長野まゆみのレビュー一覧

  • 鉱石倶楽部

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    鉱石を題材に、1つ1つ綴られたストーリー。
    写真も掲載されていて、美しい美術カタログのよう。

    ビジュアルも含め、長野まゆみの世界観たるや脱帽。
    ほんの数行で、宇宙空間に放り出されたような美しさの渦に自分の思考が浸っていることに驚く。

    宮沢賢治をこよなく愛す長野まゆみ。
    まるで「銀河鉄道の夜」のような、不思議な世界観を繊細でガラス細工のような言葉で紡ぐ。

    ストーリーの他、鉱石を薬草か何かのように食べられるものとしてレシピや効用なんかが書かれている所なんか、想像力の豊かさが幼い子供時代を思い出させてくれる。
    暗に猫さん目線で語られている感じも宮沢賢治の影響力を感じさせてくれて楽しい。

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    2021年11月29日
  • レモンタルト

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     この作品を読むにあたり、俗っぽく言うところの「BLっぽい」雰囲気は前提にあるとして読むことが求められているように思う。主人公(男)が男性に襲われかけたり、また他の男性と関係を持ったりするシーンが何度かある上、主人公もまた義兄に好意を寄せている。その他周りの人間にも「それらしき」描写が多く見受けられる。同性愛を描く作品でよく見かける「同性だから」という理由での葛藤も本作ではないと思われる。
     そういう前提のもとで読み進めると、なんとも艶っぽい文章だったように思う。丁寧な地の文と少し荒っぽさのある実際の口調に差があるのもまた良かった。それに加えて、繰り広げられる情景もなかなかドキドキさせられるも

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    2021年11月02日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    また変なやつにからまれて、脇が甘いな。。。とは思うが、色々なことが少しずつ明らかになって来て先が気になる。

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    2021年09月28日
  • 左近の桜

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    エロチックだけど生々しくなく、登場人物が魅力的。桜蔵くんはほんとは認めたくないだけで、悪あがきしてるんだよね

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    2021年09月27日
  • 聖月夜

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    長野まゆみさんの、こういう童話のようなクリスマスの話が好き。星降る夜のクリスマス。観覧車に乗ろうよ。粉雪。

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    2021年09月14日
  • 天体議会 プラネット・ブルー

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    ネタバレ

    久しぶりに長野さんの本。
    発売間近だった次に読む本との間をもってもらおうと読み始めた。理由は暑くて、薄い本だったから。

    休暇終わりの地下鉄の駅での朝から物語は語られ始める。
    銅貨は友人の水連を待っていたが、なかなか彼は現れない。
    やっとやって来た彼の片目には眼帯が付けられていた。
    理由は分からないが、朝起きると腫れあがっていたという。
    端正な水連の顔が見られないことを残念がりつつ、二人は混みあう学生群をのせた地下鉄から撤退して、さぼることにする。二人が向かったのは鉱石倶楽部という石やそれを愛でる道具を扱いつつ軽い食事ができる喫茶がいっしょになったお店だ。天体と鉱石に強い興味を持っている二人は

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    2021年07月31日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    左近の桜シリーズ2作目。
    人ならぬ妖しきものを惹きつけ、この世の限りに交わりを求められる体質の桜蔵。

    1話20ページ足らずの12編のなかで「灰かぶり」「雪虫」「ヒマワリ」が好き。
    私の物覚えが悪いのもあるけど、読んだうちからふわりと消えてしまう。半分くらい夢のようなそんなお話たちです。

    最後、父・柾に引っ越してくるよう鍵を渡されたのにはドキドキ。3作目に続きます。

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    2021年07月30日
  • フランダースの帽子

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    ネタバレ

    夏なので幻想怪奇系積読を消化するぞのコーナーです。
    長野まゆみ読みたくなったから、本選ぶときのあみだくじの中に混ぜたら一発で当てたぜ!!
    そんなに積んでない。2年くらい?夏なのでとか言わんでもそのうち読むつもりやったけどいいタイミングやった。

    あー面白かった。
    最後、びっくりしてへんな声や溜息が出そうになるものばかり。
    幻想系と思って読んだけど、現実を描きつつそれを幻想系の手法でみせてる感じがした。
    ポンペイよかったなー。服もモノも記憶も共有して、精神の境界ももうないのやな。

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    2021年07月25日
  • 新学期

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    好きな世界です。余白が多い。
    解説読んでいて、確かに内面の描写無いかも…と思いました。でも、こう思った、が無くても彼らがどんなこと考えているか伝わってくるので良いです。
    学生結婚で17歳差の息子……って色々と捗るのですが、サラッとし過ぎていてそれも良かった。朋彦いい。

