【感想・ネタバレ】さくら、うるわし 左近の桜のレビュー

あらすじ

小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。
耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。

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Posted by ブクログ

「左近の桜」「咲や、この花」に続く第3弾。この世のものではないものに毎回毎回、本当毎回巻き込まれる桜蔵。物語が夢現で読んでいると私もふわふわした感覚に陥る。読後も私も夢現、、、飄々としてるけど、ちゃんと桜蔵を助けてくれる柾が私は好きです。

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

連作短編集4編。
異界と現世を行き来する桜蔵の幻想、夢の世界がなんとも妖しく、すんでのところで川を渡りそうになるのを父?の柾に救われ導かれていく構図は同じながら、桜蔵、千菊が成長していくので関係性にも変化があり、どうなっていくのかも楽しみだ。

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2022年02月01日

Posted by ブクログ

その犬に耳があるか:
左近の桜シリーズらしい短編
この川、渡るべからず:
これまでと少し趣が違って感じる。骨董屋が再び出てきて嬉しい。
ありえないことについての、たとえ:
従来どおりの作風に戻った。この本で1番好きな短編。
その犬の飼い主に告ぐ:
医学生と犬のいる海辺の医院は白いひつじでも登場。医学生と医者は長野作品でお馴染みのモチーフ。柾の学生時代のきらめきをうかがい知れて嬉しい。

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2025年01月29日

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