長野まゆみのレビュー一覧

  • 天球儀文庫

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    別れても、また何度でも巡り合って、そしてその度、惹かれ合う。友情ってこういうことじゃない?という長野先生の気持ちがストレートに描かれている。この意見に対して、率直に素敵だなと思った。過ごした時間分増えていくような甘さや馴れ合いではなくて、お互い良いと思えるような点を持ち続けている友情が。
    長野先生の作品の中でもかなりわかりやすい部類のものかと思う。

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    2016年08月23日
  • 八月六日上々天氣

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    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのご。今他に読みかけが2冊ほどあるけど、これは日を選んで読んだよ。

    久々すぎてほとんど話憶えてなかったんやけど、改めて読んだらめっちゃおもしろかった。こういう時期のこんな日常がこんなに語られるのってあんまりないんじゃないのか?いや戦争モノ好きじゃないけんあんまり読まんくて知らんけど。
    一番衝撃やったのは、特攻隊員進発の記事が女性たちに嘆きや悲しみ以上の興奮を与えたっていうところ。興奮てどういう興奮なんやろか。こんなの語られることないんやろうけど、戦争ってわたしらに知らされん一面が絶対あったはずよ。

    6日の描写もあっさりしているようです

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    2016年08月11日
  • コドモノクニ

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    11歳だったマボちゃん。急速に成長する日々の
    何気ないけれど、ひどく懐かしい出来事たち。
    色んなところに昭和があふれていて、根拠のない自信を
    振りかざしていたアノ頃のお話し。
    懐かしいだけでなく、色んな人が現れ去っていき
    気持ちも色々変化していく。
    だからこそ、懐かしい感じのお話から、忘れていた
    当時の出来事を引っ張り出す作業は楽しい。
    解説にあったように、子供は急に止まれず
    大人はもう戻れない。
    たまには振り返って和むのもいいよね

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    2016年07月30日
  • 夜間飛行

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    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのよん。
    これ夏休み前か思ったら夏至頃か。ちょっと今読むには時期が遅かったか。でも、涼しげなお話よ。

    何と言うか、おしゃれできれいで可愛くて、自由気ままな感じががっつりタルホロジー。タルホロジーって、かわいくてときめくアイテムを散りばめてるだけじゃなくて、ちょっと危険な香りがするのよね。(ただ、後書きは作者も言うとおり蛇足と思う)

    あとは、幼馴染みのふたりの少年がこれまで一心同体にいつも一緒だったのが、少しずつ自立し始めてるのも見所かしらん(そう言えば最終的にふたりがバイバイする話あったよねどれやっけ)

    個人的に好きなのは「琥珀玉」

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    2016年07月22日
  • カンパネルラ

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    ネタバレ

    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのさん。これも10年ぶり。
    これの後に『銀木犀』なんかを読むとごっちゃになる。

    緑と透き通った水と、そこに溶けてしまいそうな兄と、(もうすでに溶けてるかもしれない祖父と)謎の少年がいる話。色合いが澄んでてきれいで涼しくなるよ。
    柊一が誰かとコミュニケーション取ってる感じがしないのよねこの話。『銀木犀』もそんな印象があったけど(読んだのは10年くらい前やけど)たったひとりで動いてる感じがする。もちろん兄とやりとりしてる描写あるんやけど、顔も見てない憶えてられないていうのはものすごい夢の中感。

    カンパネルラは、後書きによると「誰にとっても

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    2016年07月21日
  • 夏帽子

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    ネタバレ

    夏なので、夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのに。

    多分タイトルの印象もあって、夏やったなあ?と思って選んだけども、読んでみたら違った。臨時理科教師が季節が巡るごとに学校を転々としてて、最初と終わりが夏やった。
    紺野先生は、最初は少年たちに日常や自然のふしぎを提供する立場なんやけど、途中から土地に足を踏み入れるごとにふしぎに出くわしている。でも理科教師だから(?)順応性たっかいの。獣に化かされてもへんなもの売りつけられても全部受け入れて嬉しそうにしとるのん。いい先生やわーと思うよ。ちゃんと授業しよるんやろうか。ポケットから素敵なものが何でも出てくる。

    ところで、これに出てくる

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    2016年07月22日
  • 箪笥のなか

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    梨木さんの「家守綺譚」を思い出した。うつつと夢とを行き来しながらもそれを当たり前のように受け容れていく様がとても好き。

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    2016年06月26日
  • 箪笥のなか

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    少年が主人公の甘くてステキな言葉が詰まった作品と違い
    不思議で懐かしくて優しい物語。しかも語り手は女。
    不思議なものを見たり聞いたりするのは弟である。
    そんな弟を、すんなり受け入れる家族がステキだ。
    梨木さんの家守奇譚を連想しました。
    人から人へ渡り歩いてきた箪笥。
    箪笥に選ばれた者が体験する不思議。
    久しぶりにホッコリしましたぁ

