長野まゆみのレビュー一覧

  • 少年アリス

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    高山宏さんの解説が正鵠を射ているのでもはや私の劣文は必要ない気もしますが、とにかく、『少年アリス』はさまざまなものから「解放」されている作品として群青天鵞絨に輝く屈指の幻想譚だと言うことができるのです。
    澁澤龍彦さんや短歌の好きな私は、前者には博物誌的な面白さを、後者には音とリズムに凝縮した言葉の感覚の面白さを見出します。ペダンティックな充足を得ることの面白さというより、普段私たちが使う言葉とは違った場所に居る言葉を採集することの面白さを求めて、手を伸ばしているのです。これが私の読書傾向かつ好みです。
    そして私の好む作家さんの中に、まちがいなく長野さんも含まれています。解説で高山さんは長野さん

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    2022年09月10日
  • いい部屋あります。

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    長野まゆみさんの作品を初めて読みました。
    なんとなく買って、大学生が寮生活始める話ね〜
    と思って読み始めたのですが、想像していたものとまったく違いました。
    前半は主人公の鳥貝がひたすら翻弄されて、読者も鳥貝と一緒に?だらけです。
    何かよくわからず気持ち悪いけど、きちんと回収されるので大丈夫。
    文章は綺麗で優しい。BL要素があるとは思っていなかったので驚きましたが、これくらいなら許容範囲かな。

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    2022年09月01日
  • 行ってみたいな、童話の国

    購入済み

    …ダーク…!

    とてもダークな長野まゆみ作品でした。
    「雪花草子」に系統が近いと思います。
    エログロダーク…。
    語り手の少年たちも明らかに不憫な自分たちの境遇を嘆くわけでもなくちょっと狂気を感じます。
    長野まゆみ先生の独特の感性を感じさせる作品でした。

    #ダーク

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    2022年07月24日
  • よろづ春夏冬中

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    「怪しい」のか「妖しい」のか。
    奇妙で、ちょっと不気味。艶めかしかったり、そこはかとなく哀しかったりおかしかったり。
    ここよりほんの少し湿気のあるどこかに連れていかれたような感覚。
    ひとつの世界が形作られているような、不思議な味わいの14の短編。

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    2022年07月20日
  • 鉱石倶楽部

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    長野まゆみさんによる鉱石の解説が本当に素晴らしい。鉱石を食べ物にみたてて紹介しているので、視覚だけでなく味覚も刺激される気がする。一つ一つの物語もきらきらして美しい。いいなぁ、こんな世界に行きたいなぁと思う。

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    2022年07月14日
  • 魚たちの離宮

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    再読。主人公・市郎が友人の夏宿の見舞いをする4日間の物語。静かで幻想的な盂蘭盆の風景に、夏宿やその弟の弥彦、謎のピアノ教師の思惑が交錯する感じがミステリアスで惹きつけられた。

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    2022年07月14日
  • 天体議会 プラネット・ブルー

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    再読。
    本の中から自分の気に入った文章を書き出すのが好きなんだけど、長野まゆみさんの文章は全部が好きで選べない。
    星や鉱石が煌めく耽美的な世界観がたまらなくて、何回読んでもやっぱり好き。
    また長野まゆみさんの本を読み漁りたい。

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    2022年07月14日
  • 45° ここだけの話

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    少年アリスの頃から幻想系だけ読んでいたので、こういう話も書くようになったんだなあとしみじみ。
    ほのかな毒が前面に出てきた感じ。わりと好き。

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    2022年07月13日
  • カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

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    銀河鉄道の夜の別視点、というよりはカムパネルラというキャラクターを通じて、作者である宮沢賢治さんの人生、人物像を読み解くといった内容だった。
    銀河鉄道の夜のスピンオフかと思ったが、それとはまた別物。スピンオフを期待して手に取った人にとっては少し残念かもしれないが、“宮沢賢治”という人物が好きな人にとっては、興味深い文献だと思う。
    何よりも長野まゆみさんの賢治さんへの愛を感じられて面白かった。

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    2022年07月01日
  • 鉱石倶楽部

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    個人的に鉱物が小さな時から好きで
    シトリンはべっこう飴みたいでおいしそうだなと思っていました

    この本は小さい時に夢想していたことを
    図鑑のように詩集のように綴られており、
    読み終わってしまうのがもったいなくて
    少しずつ大事に読みました

