【感想・ネタバレ】カムパネルラ版 銀河鉄道の夜のレビュー

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Posted by ブクログ

あぁついに読み切ってしまった。
とても素敵で読み終わるのがイヤで随分時間をかけて読みました。
単純にカムパネルラ視点の銀河鉄道の夜かと思いきや、物語の登場人物であるカムパネルラが著者である宮沢賢治を賢治先生と呼び、解説してるんです!
また解説者は他にもいて、中原宙也と言うんです。これまた飄々とした雰囲気が素敵。
宮沢賢治好きな長野まゆみだからこそ書ける作品だなぁと思いました。

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2019年03月14日

Posted by ブクログ

作者は「本」も好きなのでしょうが、その本の作者にすごく興味があるのでしょうね。
銀河鉄道の夜や宮沢賢治の研究をまとめた本という感じで、ストーリーとして楽しむのは少し難しいように感じましたが、興味深かったです。

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2023年01月03日

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銀河鉄道の夜の別視点、というよりはカムパネルラというキャラクターを通じて、作者である宮沢賢治さんの人生、人物像を読み解くといった内容だった。
銀河鉄道の夜のスピンオフかと思ったが、それとはまた別物。スピンオフを期待して手に取った人にとっては少し残念かもしれないが、“宮沢賢治”という人物が好きな人にとっては、興味深い文献だと思う。
何よりも長野まゆみさんの賢治さんへの愛を感じられて面白かった。

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2022年07月01日

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銀河鉄道のもう一つの物語とでもいうべきか。カムパネルラ視点の銀河鉄道。

要所要所に出てくる中原もいい味を出している。

ジョバンニが戻った後のことも、本当にそうならばいいなぁと。

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2020年01月06日

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ネタバレ

カムパネルラからの視点からの銀河鉄道を紐解く……という形だが中原中也が俺の方が宮沢の事をよぉく知っているんだぜとインタビューに乱入してくる。
むしろ中原中也が途中からメインの語り手になりつつある。
しかし、太宰治さんの「モ、モ、ノ、ハ、ナ」があって何度みてもこれは笑ってしまう。

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2019年08月17日

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カムパネルラの視点から、「銀河鉄道の夜」を語り直す…だけでは終わらなかった。

もっとファンタジーで、きらきらしたかんじかと思っていたのですが、中原中也(宙也?)さんの電波妨害による宮沢賢治という人の解釈とか、なんかもう小説というよりは論文みたいでした。

読後感としては、カムパネルラよりも中也さんの印象が強かった…
これはこれですごく面白かったですが。

ジョバンニが幼い頃の宮沢賢治の姿であり、カムパネルラは青年時代(恋をしていた頃)の自己投影、という説は、なんというか、そんな見方があるのかと、もう一度、「銀河鉄道の夜」を読み直したくなりました。

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2019年06月02日

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表紙と装丁がとっても素敵。
宝箱みたい。

そして、帯に書かれた煽り文が、
なんだかどきどきしました。
ジョバンニの旅は終わっても
カムパネルラの旅は続く…

内容は、そうだな、と思うところもあれば。
どうかな?、と思うところもありました。
まぁ、そういうところも含めて私は面白かったですけど。

分の中だけにある銀河鉄道の夜の世界が誰にでもあるでしょうから、それがちょっとでもこわれてしまうのが嫌な人はあんまり読まないほうがいいのかも。
と思いました。

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2019年05月27日

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もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうと思う。
カムパネルラの恋については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちになってしまった。
でも銀河鉄道の夜まではとても楽しめたし、そういうものかとも思った。
宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても広くて、天の川に流されそうになるけど、ジョバンニとカンパネルラのつながりはやっぱり胸が痛いほど、と痛切に思った。

知りたくないことまで書いてあることは、まあほぼ忘れてしまおうと思える。
ただもっと宮沢賢治さんの世界を旅したいと思った。
皆さん仰っているけど、装丁は宮沢賢治さんの世界を思い描くのに十分すぎるほどで最高だと思う。

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2024年01月01日

Posted by ブクログ

ジョバンニの視点で語られていた『銀河鉄道の夜』をカムパネルラの視点で語り直してもらう、というプロローグと表紙の美しさに惹かれて購入したのだけれど、他の方も書いているようにちょっと期待と違ったかな、という印象。

