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Posted by ブクログ
主人公は中3の少年。
家でも学校でもよい子を演じているが、実は女子に興味がなく、男子に恋愛感情を抱く性癖があることを必死に周囲に隠している。
10歳離れた双子の姉兄にいたぶるようにかわいがられて育った彼は、幼い頃自分を女だと思っていた。
そう洗脳されたと思っている。
だから、女の子として育ってしまったから男の子のことを好きになってしまうのだと思っている。
20年以上前の作品だから、そういうことになっているのかな。
性癖は育てられ方のせいではなく、持って生まれたものだと思うんだけど。
と思っていたら、最後に衝撃の事実が明らかになる。
本人にもわかってはいたのだ、姉兄のせいではないことを。
だけど、認めたくなかった自分。
そして思い出したくない過去。
そういうことを認めるところから大人への一歩が始まるのだね。
学校の人間関係がリアル。
事なかれ主義のものぐさな教師、それとは対照的に必要なときに必要な支えをくれる教師。
教室内の力学に敏感で、人の痛みに鈍感なクラスメートたち。
あまりに自分勝手で、読んでいてちょっとキレそうになる。
Posted by ブクログ
冷めやらぬ長野まゆみ熱のなか、またお気に入りの一冊に出会ってしまった。長野さんの描く青年たちは、その時期(中高生)特有の生々しさを含みながらも、どこか幻想的で理想をすべてかなえてくれているような特徴をはらんでいる。解説で宮本あや子さんが書いているが、決して「共感できた!」というようなエゴイスティックな感想は生まれず、いつまでも眺めていたい、鑑賞者でいたいと思うような一歩引いた楽しさがある。
主人公の印貝一はクラスの優等生を演じながらも、他人には言えない秘密を抱えている。彼はそれをうまく隠し通せていたはずだったが、転校生の七月が現れてから彼の立場が揺らぎ始める。例にもれず、今回の登場人物たちも複雑な家庭事情を抱えており、自分の立場に葛藤しながらも居場所を探し得る。10も歳が離れた双子の姉弟である百(もも)と十(みつる)に振り回されながら、確かに愛情も受け取っている。
長野さんの作品の登場人物たちは、行動こそときにはぶっ飛んではいるが、根っこに優しさがあるという妙な安心感がある。だからこそ(宮本あや子さんが呼んでいたように)きれいなジャイアン的なポジションである健がいわゆるいじめっ子のような行動をしていても、どこか憎めないところがある。それにある時期まで一を女であると思い込ませていた勝手気ままな双子の姉弟にも、好感をおぼえてしまう。
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小説・文芸
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