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    2016年05月19日
  • 天然理科少年

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    久々の長野さんはやっぱり好みだった。
    霧に紛れて場所が錯綜し、少年時代のお父さんとその友達に出会う話。
    そして、お父さんに代わってその想いを消化させてゆく。
    時に長野さんは凝りすぎてしまうときがあるけれど、この作品はお見事。

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    2016年05月11日
  • 夏至南風

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    エッ、終わりなの?!と思った。笑
    個人個人が好き勝手に行動して秩序のない世界に夏至南風が吹く。
    自己というものを模索する少年期には、伯母なのどの大人はたるんでみえる。果実は腐っている。

    そして帰ってきた時にその果実のように腐った碧夏の意味は、、長野先生なりの社会への反抗を表した物語なのかもしれない。
    腐っている世界。 死体が転がる世界。

    腐っている=死体に対して、最後の碧夏は腐っているのに生きているから鈷藍は嬉しいのかなあ、と。

    どうやっても綺麗な話にはならないことは確かですね。

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    2016年02月25日
  • お菓子手帖

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    可愛らしい表紙絵(著者の手による)を見て、「どんな内容なのかな?」と。

    自伝…というのが近いでしょうか。
    『長野まゆみ自伝 お菓子の思い出とともに』
    というのがわかりやすいタイトルだと思う。
    同年代としては、非常に懐かしいものがありますが、お菓子について深く語られることを期待して読めば、がっかりするでしょう。
    最後に宮澤賢治、というのも、お菓子を語る上でぜひ必要な人物ではなく、この本の主人公は、お菓子ではなく長野まゆみなのだと確信しました。
    時々はさまれる皮肉にちょっと閉口しながらも、一気に読みました。
    ああ、そういう時代だったわねぇ~と。

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    2016年02月19日
  • 兄と弟、あるいは書物と燃える石

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    タイトルが素敵だったので。長野まゆみの小説をきちんと読むのは初めて。昔エッセイを1冊読んだくらい。物語の構造が幾重にもなっており集中して読まないと話の全貌がつかみきれない。久しぶりに頭をつかって本を読んだ。薄い本なのにとても密度が濃い。迷宮に迷い込んでしまったかのよう。私は嫌いじゃないな、こういうの。

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    2016年02月03日
  • 兄と弟、あるいは書物と燃える石

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    以前(7年前!)読んで意味不明だった記憶があったので、もう一度再読。前回は裏切られの連続でじれったかったけれど、今回はそういうものだと承知して読んでいたので翻弄されること自体を楽しんだ。
    読み進めながら、物語のモチーフになっている実在の人物たちは?この家は何?この宇宙、語り手は誰なのか?ということに思いめぐらせながら整理していくのが楽しい。
    結局うまく繋がらないのだけど、じゃあそもそも繋がるように書かれているのか、と謎は巡り巡っていく…。語られていないことも多いので、考えれば考えるほど謎が深まっていって面白い。


    ↓2016年の感想
    現実と虚構が混ざり合っている中で、現実と虚構どちらにも記憶

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    2016年02月01日
  • 雨更紗

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    物語としては終わっているけども、いろいろなことは何も解決(?)されていない。雨の不思議な魅力が感じられる。青い貝が印象的で心に残っている。
    でも、結局のところよくわかっていないので、また再読読み直したいと思います!笑

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    2016年01月29日
  • あめふらし

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    最初から最後までもろBLだった。知らずに読んだので驚いた。BLはあまり得意ではないけど、面白かった。
    わかったようなわからないような、文体も含め、夢うつつのまま流れるような。もっと知りたいなぁ、この世界観、と思っているうちに終わってしまったが、消化不良ではなく、勿体ないから、わからないまま取っておこうと思えた。

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    2016年01月20日
  • 夏至祭

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    すごく好き!
    時間が交錯しながら、夏に起こる奇跡のような体験。
    また会えるといいね。銀色と黒蜜糖に

    相変わらず猫関連の話が多い。

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    2015年12月21日
  • レモンタルト

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    面白い!
    決して交わらない2人ということだけれど…どうだろう。
    主人公がいい。あのもやもやしてるところとか若干諦観しているところが。

    長野作品に出てくる、飄々としていて底知れず、それでいて溢れ出る品と人情、面倒見の良さを兼ね備えた男性がたまらん。そんな男性は実在しません。

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    2015年12月01日
  • 千年王子

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    転生というか、何度も繰り返す生命の話なのでしょうか。
    シンヤとリヨン、ルカの。ルカ目線で語られていくから混乱させられるところがあったけれど、後半どんどん色々な謎が解かれていくのはさすが。
    でも新世界とかよりはわかりやすいかな。笑

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    2015年11月29日
  • 超少年

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    男女という性の境を感じさせない長野先生ワールド全開の植物を擬人化させたような物語。
    王子とピエロの関係、良いね。

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    2015年11月27日
  • 若葉のころ(凜一シリーズ)

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    希望が見えて終わってよかった…!
    2人はこれからどうなっていくかわからないけれど、とりあえず”今”を選んだんですね。
    それにしても有沢くん好きだわ…。
    凛一くんはもっと甘えたっていいと思うよ。自分をもっと大切にしていいよ。

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    2015年11月21日