中原中也版とか解説書とかまさにそんな感じ。

どちらかといえば、きちんとカムパネルラの視点で物語を描いた上で、混線/通信障害はそれこそ「カムパネルラの恋」の章のように分けて書いてくれたらもっと入りこめたのかなあと。

これはこれで自由で面白かったし、本当に表紙も装幀も美しくて紙の書籍を手元に置く喜びを改めて味わえたのはよかったです。

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2023年12月08日

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カムパネルラが語りなおす、というよりも、中原宙也の電波妨害の方が気になった。
宮沢賢治の恋にはそれほど興味をひかれなかったし、もう少し「小説」であったらなあ、という読後感だった。

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2023年01月04日

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本屋で表紙に一目惚れ
しかし!中身が!めちゃめちゃに難しかったです!!
銀河鉄道の夜の解説本のような内容でした…
明治、大正時代の方の文章はまだ読みづらい、いつか理解できるかしら?

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2022年08月31日

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 中島京子の作品で、田山花袋の奥さんの視点から「蒲団」を書きなおした「futon」という傑作がある。ちょっとそれを期待した。視点が変わるだけで、全く別の世界が見えてくるから。
 カバーが最近いろんな本の表紙になってるjunaidaで美しいし、銀河鉄道の夜は、夏になると繰り返し読むし。長野まゆみを読んだことないけど、これだけは興味をもって読んでみた。
 
 全然違った。

 確かにカムパネルラが語ってはいるけれど、ときどき中原中也が入りこんで邪魔するという、戸惑う設定。先行する小説があるのかな? なかなか物語に入りこみづらい。
 
 銀河鉄道の夜の世界観を通して、作者である宮沢賢治の人間像に迫ろうとする小説みたいだ。中原中也がちょいとちょい挟んでくる宮沢賢治の人間臭さが面白かった。好きだった女性が結婚してしまったあとも、未練がましく新居まで押しかけるなんてエピソード、ただのストーカーじゃん!
 面白いけど、なんだか自分がゴシップネタを喜んで読んでいる人みたいになってしまった。そこを期待してたわけじゃないんだけど…って感じ。
 
 カムパネルラ版銀河鉄道の夜というよりは、中原中也版銀河鉄道の夜、だった。

 カムパネルラが死なないバージョンがあるというのは有名な話で、伊与原新の「青ノ果テ」という高校生が主人公の青春小説でも、その辺の詳しい経緯はわかる。
 どっちかというと、こっちの方がお薦め。

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2021年08月13日

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カムパネルラが「銀河鉄道の夜」について語りなおすのではなく、カムパネルラ、通信局、中原中也が、「銀河鉄道の夜」と他の作品(「春と修羅」)賢治の為人について考察する。という内容。 銀河鉄道の夜を深く解釈することや、宮沢賢治について理解することなどにつながる一冊。特に、中原中也(宙也)の意見が面白い。

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2020年09月30日

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ネタバレ

推敲段階の銀河鉄道の夜から読み解く宮沢賢治の心境みたいなものをカムパネルラが語る。
途中で中原中也なんかが出てきたりして、友人としての視点で語る。
作者の私生活と作品の対比がわかり、それはそれでなるほどなと思うのだが、もう少しほかの作品も含めて読み込んでいればもっと楽しめたと思う。

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2019年10月22日

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銀河鉄道の夜を介した、宮沢賢治の紹介本。

手に取ったきっかけは、装丁の美しさから。
銀河鉄道の夜のリメイクを期待していたが、
カムパネルラを交えた上の、
考察・評論という内容に少しがっかり。

けれど、宮沢賢治史と重ねた考察は面白く、
改訂を重ねるごとに移り行く内容に、
彼の心情を近くで感じているような不思議な感覚がある。

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紀元前2200年に生きた人や
紀元前1000年に生きた人がいて、
彼らはそれぞれの時代に正しいと思ったことを述べ、
その考えを史実として書き留めました。
それが歴史であり地理であるとその人はいいます。
つまり歴史も地理も、
その時代を生きる人のためにあるのです。
神々が本当に存在したのかどうか、
岩が天から降ってきたのかどうかを、
後世のぼくたちがとやかく云うことに
あまり意味は無いのです。
------

初期形第三次稿では、
歴史と地理について、このような語りがあったという。

星座だって同じだろう。
星を平面と捉えて線で繋いだところで、
実際の奥行きは計り知れないのだから。
表現は違えど、彼が描く自由はたしかに遺されている。

本書を通して、改訂の過程を楽しむという、
銀河鉄道の夜の新たな読み方を知った。

また、所々の 春と修羅 の引用も物語を煌然とさせる。

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薔薇輝石や雪のエッセンスを集めて、
ひかり気高く輝きながら
その清麗なサファイア風の惑星を
溶かそうとする明け方の空
------

