あらすじ
カフェで、ファストフードで、教室で、ケアホームで、一見普通の人物が語りはじめる不可思議な物語。一卵性双生児、夢の暗示、記憶の改竄、自殺志願者など、ちりばめられた不穏なモチーフが導く衝撃の結末。読んでいるうちに物語に取り込まれ、世界は曖昧で確かなことなど何もないと気づかされる戦慄の9篇。
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Posted by ブクログ
最近の長野まゆみ、作風が変わってきてるけどこれめちゃくちゃ面白いやないか。今までは何となくクセが強くてお勧めとかしたことなかったけど、これなら人にも勧められる気がする。
ストンとおちてたり、いろんな人が出てきたり、不思議なことがあったりっていうのは江戸川乱歩とか夢野久作ぽい感じがするようなせんような…モチーフが似とるんやろなあ。
おちてない話もあるし、ややこしくなっただけの話もあるし、おちるとこそこかい!て突っ込みたくなる話もあるけどどれも面白いよ。
双子とか、異性装とか、多重人格とか、そういうのが出てくるのよ。めっちゃ面白いやろ。
あとWCの冒頭はわろた。
Posted by ブクログ
どのお話も少しずつ違和感があって座り後ごちの悪さを感じながらも読んでいくと、ん、え、どういうこと?と、理解できない展開になって、最後はぞわっとする。
私の思い込みからなのか、想像、想定の状況とは全く違う、もう世界線が変わってしまったような展開がいきなり飛び込んでくる。
印象に残ったのは、双子の話と、郊外に家を買った若い夫婦の話。どちらもぞわっとする感覚がよかったです。
長野まゆみさんの初期作品はほぼ読んでいるのですが、幻想的な初期作品の舞台が現実になるとこんな感じになるのかなと思いました。