長野まゆみのレビュー一覧

  • 兄と弟、あるいは書物と燃える石

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    最後の最後まで読み手を混乱させる作品でした。理解しかけていた物語が、ある一文でひっくり返されるの繰り返し。作品中に出てくる「目に見えるものはいつもほかのなにかを隠している」「書かれたことはいつもほかの謎を隠す」といった言葉は、まさにこの作品を表しているように感じました。結局、誰が本当に実在して、それぞれがどのような関係にあるのか理解できずに読み終えてしまいましたが、だからこそ物語に引き込まれました。混乱してばかりだったけれど、読みやすくて雰囲気も好きでした。

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    2017年02月04日
  • 左近の桜

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    ネタバレ

    友人から勧められて読んだものです。

    いわくありげな連れ込み宿の子である桜蔵(さくら)が、人ならざるものとの縁を結んでしまう(いろんな意味で)という短編集です。
    ほんのりとすべての物語がつながっていて、さくさく読めました。個人的には「骨箱」が好きです。オカルト系は苦手と思っていたのですが、これはそのいわゆる悠連さんたちがとても生身の人間のように書かれていたので、自然に読めました。

    全体的な描写がとってもしっとりとした雰囲気を感じさせていて、最初時代小説か?と思ってしまうほどでした。
    父親である(血のつながりはない)柾や、店の常連の浜尾などのおっちゃん(?)がいい味出しております。

    直接的な

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    2017年01月26日
  • お菓子手帖

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    帯によると、自伝風極上スイーツ小説らしいです。とても美味しそうなお菓子の数々にお腹が空きました。長野まゆみさんとは世代が違うのですが、お菓子や生活がノスタルジックで素敵です。今でもあるお店やお菓子なのかな…探したくなります。本編とは離れたところでは、「どんな場合でも、モノづくりをする」という言葉が心に残りました。わたしもそうありたいです。

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    2016年12月25日
  • 鳩の栖

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    儚き少年期の幻のように過ぎ去っていく淡い恋情。透明な色をした少年たちの未成熟な想いが未成のまま過ぎ去っていくところがなんとも静かでたおやかでした。

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    2016年12月25日
  • 時の旅人

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    面白かったです。時代を移動していくときにちょっと混乱しましたが、好きな空気でした。シロウヅやハク、不思議な人というか、人でないものかもしれませんが魅力的でした。長野さんの描かれる過去の世界が好きですが、未来も良いです。なんだかレトロで。引きこまれました。

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    2016年12月10日
  • 夜間飛行

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    2人の少年が檸檬色の潜水艇に乗り喋る鸚鵡、老紳士、セールスマンらと出会い様々な不思議体験をしていく。
    初期の長野まゆみ作品らしく幻想的な童話風な描写が読んでいて楽しい。また、その虚構の中で語られる友達についての意見なども読み取れるので良い。
    大切なものは目に見えない。

    あとがきを読んで、もう一度読んだらまた違う印象を受けること間違いなしだなと思った。再読しよ!

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    2016年12月04日
  • 螺子式少年

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    長野作品の中では比較的わかりやすいテーマだった。物語もわかりやすい。後半になるにつれこの主人公達はレプリカなのか、本物なのか、いよいよわからなくなっていくのだが、そんなこと関係ないんじゃないか。という気さえしてくる。大切なのは本物なのか偽物なのかどうかではなくて、自分がどう向き合うかという、信頼の問題なのだという。

    代わりに葡萄丸のレプリカが送られてきて、彼との生活が始まる、となった時、このようにどんどんレプリカは増えていくのだと思うと、少し怖くなった。ある意味ホラー?

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    2016年11月27日
  • 左近の桜

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    美しい日本語が並んでいて、死と生が交わるこの不思議な世界観に引き込まれてしまった。
    柾さん、すき…。

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    2016年10月25日
  • 少年アリス

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    ずーっと昔から名前だけは知ってた本。
    長野まゆみさんの作品は何作か読んでるけど、このデビュー作はなんとなく手を出さずにいた。
    読んで驚いたのは、このデビュー作から何作も書いてあるだろうに、私が読んだ少年アリス以降の作品に感じるものがここで既に完成されていたことだ。
    ほとんどの作家は書いていくうちに作家として成長(変化)していくにも関わらず、長野まゆみさんの作品からは作者自身の中に芯が太く変化しないものを感じる。非常に稀有な作家ではないだろうか。
    内容に関しては、このほかに改造版なるものがあるそうなのでそちらを読んでからにしたいと思う。

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    2016年10月02日
  • レモンタルト

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    ネタバレ

    読み返した。
    士の恋が報われてほしいという思いしかない。初めて読んだときもそう思った。でも士は一哉(義兄)のことを決して手に入らないものだと思ってるから。なんてったって“海”だもの。
    一哉の中ではなな子(士の亡姉)だけが妻で、彼にとって士は永遠に義弟のままだろうな。亡くなった人間に生きてる人間が勝つのは難しい。

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    2016年10月02日
  • よろづ春夏冬中

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    表題作があるのかと思ったのですが、そうではなくて全体の雰囲気からの総題名って感じでしょうか。この作者にしては珍しく、関連があるのか無いのかというか。
    生物研究部の教師とその唯一の部員である男子生徒の話が好きです。豪胆な美人が最高でした。