純粋で幻想的な描写でありながら写実的、
光の筆で描かれる景色は、
触れた瞬間、それまで文字だったことを忘れるほどの、
恍惚さと儚さを併せ持つ。
宮沢賢治を作家ではなく、芸術家と感じる美しい一節。

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2019年10月08日

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小説の形をした宮沢賢治(と中也)研究。
賢治の心象スケッチ(詩)や原稿メモを読み解いく。後世このように恋心を暴かれるのはつらいことだなぁ。

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2019年03月25日

Posted by ブクログ

ちょっとよくわかりませんでした。
宮沢賢治の童話や詩って
ちょっとぼーとしていて
クリアではないというかぼやっとわからない
部分があるけれども、なんとなく気持ちいいというか
いい感じというところが好きなのですが。

そこを分析するような手法で、しかももっとよくわからない
状態になっている感じがして、ちょっとあまり
よくわからない内容だったと思います。個人的には・。

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2019年03月02日

Posted by ブクログ

「銀河鉄道の夜」をカムパネルラ視点で読み替え、と思って読むと、思っていたのと違う…ということになる。
先に出た『銀河の通信所』の続編、あるいは語りつくせなかったことの拾遺版といった感じだ。
“銀河通信”の記者が、カムパネルラの魂と交信して、「銀河鉄道の夜」を語り直してもらう企画という形をとる。

説に分類されているが、作者の宮沢賢治研究のまとめの書だと思う。
素人の妄想は妄想で終わるが、作家はこうして考察を尽くした結果、作品に昇華出来るのだから素晴らしい。

作者は、「銀河鉄道の夜」は少年二人の物語であるのに、ジョバンニだけの視点で描かれるのは不公平との思いを抱いたらしい。
賢治は病などの理由で、作品を完成できなかったと考え、少しでも補完したいとの思いがあるようだ。
また、現実世界に戻ったジョバンニと違い、カムパネルラは“神視点”“俯瞰”で、生きているジョバンニには見えないものを見ることができ、語れる。
そうやって作品を読み解こうというのである。

作品は、「銀河鉄道の夜」の目次にしたがって、少しの引用文の後、カムパネルラの心情などが語られるが、ときどき【混線】と称して、N氏が割り込み「銀河鉄道の夜」ではなく、宮沢の恋を語りたがる。
長野氏は中原中也に傾倒し始めたのだろうか。

自分で読み解くには難解な賢治の詩を、背景を踏まえて載せてもらえるのはありがたい。

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2019年02月26日

Posted by ブクログ

題名はカムパネルラ版ということだが,中原中(宙)也氏、宮沢賢治の恋愛事情を語るといった程.中原中也がかなり出張ってきて,銀河鉄道の内容を詳細に検証している割に,印象が少しぼやけた感じがした.というより,題名から受けた印象とかなり違った.

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2019年02月24日

Posted by ブクログ

物語と思ったら銀河鉄道の夜を深く読み解く本でした。
取材班とカムパネルラと中原中也(本の中では宙也)が物語の中の説明や年譜を基にした解説をします。

童話しか読んだことがなかったので、実の宮沢賢治さんの姿を見ることができて楽しかったです。

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2019年02月20日

Posted by ブクログ

初出 2017〜18「文藝」

デビュー30周年記念小説と銘打たれているが、
小説の形をとった『銀河鉄道の夜』の創作過程と背景の分析と、それに関わる中原中也論と言うべきか。
ジョバンニは生還するのに、なぜカムパネルラは帰らなかったのか、その理由を知りたいというのが動機で、銀河通信の記者松本がカムパネルラにインタビューするのだが、時にカムパネルラを遮って自分の意見を述べ、中原"宙"也が割り込んでくる。ジョバンニは少年期の賢治で、カムパネルラは青年期の賢治なのだという。
それにしても「銀河鉄道の夜」の原稿が第1次〜第4次まで残っているとは知らなかった。

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2019年02月15日

思っていたのと違った。

銀河鉄道の夜を読んだことがなかったため、買ったのですが、読んでみれば解読本。非常にショックを受けました。帯にデビュー30年記念“小説”だと書かれているのに…詐欺なんじゃないですか?

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2019年04月19日

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