長野まゆみのレビュー一覧

  • 夏期休暇

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    面白かったです。
    千波矢と葵というふたりの少年が中心ですが、桂という葵の姉もよく出てくるのが珍しいと思いました。
    自分のせいで亡くしてしまった兄を慕う千波矢と、千波矢に虐げられながらも気になる葵の関係が切ないです。
    葵が悲しすぎました。
    次に、海から千波矢の帽子を持ってくるのは葵なのかな。
    荒れた海の轟きが聞こえてくるお話でした。

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    2019年09月01日
  • 箪笥のなか

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    単行本の方を読んだのは2007/10/25になってたけど全然内容を覚えてなかった。箪笥を通して不思議ななにかが起きる、和風な話だったような…くらいの印象。
    読み直したらめっちゃ面白かったやんか。非日常のはずのものがスーンと入ってきてて、なんのことなく日常に受け入れられている平和な雰囲気がいい。あと食べ物がおいしそう。最初のラーメンと鳩のクリームパンが特においしそうだった。
    解説読んだら、文字遣いが単行本とだいぶ違うらしいんやけど、今のわたしにはこっちの方がいいな…もう若くないからなわたし…

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    2019年08月20日
  • 魚たちの離宮

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    ネタバレ

    面白かったです。
    お盆の時期は過ぎてしまいましたが、この季節にぴったりで、冷たく澄んだ世界に浸りました。
    夏宿は初めから幽霊だったのだろうし、市郎と弥彦も最後は池へ沈んだのでしょう。
    市郎が終盤まで弥彦に翻弄されていて不憫になると共に、弥彦の不安定さと傲慢さも気になります。でも夏宿の儚さに惹かれます。
    ピアノ教師が不気味でした。
    ほととぎすを鏡暮鳥と書いてあるのは何か意味があるのだろうか…素敵です。

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    2019年08月18日
  • カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

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    ネタバレ

    カムパネルラからの視点からの銀河鉄道を紐解く……という形だが中原中也が俺の方が宮沢の事をよぉく知っているんだぜとインタビューに乱入してくる。
    むしろ中原中也が途中からメインの語り手になりつつある。
    しかし、太宰治さんの「モ、モ、ノ、ハ、ナ」があって何度みてもこれは笑ってしまう。

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    2019年08月17日
  • 夜啼く鳥は夢を見た

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    面白かったです。
    冷たい水と沼と、水笛や水蓮に涼しくなりました。
    紅於だけに生命力を感じ、頬白鳥や草一は夢の中に生きているようなふわふわとした感じでした。頬白鳥は沼に魅せられ、沼に沈み、夢遊病の草一も沼へ。
    頬白鳥が沈んだあとに咲いた青い水蓮、見てみたいです。
    紅於はこれからも生きていくのかな。
    暑い毎日の清涼剤でした。

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    2019年08月02日
  • 三日月少年漂流記

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    面白かったです。
    自動人形である三日月少年の跡を追う、水蓮と銅貨のふたりの少年の冒険でした。
    自動人形にも惹かれたのですが、水蓮と銅貨のご飯が美味しそう…という本編には関係ないところもとても惹かれました。
    列車や、プラネタリウムや海洋展覧館も懐古的で好きな世界です。
    逃亡した三日月少年たちは飛行船で三日月へ帰るのだろうか…メルヘン。

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    2019年07月14日
  • 少年アリス

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    夏が近付くと長野まゆみ作品を読みたくなります。
    再読でも、冷たく澄んでいる不思議で綺麗な世界でした。
    アリスと蜜蜂が迷い込む夜の学校、夏から秋へ変わる瞬間。星を夜空の天幕に縫い付ける。
    お話は優しいのですが、言葉の音の雰囲気とか、硬質な独特の世界です。
    初期の長野作品は恋愛色がなくて、こちらも良いです。

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    2019年06月14日
  • カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

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    カムパネルラの視点から、「銀河鉄道の夜」を語り直す…だけでは終わらなかった。

    もっとファンタジーで、きらきらしたかんじかと思っていたのですが、中原中也(宙也?)さんの電波妨害による宮沢賢治という人の解釈とか、なんかもう小説というよりは論文みたいでした。

    読後感としては、カムパネルラよりも中也さんの印象が強かった…
    これはこれですごく面白かったですが。

    ジョバンニが幼い頃の宮沢賢治の姿であり、カムパネルラは青年時代(恋をしていた頃)の自己投影、という説は、なんというか、そんな見方があるのかと、もう一度、「銀河鉄道の夜」を読み直したくなりました。

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    2019年06月02日
  • カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

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    表紙と装丁がとっても素敵。
    宝箱みたい。

    そして、帯に書かれた煽り文が、
    なんだかどきどきしました。
    ジョバンニの旅は終わっても
    カムパネルラの旅は続く…

    内容は、そうだな、と思うところもあれば。
    どうかな?、と思うところもありました。
    まぁ、そういうところも含めて私は面白かったですけど。

    自分の中だけにある銀河鉄道の夜の世界が誰にでもあるでしょうから、それがちょっとでもこわれてしまうのが嫌な人はあんまり読まないほうがいいのかも。
    と思いました。

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    2019年05月27日
  • 夏帽子

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    ほのぼの。
    白い夏帽子が特徴の紺野先生は臨時の理科教師。
    夏帽子ってどんなのかな?

