あらすじ
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学生課で紹介された猫シッターのアルバイトで、一郎は"猫飼亭"なる屋敷を訪れる。家主とその美しい兄弟の奇妙な注文に応えるうちに、彼は不思議な世界をのぞくことになり…庭の桜に誘われた"猫飼亭"を訪れる者たちが見た「極楽」を描く、4つの物語。
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Posted by ブクログ
再読。レビューが低いのは、『猫好きで手に取ってみたらとんでもなくBLだったぜ!!オーマイ!!』のパターンですかね(笑)
綺麗な文体に隠語多用の耽美系長野作品です。
少年との絡みもあるので苦手な方はそっと本棚に戻されるのがよろしいかと思います。
隠語で濁してるけど察しがいいと(あるいは界隈に足突っ込んでいれば)、だいぶがっつりやっちゃってます。
私は高校時代に出会ってどっぷり自分のBLの基盤にしちゃったので、綺麗な文章で紡がれるこのお耽美な世界がたまらなく好きです。長野作品にお決まりのお兄さんや少年も好き。ヘテロだったのに絡まれちゃう主人公って展開も好き。
そんな方はぜひ。
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「猫」道楽、ね。
好きな人は好きな雰囲気の物語。
〈猫飼亭〉の屋敷の中のクラシカルな、薄暗い屋敷の中でキラキラしたものに囲まれているような感覚。
文庫自体も余白が多く古臭さが漂う感じも良い。
(一行35文字・一ページ14行、他の出版社の文字数・行数まで調べてしまい、河出文庫はダントツに余白が多いことを知った、、、。)
3、の話では淳也のもどかしさが伝わり涙を誘われた。
どの話でも男たちが満たされていくのが艶めかしい。
素晴らしい
ブロマンスが好きで、純文学なのにブロマンス要素のある作品を探していたのですが、こちらは想像していたよりもガッツリそういう描写がありました。でも決して下品ではなく、直接的ではない表現でとても上品でした。
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猫ってそっちの猫かーい!というツッコミは他の方のレビューを事前に読んでいたので出なかった。しかしこれまで読んできた長野さんの小説の中ではとりわけ耽美でしっとりしていた気がする。大変好きです。はい。
〈猫飼亭〉という立派な屋敷に住まう美しい兄弟たち。そしてその屋敷に誘われた青年たちに起こる不可思議な出来事を蠱惑的に描いた作品集。それぞれの話は独立しているが、共通して猫飼亭の兄弟たちとの関わりを持っている。長野さんの小説にありがちな、透明な細い糸で登場人物たちが実は繋がりを持っているという構造になっている。
最初と最後のお話では大学生の梓一朗が主人公となっている。一朗は女友達との旅行費を稼ぐために学生課で紹介された猫シッターのアルバイトを引き受ける。同じく雇われた日暮星とともに猫飼亭に訪れると、屋敷の住人である駒形芳白に出会い、「猫になる」という契約を結ぶ。もうこの時点で勘のいい読者は「一朗逃げろ!」と思うが、芳白の使う隠語を理解できていない一朗はすんなりと契約を結んでしまう。しかし「逃げろ!」と思っていても本心ではこのまま溺れてくれ、とさえ願っている自分がいる。悔しいがまんまと長野さんの術中にはまっている。
またこの本のよいところは、長野さんの用いる美しい言葉遣いだ。猫飼亭を装飾する骨董品や芸術作品の数々が丁寧に紹介されていて、想像が膨らむ。また、『鳩の栖』と同じように、今回も桜の季節から始まり、四季折々の物語が展開している。
「桜の季節には、日ごろの無粋者もすこしは景色に心をうばわれ、春らんまんの花吹雪に酔いもする。」
この一文から物語は幕を開け、美酒に酔いしれるかのような心地よさに揺られる。これから一朗が体験する不思議な出来事を予兆するかのような妖しさを含んでいてどきどきしてしまう。
