが、ネコがダメな食材(ネギとかチョコとか)に気を使ってる宝来家の人々にうんうん♪
    うちもチワワーズに気を使ってるので共感しちゃいました。

    長野さんの作品、初めて読んだのがちょっとボーイズラブが全面に出てきていたので苦手でしたが・・
    今回の作品はかるーく匂わす程

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    2018年04月12日
  • いい部屋あります。

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    長野まゆみのいい部屋ありますを読みました。

    長野まゆみの小説というと、美男子がたくさん登場してボーイズラブのにおいのする、少女向けコミックのような小説というイメージがあります。
    今回の作品もそのような小説に見せかけていますが、ストーリーのほうはちょっとひねりが入っていて面白く読みました。

    主人公の鳥貝一弥は希望する大学に合格して下宿先を探しますが、予算に見合うアパートが見つかりません。
    大学の学友クラブに顔を出すと、大学には寮があるが入寮審査がきびしいということを聞きます。
    しかし、なぜか大学の寮へ案内された鳥貝は個性的な入居者たちに驚きます。
    一癖も二癖もある入居者たちは、しかし鳥貝に隠

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    2018年02月24日
  • いい部屋あります。

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    とにかく百合子くんがかわいい、すっごくかわいい。

    百合子千里(ゆりこ ゆきさと)は男性。なんと“百合子”は苗字。
    主人公の名前は鳥貝一弥(とりがい たかはる)で、他にも安羅(やすら)さん、白熊(はぐま)さん、多飛本(たびもと)さんと長野まゆみさんらしいネーミングセンスの人たちが沢山登場してくれて嬉しい!

    春から大学生として一人暮らしをするために上京し、学生寮に応募していたものの、抽選に外れ、他の近辺にある物件を探すがどれも残り物の物件であり、高額or劣悪条件ばかり。
    部屋探しに途方にくれる中、学生クラブの会長に勧められ、学生が運営・管理している物件を紹介される。価格もお手頃、環境、部屋の状

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    2018年01月03日
  • チマチマ記

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    読んでいて心地よい小説。日常が穏やかに輝くように見えるようになる。
    カガミくんがつくるこだわりの料理が美味しそうで読んでいてお腹が空いた…。1つ1つの料理を丁寧に作るように、小さなことを重ねて生きることが「良く生きる」ことなのかな。
    複雑な家庭事情だけれど特に事件は起こらない。普通ならここからいざこざが起こりそうだけれど、そんなこと気にもせずにみんな飄々と生きているのが長野さんらしいところ。この良い意味で人間らしくないところに、あこがれてしまうんだよなあ。こんな風に強く生きたい。

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    2017年11月16日
  • 天体議会 プラネット・ブルー

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    「白鳥が天河を翔ける九月の第1月曜日、うんざりするほど暑い地下鉄の大混雑で夏の休暇が明けた。」(本文より)銅貨と水蓮という2人の少年を中心とした物語。
    長野まゆみさんの作風は独特ですが、こちらの小説は比較的マイルドで、長野さんファンでない方にも是非読んでみてもらいたいなと思います。銅貨の父親がいる「南」の描写が好きで、夏になるとふと読みたくなります。

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    2017年11月12日
  • 八月六日上々天氣

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    原爆とかどうとか関係なく、珠紀と史郎の心の交流が美しかった。これが、年下萌えなのか…?とも思ってしまったり。
    原爆で死んだ史郎が最後珠紀に会いにくるシーンが、なんとも悲しい。
    市原さんのことは結局よくわからなかったな。当時の若い青年の戦争観なのだろうか。
    「突然消えてしまう」ように見える乗組員のように、突然消えた史郎。肉片になって敵の甲板じゅうに飛び散らずに、彼の肉体はどこへ行ってしまったのだろう…。
    珠紀は毎年八月六日、白玉の泡蒸しを作って彼を思うのだと思う。

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    2017年11月01日
  • 野川

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    長野まゆみ式正統派青春小説といった感じでしょうか。
    両親の離婚と父の事業の失敗のために中学校を転校した主人公。その中学校の立地から付近の地形に興味を持ち、少し変わった先輩や先生に誘われて(騙されて?)新聞部の新たな部長となる。その新聞部では伝書鳩を飼育していた。
    地形や地学の用語がさらさらと出てきます。ああ「ブラタモリ」で説明していたなあと頭の中で地形を思い描くのですが、はたしてきちんと再現できているのやら。それでも頭の中で野川が流れ土地が隆起し形作られて来るのです。
    文章で表されているものに血肉を与え形を成すもの、それが経験であり知識なのでしょう。そして知識というものは人の中に体積していくも

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    2017年09月29日
  • あのころのデパート

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    長野さんは、バブル期直前までの一時期を、デパートの店員として勤務した経験があるという。
    関西拠点の、電鉄会社を母体とするKデパート、つまり、近鉄百貨店の東京店。
    本書いう「あのころ」の大半は、確かにその時期のことを指す。
    が、お母さんもデパートに勤めた人だったとのことで、話はもう少し古い頃のことも出てくる。

    私自身も八〇年代後半ごろからなら、なんとなく記憶にあり、また住んでいたのが地方だから、まだ八〇年後半でもここに書かれているようなことは、まだ残っていたかもしれない。
    そのせいか、なんかとても懐かしかった。
    デパートに定休日があったころ。
    デパートの店員さんが制服を着ていたころ。
    表紙にも

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    2017年09月09日
  • あのころのデパート

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    デパートや大型スーパーの閉店が相次いでいる。
    特に、今年2017年に入ってからの勢いはとどまる事を知らない。
    あ~あ、デパートってオワコンなんだなあ…
    ニュース記事では、その理由を経済評論家が分析している。
    郊外型の大型施設に取って代わられたとか、アウトレットが人気とか、駅前で買い物しなくなったとか、通販が盛んになったとか…
    どれも、「今の状況」としては間違っていないのだろうけど…
    震災や、世界経済の影響は別として、何事も突然始まるものではない。

    長野さんのエッセイだから読みたくて手に取ったのだが、デパート勤めが題材の自伝的エッセイかと思ったら、『老舗デパート、なぜ閉店相次ぐ?どうしてこうな

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    2017年09月09日
  • お菓子手帖

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    長野さんのエッセイ。
    その年のエピソードや印象のあるお菓子をテーマに、生まれた時から一年ごとに書かれたショートエッセイ集。
    時代を感じられる懐かしいお菓子の話や、その時代の様子を知れて面白い。

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    2017年08月09日
  • 魚たちの離宮

    お盆がくるたび思い出す

    それが、この本。
    結局、原因はなんだったの?
    やはり弟が?
    謎展開なんですよね。あの先生も役どころが微妙と いうか。
    もやっとするから余計に引っ掛かって思い出すのかしら?

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    2017年07月10日