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    2016年09月23日
  • 魚たちの離宮

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    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品再読しようキャンペーンそのろく。8月が終わるので今年はこれでおしまい。でもお盆の時期に合わせて読めばよかったなあ。
    以前読んだのは10年くらい前なんやけどこれは結構覚えとった。(その代わり、夜啼く鳥は~の話が全然思い出せん。)
    懐かしい雰囲気のファンタジーで、ほんのりホラーテイストで涼しい感じ。
    生死の境界も夢現の境界もあやふやよ。
    ピアノ教師がぜんぜん意味分からんけども。

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    2017年03月29日
  • となりの姉妹

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    この空気感は好きです。兄弟がいる女としてもこの母親の兄に対する考え方も覚えがある。不思議な謎解きも、いつの時代かわからないけどちょっと前の東京なんだろうなと思わせるノスタルジーさも読んでて不思議と落ち着く。

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    2016年09月13日
  • 天球儀文庫

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    別れても、また何度でも巡り合って、そしてその度、惹かれ合う。友情ってこういうことじゃない?という長野先生の気持ちがストレートに描かれている。この意見に対して、率直に素敵だなと思った。過ごした時間分増えていくような甘さや馴れ合いではなくて、お互い良いと思えるような点を持ち続けている友情が。
    長野先生の作品の中でもかなりわかりやすい部類のものかと思う。

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    2016年08月23日
  • 八月六日上々天氣

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    ネタバレ

    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのご。今他に読みかけが2冊ほどあるけど、これは日を選んで読んだよ。

    久々すぎてほとんど話憶えてなかったんやけど、改めて読んだらめっちゃおもしろかった。こういう時期のこんな日常がこんなに語られるのってあんまりないんじゃないのか?いや戦争モノ好きじゃないけんあんまり読まんくて知らんけど。
    一番衝撃やったのは、特攻隊員進発の記事が女性たちに嘆きや悲しみ以上の興奮を与えたっていうところ。興奮てどういう興奮なんやろか。こんなの語られることないんやろうけど、戦争ってわたしらに知らされん一面が絶対あったはずよ。

    6日の描写もあっさりしているようです

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    2016年08月11日
  • コドモノクニ

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    11歳だったマボちゃん。急速に成長する日々の
    何気ないけれど、ひどく懐かしい出来事たち。
    色んなところに昭和があふれていて、根拠のない自信を
    振りかざしていたアノ頃のお話し。
    懐かしいだけでなく、色んな人が現れ去っていき
    気持ちも色々変化していく。
    だからこそ、懐かしい感じのお話から、忘れていた
    当時の出来事を引っ張り出す作業は楽しい。
    解説にあったように、子供は急に止まれず
    大人はもう戻れない。
    たまには振り返って和むのもいいよね

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    2016年07月30日
  • 夜間飛行

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    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのよん。
    これ夏休み前か思ったら夏至頃か。ちょっと今読むには時期が遅かったか。でも、涼しげなお話よ。

    何と言うか、おしゃれできれいで可愛くて、自由気ままな感じががっつりタルホロジー。タルホロジーって、かわいくてときめくアイテムを散りばめてるだけじゃなくて、ちょっと危険な香りがするのよね。(ただ、後書きは作者も言うとおり蛇足と思う)

    あとは、幼馴染みのふたりの少年がこれまで一心同体にいつも一緒だったのが、少しずつ自立し始めてるのも見所かしらん(そう言えば最終的にふたりがバイバイする話あったよねどれやっけ)

    個人的に好きなのは「琥珀玉」

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    2016年07月22日
  • カンパネルラ

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    ネタバレ

    夏なので夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのさん。これも10年ぶり。
    これの後に『銀木犀』なんかを読むとごっちゃになる。

    緑と透き通った水と、そこに溶けてしまいそうな兄と、(もうすでに溶けてるかもしれない祖父と)謎の少年がいる話。色合いが澄んでてきれいで涼しくなるよ。
    柊一が誰かとコミュニケーション取ってる感じがしないのよねこの話。『銀木犀』もそんな印象があったけど(読んだのは10年くらい前やけど)たったひとりで動いてる感じがする。もちろん兄とやりとりしてる描写あるんやけど、顔も見てない憶えてられないていうのはものすごい夢の中感。

    カンパネルラは、後書きによると「誰にとっても

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    2016年07月21日
  • 夏帽子

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    ネタバレ

    夏なので、夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのに。

    多分タイトルの印象もあって、夏やったなあ?と思って選んだけども、読んでみたら違った。臨時理科教師が季節が巡るごとに学校を転々としてて、最初と終わりが夏やった。
    紺野先生は、最初は少年たちに日常や自然のふしぎを提供する立場なんやけど、途中から土地に足を踏み入れるごとにふしぎに出くわしている。でも理科教師だから(?)順応性たっかいの。獣に化かされてもへんなもの売りつけられても全部受け入れて嬉しそうにしとるのん。いい先生やわーと思うよ。ちゃんと授業しよるんやろうか。ポケットから素敵なものが何でも出てくる。

    ところで、これに出てくる

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    2016年07月22日
  • 箪笥のなか

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    梨木さんの「家守綺譚」を思い出した。うつつと夢とを行き来しながらもそれを当たり前のように受け容れていく様がとても好き。

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    2016年06月26日