    写真も綺麗で眺めているだけでも楽しい一冊です

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    2022年05月15日
  • その花の名を知らず 左近の桜

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    左近の桜シリーズ。
    私は、長野まゆみさん作品の、謎が解けるような気がするんだけど、解けてなくて、で、結局なんなんだろう?というのが、好きなんです。なので、最後まで、もわっとした感じでおわってほしいと思ってしまうのでした…。まぁ、もわっとはしてるんですが、いつものもわっと感とは違うかなぁ。
    もう一回、読みます…。

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    2022年03月21日
  • レモンタルト

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    「レモンタルト」というタイトル、表紙や文章全体がおしゃれな小説だった。
    事前情報確認せずに読んだため、BLだったのは驚いたが心理描写が丁寧で良かった。

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    2022年03月02日
  • さくら、うるわし 左近の桜

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    「左近の桜」「咲や、この花」に続く第3弾。この世のものではないものに毎回毎回、本当毎回巻き込まれる桜蔵。物語が夢現で読んでいると私もふわふわした感覚に陥る。読後も私も夢現、、、飄々としてるけど、ちゃんと桜蔵を助けてくれる柾が私は好きです。

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    2022年03月01日
  • 改造版 少年アリス

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    オリジナル版より描写が具象的に、文章が平易になってる気がする。
    使われてる語彙も意識して「長野まゆみ作品らしい」ものを盛り込んでるような印象で、綺麗な装丁や最後の言葉辞典も含めてセルフパロディ的な意図が強い一冊なのかなと思った。
    大きく変更されたラストにはびっくりだけど、一度発表された物語にこうやって大胆なアレンジを加えるのはまさに「改造版」って感じの面白さだし、宮沢賢治の作品が改稿を積み重ねていったのと似たものも感じる。

    だいぶ印象変わったとはいえ、物語の素晴らしさは健在。
    この改造版から長野まゆみ作品に触れても充分楽しめる名作です。

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    2022年02月26日
  • その花の名を知らず 左近の桜

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    私、割と雰囲気で読んでるところがあって…
    名字も「あれ、これなんて読むんだっけ」と都度わからなくなったりしながらもサラサラと読みます。
    この、独特の雰囲気が好きなのです。
    なんというか…夏目友人帳 文学版…?

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    2022年02月21日
  • さくら、うるわし 左近の桜

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    連作短編集4編。
    異界と現世を行き来する桜蔵の幻想、夢の世界がなんとも妖しく、すんでのところで川を渡りそうになるのを父?の柾に救われ導かれていく構図は同じながら、桜蔵、千菊が成長していくので関係性にも変化があり、どうなっていくのかも楽しみだ。

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    2022年02月01日
  • 改造版 少年アリス

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    長野まゆみさんの著作は中学生のときどっぷりハマって読み漁った時期があり、特にデビュー作である『少年アリス』には思い入れがあります。
    懐古と憧憬が相まって、自分にとって大切な一冊。
    改造版ということで、装丁も随分と凝った仕上がりになっており、ぜひ本棚に納めたい…!と思って購入し、懐かしく読みました。
    アリスと蜜蜂、二人の少年の一夜の冒険が美しい描写と耽美な筆致で描かれています。
    改めて大好きな本だなあと思いました。

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    2021年12月31日
  • 野ばら

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    再読。
    長野まゆみさんのお話は、文章が本当に美しくて。その美しさを味合うために読んでいる感じ。
    月彦と、美しい二匹の猫。風変わりな理科教師。そういえば、大人はだいたい何か知ってそうなんだけど、多くは語らず。というか、結局、いつも謎ばかり残ってしまうんですけどね。
    解説がちょっと怖かったなぁって思ったら、今読んでもやっぱりちょっと怖かった…。

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    2021年12月08日
  • 鳩の栖

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    長野まゆみが描く少年像はどれも儚く理想然としていて涼しげ。
    単純に憧れるし、美しいと思う。
    表題作と『紺碧』『紺一点』が好きです。

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    2021年11月30日
  • フランダースの帽子

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    物語がはじまり、すすみ、おわる という体験がぶち壊される画期的な作品。こういうものがあってもいいかもっていう発想はどこからくるの?!
    ジャケ買いしたらとんでもないものに出会えました

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    2021年11月29日