長野まゆみのレビュー一覧
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匂わせのおすすめとして名前が上がっていたから読んでみた。これは匂わせというよりもダイレクトにそれだった。最近のBLと呼ばれるものはよく読む方ではあるけど、これが耽美の世界感か〜。BLとは似て非なるもののような気がする。その家を訪れた瞬間から、非現実の空間に迷い込んでしまったような感覚で、話に出てきた4人の男性たちもそんな感じだったんだろうな。猫にされるって言うんだから、つまりそういうことなんだろうけども、どっちがどっちかすらも、華美で妖艶な雰囲気の文章で見事にぼやかされていた。隠喩が直接的な表現もあったけれど、その手のシーンはそんなになかったから特に違和感もなく読めたなあ。最後の2人の話、空気
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最初、これはBLですか?と思いましたが、多分、違います。なかなかの謎掛け?謎解き?小説です。最後に、全ての謎が明かされていきます。
大学進学のために、上京し部屋探しをする鳥貝一弥。都内の賃貸は高く、予算に合う部屋はかなりの難あり物件。そんな時、学食で男子寮の斡旋をしてくれると…あれよあれよという間に、その寮で食事を作って泊まることに。夜中にも不思議な事があったが、翌日には、ここに棲むことに決めた。
そして、荷物を送る手配をしに一度実家に帰って。そこにも、男子寮のメンバー1人がいて…。
一弥は、高校入試の時に、自分が養子だと知ったが、特に気にも留めていなかった。
それが、この男子寮との出会い -
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ネタバレ・2月19日に読み始め、22日に読み終えました。
・たぶん10年?とかぶりの……再読でした! 長野まゆみで初めて読んだのがこれだったと思う。いや~~なんか、思ってたよりかなりド直球だったね……??
・以前三浦しをんの書く色っぽめシーンを読んだとき、長野まゆみの匂わせる感じに慣れてたから三浦しをんは直接的でビックリだ~みたいなこと書いた気がするんですけど、長野まゆみもこれ……作品によっちゃしっかりだわ。耽美な雰囲気に惑わされてたけどしっかりだわ。
・話の大枠だけ覚えてて内容はほとんど覚えてなかったんだけど、唯一3章だけ、当時読みながら想像してたデパートの提灯売り場ははっきり覚えてた。想像の -
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久しぶりの読書、そして長野ワールド(勝手に命名)に酔いしれているうちに、あっという間に読み終えてしまった一冊。『左近の桜』シリーズは長野さんの本を読み始めたころから知っていたが、あえて手を出していなかった。なぜなら絶対ハマると分かっていたからだ。結果としてどハマってしまったわけだけど後悔はない。今後はゆっくりと集めていこうと思う。
長野ワールドでは必ずと言っていいほど青年が主人公にあてがわれるが、本作も桜蔵という青年がその位置にいる。男同士が逢瀬を重ねるための一軒宿である「左近」の長男である桜蔵はこの世のものではないあやかしに吸い寄せられてしまう体質を持っていて、この短編集では彼が巻き込まれ -
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主人公は中3の少年。
家でも学校でもよい子を演じているが、実は女子に興味がなく、男子に恋愛感情を抱く性癖があることを必死に周囲に隠している。
10歳離れた双子の姉兄にいたぶるようにかわいがられて育った彼は、幼い頃自分を女だと思っていた。
そう洗脳されたと思っている。
だから、女の子として育ってしまったから男の子のことを好きになってしまうのだと思っている。
20年以上前の作品だから、そういうことになっているのかな。
性癖は育てられ方のせいではなく、持って生まれたものだと思うんだけど。
と思っていたら、最後に衝撃の事実が明らかになる。
本人にもわかってはいたのだ、姉兄のせいではないことを。
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この本を手に取ったのは時代の流れもさることながら、自分の大好きな作品に志村貴子先生の「放浪息子」があることがきっかけになったんだと思う。凛一の声がちょいちょい似鳥くんで再生されてしまった。
作中でひとつ違いの従姉と見分けがつかないくらいに似ている、と描写されている美少年、凛一の思考が可愛らしくて仕方がないと思いつつ、見る人が見れば気持ちが悪いという感想にも繋がるのかな。BLという一言で片付けるにはあまりにももったいない、性別というものに対する思春期の揺らめきが詰まった一冊でした。
読み終えてからシリーズものと知ったので、残りの3冊も読んでみようかな。 -
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ネタバレ約20年ぶりに再読。
長野まゆみ作品を読むこと自体が約15年ぶりくらい。昔ファンでした。
いやぁ耽美ですね!
懐かしいというか、当時は登場人物達に萌えながら読んでいたのだけど、やっぱり久しぶりに読んでも、きょうだいのつれない感じに萌えますね(笑)。
あと自然風景の描写がさすが緻密で美しいのだが、しばらくこの世界から離れていた私には情景を想像するのが難しかったです。当時の私は理解できていたのだろうか。
簡単なあらすじ。
夏、祖父の家で療養している兄・夏織を訪れた弟・柊一。冷たい態度の兄に焦がれる柊一は、お土産の硝子の小魚を渡そうにも渡せない。
常に眠っているイメージの祖父に読み聞かせを兄と交替 -
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む、むずかしかった〜。小気味がよくてすごく面白いんだけど、なかなかサクサクとは読め進められず。結局ゆっくり1ヶ月かけて読み終えた。
てくてくと河岸を歩いて、あっちの時代、こっちの時代、汽車や車や船に乗り換えて、いろんな場所に連れて行ってくれる小説だった。
終わり方はあっけなく面食らってしまったけど、あの双子のことだからこんな終わり方も悪くないかなと思った。
ふと何年か後に思い出すようなエピソードや表現がたくさんあって、またすこし人生が豊かになった気分。
祖母の指にはめられた紫水晶。
菓子袋の音に騒ぐ母の小鳥。
砂浜にきらきらと光の反射を落とす父の背中のガラス。 -
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ネタバレ再読。投下の瞬間を詳しく描かないことで、かえって大きな喪失が迫ってきます。
史郎が原爆投下で喪われ、市岡先生も実は鹿屋「に」ではなく鹿屋「を」立つだったんじゃないかと思ったりします。どちらも、最期に珠紀に会いにきたのだと。
出来るだけキラキラとした日常を送っていても、戦争の影はひたひたと迫ってきて、終戦近くにもなると空襲という牙を剥いてくる。
どちらが先とかではなく、こうの史代さんの「この世界の片隅に」とも似ている物語世界だと思いました。空襲の描写、長野さんも色遣いが特徴的でしたし。
珠紀はきっと広島市といっても海側の中心部からは離れた内陸部にいて、すずがいるのは呉。原爆投下は光と振動だけで、