Posted by ブクログ
予想通り軽く読めて、深読みする必要もなくそれでいてしっかり耽美のツボだけは押さえていてくれて
3ページ目の桜の花びらを取るところからすでにノックアウトされた
絡み合いもさっぱりとねちねちしていて、全体的に欲情せざるを得ない雰囲気
Posted by ブクログ
学生課で紹介された猫シッターのアルバイトで、一郎は“猫飼亭”なる屋敷を訪れる。家主とその美しい兄弟の奇妙な注文に応えるうちに、彼は不思議な世界をのぞくことになり……庭の桜に誘われた“猫飼亭”を訪れる者たちが見た「極楽」を描く、4つの物語。
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五つの短編集。少しずつお話が繋がってる
登場人物が全員フワフワと半透明で、幻の様なイメージ。綺麗。
ふたつめの傘のおはなしと、みっつめの提灯のおはなしが好き。、
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古本屋で題名に惹かれて読み始めました。
元々猫に関係する話なのだろうな、と思って読んでいましたが、読み進めるうちに雰囲気が変わっていき「これが、、あれなのか?」と訝しみ始めました。
別に僕はこの手の本が嫌いなわけではなく、全く触れてこなかった分野なものだけに少し警戒していたのです。何に警戒したのかはわかりませんが。
ただ物語に用いられる言葉や雰囲気がとても官能的なのはずっと感じており、それらにとても魅力を感じました。登場する家屋の描写もとても好みでした。
また、言葉の意味合いを含めて色々勉強になったのも確かです...。
改めて一通り読んだ自分を文字で表してみると、一郎とほとんど同じ道を辿っているのではないか?と少し不安になりました。
しかし、それも含めて心地よい読書体験でした。
Posted by ブクログ
男性同士の恋愛要素があると小耳に挟んで読書したのだが、思っていた数倍官能的だった。
猫ってそっちの猫ね〜!やられた〜!
物語に登場する4兄弟の妖艶な魅力に虜にされると同時に、1度踏み入れたら抜け出せないドラッグのような危うさも感じた。
世界観にこだわっているのか建物の内装描写がとても丁寧。
特に4兄弟が暮らす《猫飼亭》は浮世離れしていて、その馴染みのなさが魅力的だと思った。
物語がオムニバスなだけあって、猫飼亭に訪れる猫は多い。自由気ままに生きるその様はまるで生き物の猫のようで純愛が好きな私は少々物足りなさを感じたが、最後に物語序盤で登場した2人の恋路が読めて満足した。
新品の傘を渡すことの隠語を初めて知った。言葉以上の思いを読者に想像させる余地を設けていて妄想が捗る捗る。
他にも散りばめられているであろう隠語を理解することで物語をより深掘りしていきたい。
Posted by ブクログ
匂わせのおすすめとして名前が上がっていたから読んでみた。これは匂わせというよりもダイレクトにそれだった。最近のBLと呼ばれるものはよく読む方ではあるけど、これが耽美の世界感か〜。BLとは似て非なるもののような気がする。その家を訪れた瞬間から、非現実の空間に迷い込んでしまったような感覚で、話に出てきた4人の男性たちもそんな感じだったんだろうな。猫にされるって言うんだから、つまりそういうことなんだろうけども、どっちがどっちかすらも、華美で妖艶な雰囲気の文章で見事にぼやかされていた。隠喩が直接的な表現もあったけれど、その手のシーンはそんなになかったから特に違和感もなく読めたなあ。最後の2人の話、空気感めっちゃよかった。
Posted by ブクログ
・2月19日に読み始め、22日に読み終えました。
・たぶん10年?とかぶりの……再読でした! 長野まゆみで初めて読んだのがこれだったと思う。いや~~なんか、思ってたよりかなりド直球だったね……??