    子狐の生徒が好き。海の少年と山の少年(子狐)の交流とか。

    あとがきに小学校の出入り口を昇降口としてたことに校正者から?マークが付いたってあって、
    下駄は一足も入ってないのに下駄箱だし、昇降口って言う。
    世代?地域性?

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    2019年05月11日
  • 夏至祭

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    ずっと積読になっていた一冊。
    たぶん10年ぐらい前に購入してる一冊。

    不思議な世界と
    綺麗な言葉と
    夏の夜にぴったりの本。

    本の醍醐味の、紙質と文字の印刷がすごく良い味を出していました。

    腕時計が落ちていたら
    それは
    不思議な世界を繋ぐ羅針盤かも。

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    2019年05月06日
  • 改造版 少年アリス

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    ネタバレ

    初めて改造版を読んだときは、こっちの方が好きかな~と思ったけど、再読したら、そうでもないかも?と思い、旧版が読みたくなって、そっちも電子書籍で買ってしまった…

    比較したら、アリスと蜜蜂が、お互いがどんな存在か想ったり、自分の弱いところについて考えたりする部分が全部削られててびっくり!行間を読めってこと?
あと、遠くを見ているアリスの横顔を蜜蜂が見ているところも好きなんだけど、なくなってる…

    文章は、初期の漢字が多くて硬質なものから、ひらがな多用の文章に変わっていて、全体のかんじは新しい方が好きかなあ。
要するにふたつでひとつだな、と思った。
改造版が出たときの「文藝」長野まゆみ特集を読み返

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    2019年04月12日
  • 夏至祭

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    上質な文体で幼い少年たちの幻想譚である。羅針盤が象徴的である。宮沢賢治の童話の影響も感じられた。夏至祭のようにはかなく、終わりがとても良かった。著者の別の作品を読みたい。

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    2019年03月21日
  • テレヴィジョン・シティ

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    ネタバレ

    ジロがとても好き。

    意地悪で高慢だけど、アナナスに対する分かりにくい優しさが見え隠れしていた。

    だからこそ、二人が歩み寄れていたら……と思ってしまう。

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    2019年01月19日
  • メルカトル

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    「映画三昧で本を読む時間がつくれないから、とにかく本屋で目についたいちばん薄い本を買う」の第2弾。のはずだったのに、思いのほか読むのに時間がかかってしまい、何やっているんだか(笑)。時間がかかったのはつまらなかったからではなく、その逆。丁寧に読みたくなるし、丁寧に読まないとついていけなくなる。まるで翻訳ものを読んでいるかのようで、乙一の『銃とチョコレート』なんかを思い出しました。異国の港町、地図収集館に勤める17歳の静かな日常がミステリーに引き込まれてワクワク。この表紙、素敵です。絵本でも読みたいぐらい。

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    2018年12月28日
  • 夏帽子

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    小・中学生の時の理科の授業って、実験したり観察したり、普段身近にあるけれど知らなかったこととかを教えてもらえて、他の教科とは違った特別感みたいなのがあったなぁ、特に顕微鏡を覗いて植物の葉脈を観たり、天体の授業を聞いているときはわくわくしたなぁ…というのを思い出して懐かしい気持ちになりました。

    本作に登場する紺野先生は、各地を転々とする臨時の理科教師で、身近な植物や自然の光を利用した遊び、豆知識を教えてくれる物知り博士のような人。

    各地を移動するわけだから、環境が変わればそこで暮らす少年たちの性格や遊びも変わる。そんな変化を楽しみながら巡る季節と、不思議な出会いの連続。年中を通して、紺野先生

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    2018年12月18日
  • 野川

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    長編。

    中2の音和おとわは両親の離婚、父の事業の頓挫で転校することに。
    転校先には、変わった国語教師の河井。3年で新聞部の吉岡。新聞部では伝書鳩を育て訓練していて、その中に飛べるのに飛ばないコマメが居る。

    肩に乗って、肩から肩へ移動するコマメが可愛い。
    音和の父親にも同情してしまう。
    お父さんはもっと仕事が出来るのにって思う子供の気持ちとか。
    伝書鳩が野生化したのがドバトって知らなかった。

    主人公に限らず、その親も詳しく描いてあるって前はなかった。気がする。

    意識を変えろ。ルールが変わったんだ。
    河井が転入してきた音和にかけた言葉。

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    2018年11月04日
  • ぼくはこうして大人になる

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    淡々とした語り口で、子どもと大人の狭間の少年の姿を描く。爽やか、という感じではないが眩しい。
    長野さんは同性愛を描くことが多く、本作もその要素はそれなりにあるのだけども、それが苦手な人でも楽しめると思う。一が淡々としているからギラつかないし、身近な人には受け入れられており、とてもよいなと思う。
    長野さんの少年は、女性からみた理想の少年なのだと思う、「男子」ではなく。年をとってから読んでも、つい憧れてしまうような。

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    2018年10月19日
  • 野川

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    長野さんの作品に出てくる学生は私からみると大抵大人びていて、それが好きです。
    このお話に登場するような先生と学生時代に出会えたら素敵だなぁと思いました。

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    2018年09月04日
  • 野川

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    成長したいと思っても、望む速度と身体の成長の速度が追いつかなくて、自分はまだ子どもの区分だと諦める。でも諦め切れない領域もあって、差分と埋め合わせる成分として涙が出る。そんな話し。

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    2018年06月26日