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    2021年07月23日
  • レモンタルト

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    長野まゆみさんのご本は、可愛いお話と無邪気な残酷さとかあやしさがあるお話があるんだけど、今回はどちらかと言うと後者かな。
    無邪気な、ではないけどね。

    『チマチマ記』を思い浮かべつつ、あの二人よりも難しそうな二人だなって思った。

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    2021年07月22日
  • 魚たちの離宮

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    すごく輪郭が掴みにくいお話。私はとても好きでした。描写が本当に丁寧、衣擦れの音まで聞こえてきそうなくらい。また暫く経ってから読み直してみたいです。

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    2021年07月11日
  • 左近の桜

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    この世とあの世のあわいでまどろみのなかに見た夢のようなお話。長野まゆみさんの小説を読むのは久しぶり。どっぷり楽しみました。

    本人自身その気がなくても、なぜか男を惹きつける
    桜蔵(さくら)は「左近」という世間をはばかる逢瀬のための隠れ宿の長男である。父、母、弟がいるが
    自分は血の繋がりがないような気がしている。それに兄弟は庶子、父には正妻がいる(「浮かれ猫」に登場するけどカッコいい)

    桜蔵がひろってくる男というのがこの世ならざるあやかしのものたちばかり。成就のために男たちが引き寄せられてる感じで、そこには父の柾や父の友人、浜尾が仕向けた案件もあったり。
    皆が桜蔵のことを「女」というのが、ちょ

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    2021年06月11日
  • 鳩の栖

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    懐かしさを感じながらも、情景が浮かぶような温かさもあり、そんな中で登場人物の気持ちが自然と伝わってくるような短編集でした。
    ヨーグルト食べたくなった

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    2021年05月06日
  • レモンタルト

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    「もうずっと前から義兄のことが好きだった」この1文にたどり着くまでの、静かな静かな盛り上げ方が もう ほんと 長野まゆみ。

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    2021年05月04日
  • 猫道楽

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    ネタバレ

    とてもエロテックだけど隠語と和モダンな雰囲気でお上品な作品。

    4つの短編集だけど一つ一つのお話をもっと見ていたかった。

    ストーリーは猫飼亭に縁がある青年が訪れて
    あれよあれよと青年に抱かれるお話。
    ネコだから、、、ね、、。

    甘美なストーリーでドキドキしました。

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    2021年04月22日
  • 雨更紗

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    単行本の初版を買ってた。ものすごく久しぶりに再読。
    美しい文章と解けない謎。閉じた世界からいつまでも抜け出すことが出来ない…。
    と、この何ともいえない気持ちを文章に残せないことがもどかしい!

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    2021年04月04日
  • よろづ春夏冬中

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    これまた先生の作品の中ではボーイズラブ色が強い一冊。
    好き嫌い別れそうではあるけれど、刺さる人には深々刺さる。私のように。

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    2021年03月13日
  • 天球儀文庫

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    ネタバレ

    耳をすませばのしずくが書く小説の中の世界みたいな、不思議な世界観。品の良いお洒落な風景と少年たちの幻のような時間が、清涼な読後感を誘います。私が呼んだのは文庫版ではなく4篇それぞれが一冊の本になっているもので、中の装丁もとても美しい。レコードのノイズをソーダの音と表現してみたり、雪雲を天使の枕と言ってみたり、表現の一つ一つが上質なファンタジーで、久々に夢中になって読んでしまいました。

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    2021年02月27日
  • よろづ春夏冬中

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    どの短編も男と男の恋愛が素地になっている。「あづなひ」という言葉がでる『花のもとにて』がよかった。見つめ返してくる一枚の絵のような、または他人の夢に忍び込んでしまったような、静かで甘美な作品群。

    「ボーイズラブ」という言葉があるが、『日本書紀』の昔から、男と男の恋愛の空想に耽けることがある。しかしこの短編集はどれも閨房を覗き見するようなやましさはなく、神話中の神々の戯れのごとく抽象的でノーブル。さらに恋愛の始まりが黄泉の国への入口でもある物語が目立った。エロスとタナトス。

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    2021年02月02日
  • 新世界〈4th〉

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    誰がHALASSで誰がラシートで、誰が誰の子どもで…?とかそろそろ解らなくなってきたけれど謎めく世界観が良いです。
    消えてしまいたいシュイと、ジャウが…ジャウが居なくなるっぽいのが悲しい。

    ラストの独白は毎回、誰なんだろう。
    「いつからこうしているのか……思いだせない」

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    2021年01月23日