・以前三浦しをんの書く色っぽめシーンを読んだとき、長野まゆみの匂わせる感じに慣れてたから三浦しをんは直接的でビックリだ~みたいなこと書いた気がするんですけど、長野まゆみもこれ……作品によっちゃしっかりだわ。耽美な雰囲気に惑わされてたけどしっかりだわ。
・話の大枠だけ覚えてて内容はほとんど覚えてなかったんだけど、唯一3章だけ、当時読みながら想像してたデパートの提灯売り場ははっきり覚えてた。想像の景色が強く残ってるのは不思議だね。覚えてたからかわからないけど、3章が一番好みかも。長野まゆみの十八番というか、兄弟間の切なさ……
・兄弟といえば、猫飼亭の四兄弟が全員異母兄弟なのもすごい、フェチを感じます。
・これはフォロイーとお話してて出た話題なんだけど、やっぱ長野まゆみ作品固有の倫理観というか、(これは慣れてるからかもだけど)現実世界に照らしたらおかしいんだけど長野まゆみの文章だからこそスルッと受け入れられる設定とかが気持ちいいね。長野まゆみッ……読んでるッ……!!って気持ちになる。
・全編通してお風呂のシーンがだいぶ多いの、やっぱり注文の多い料理店のオマージュだったりするのかな。
・あと傘が結構出てくるのも。傘っていうモチーフはもちろん、それが男物か女物かでもかなり区別してるね。それ思うと、彫刻を施した持ち手で銀の房飾りがついてる立派な傘を見て猫飼亭までつけていったのってかなり…かなりだな。レモンタルトでも傘の話、あったな。
・最初と最後でお話が繋がってるのよかったね。長野まゆみの主人公攻め(に見えた)って珍しくない……?女物の傘を渡すのとかさ…… 良かったね。
・最近だいぶ再読の気持ち高まっているので、それこそレモンタルトとかもう一度読みたいなと思います!
Posted by ブクログ
とてもエロテックだけど隠語と和モダンな雰囲気でお上品な作品。
4つの短編集だけど一つ一つのお話をもっと見ていたかった。
ストーリーは猫飼亭に縁がある青年が訪れて
あれよあれよと青年に抱かれるお話。
ネコだから、、、ね、、。
甘美なストーリーでドキドキしました。
Posted by ブクログ
艶かしい。「桜の季節には、日頃の無粋ものもすこしは心を奪われ、春爛漫の花吹雪に酔いもする」この一行で惚れました。偶然にも引き当てた作家さん。ただ、一般書籍でがっつりBLものだけに、その方面からファンができてほしくない。綺麗な文体を独占したくなるいい本です。
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住宅にまぎれ特別な場所にある<猫飼亭>でバイトを始めた梓。そのアルバイトの内容が…(笑)長野さんの作品で久々にBLものを読んだ気がします。猫飼亭の不思議な兄弟が気になってしまいます。
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あはははは
長野まゆみさん、やっぱりBLなのね
日暮星のことば
「(略)どうせ、よけようとしても、べつの災難にぶつかる。何もかもがうまく進まない宿命なんだ。」
わたしもそうだな⋯(T‐T)
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日暮と一朗の話が一番好きだった
思ってた以上にガッツリBLでびっくりしたけど文章が綺麗でスラスラ読めた。
少しずつどこかで交わりを持つ登場人物達が物語を運んでいくのがおもしろい。猫が可愛かった。
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猫シッターの話かと思って読みはじめたら、BLだった…。長野まゆみさんの作品は「ささみみささめ」から入ってしまったから、あまりのBLっぷりに少々ひいた。
BLと承知して読み始めれば良いのかも。ラストの話が1番良かった。
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艷やか。〈猫飼亭〉の佇まいが素敵です。
猫道楽…皆さんそうやすやすと〈猫〉になるのかなと思いましたが場の力かな。先日観た映画で、三毛猫の牡はどうして生まれるのかを学んだことを思い出しました。
芳緑くんはいったいどんな格好してるのかちょっと気になりました。
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ジャケ買いならぬ表紙買いした積読を崩す。ちらっと読んで「ん?」となり、中盤まで読んで「お?」となり、著者名を確かめて「あ、あぁ~(納得)」となった。
耽美で甘やかな言葉の流れ、クスリと笑える隠喩表現。グッとはこないけどふわっと暖かいようで、少し切ない物語。同性愛表現に抵抗が無いのであればお手に取ってみるのも良いかもしれません。
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あらすじも読まず、猫の話だと思って読んだら違うネコの話でびっくり(笑)
今まで読んだ長野作品はさらっとしている感じだったけれど、これは割とガッツリ書かれているので読む人を選ぶかもしれない。
提灯の話が好きです。
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耽美はよしとして、頭を空にして、謎掛けとリズムを楽しむべき。連作と言うにも繋がりの薄い短編集なので、物語性や物事の意図を考えても回答は得られない。端的に言うと中身はないがさらっと軽く読めるし文面はとにかく美しいので酒の肴として薦めたい一冊です。
Posted by ブクログ
いきなりのボーイズラブでびっくり。笑
長野まゆみさんがそういう系統のお話を書く作家さんだということは知っていたけれど、背表紙の作品説明を読んでもそんな感じはしなくて、単純に猫好きだから読んでみたのだけど、猫道楽ってそういう意味か(ダブルミーニング?)…と妙に納得。
(ちなみに長野まゆみ作品を読むのは初めて)
大学生の一朗は学生課で紹介された猫シッターのアルバイトをするため、猫飼亭という屋敷を訪れる。
しかし世話をするべき猫は見当たらず、おかしいと思い始める。
そして流されるままに家主とその美しい兄弟たちの奇妙な注文に応えるうちに、彼は不思議な世界を覗くことになる。
言葉の遣い方が美しくて、耽美な雰囲気ってこういうことを言うのかな、と。
根強いファンがいる理由は分かる気がする。“和”な感じで綺麗というか。
同性愛者であるという背徳感を背負いながらも普通の顔をして生きている青年たちが、何の因果か誘われるようにして猫飼亭を訪れ、美しき兄弟たちによってその背徳感を拭い去るきっかけを与えられる。
四つの短編の主題は恐らくそういうことなのだけど、重くはなく、さらっと読める。
知らないで読めば私のように面食らうだろうけど。笑
猫も出てくるには出てくるけど、そんなに重要な役割ではない…かな。
でも作品に色っぽさを与えるためにすごく役立ってるとは思う。これは多分、犬ではなく猫じゃなきゃ駄目だ。
綺麗な日本語がたくさん使われている小説で、そこだけ切り取ってみても楽しめるかも、と思った。
Posted by ブクログ
一言、これぞ耽美!なお話でした。私はその手のお話が好きな方から勧められて読んだので、あっちのネコかーー!!と最初から分かっていましたが表紙の綺麗さ、書名からBLとは思わずに買ってしまう(しまった)人も多数いるのではないかと。御愁傷様、だったのか気になります。
Posted by ブクログ
綺麗な表紙で手にとってみたら…
大学の学生課に入った猫シッターの高額バイトの募集。仕事先は瀟洒な調度のお屋敷で…
という出だしに惹かれたものの、途中でどうやらBLらしい展開に。
しかし思い返せば冒頭から、バスの中で桜の花びらを取ってもらうシーンからなにか怪しかった、と気づくべきだった。
Posted by ブクログ
長野まゆみ氏の文体が好き。
猫好きなのでタイトルに惹かれて読みました。
同氏の作品には男性同士の恋愛が当たり前のように描かれているものが多い
私はそういう物を好まない性質だけれど、氏が書くものはソフトで、あからさまというよりは
淡い感じだったので気にならずに読めていたが、今作はもうそれ一色!!
なんとか読めました。
Posted by ブクログ
ハードすぎてじっくりは読めませんでした。正直、BLシーンはなかなかきつかった。
普通の本屋さんにもこれくらいなら普通に置いてあるんですね・・・。びっくりされる方いらっしゃらないんでしょうか。
もっともっとソフト(匂い系程度)だったら好きだったかもしれません。でも美しい日本語というより、官能小説用語のようなものを使っているだけに感じました。あと、「ぢゃあ」っていうのがギャルみたいでやたら気になりました。