【感想・ネタバレ】兄と弟、あるいは書物と燃える石のレビュー

あらすじ

その家とその本は、何を隠しているのか──? 猫の住む家に集う人々とカルト的人気の小説を幾重にも取り巻く甘美な罠。現実と虚構、嘘と真実、過去と未来――。さまざまな二重写しの出来事が複雑なモザイク画のように描きだす謎に満ちた物語。

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Posted by ブクログ

面白かった。
短い、2、3ページほどの話の集まりみたいな書き方で、こんな話の書き方もあるんだとおもった。
兄と弟の話かと思って読んでいたら、次第に語り手がいることがわかり、最後の章までに語り手は誰なのか、というような推理要素が存在する。私の予想は外れた。時軸がいったりきたりで混乱しそうだったけど、別に混乱することなんて何もなかった。
誰が誰で、何がなんなのか。ミステリじゃないのに想像して辻褄を合わせるのが面白かった。
設定が深く作られてるのかなと思ったり、なぁんだそういうことだったのかと思ったり、つまりどういうことだったのと思ったり。
まあ、何を言ってもネタバレになりそうなので何もいえそうにないって感じ。
もう一度読み返したほうがいいのかなとは思うけど、深読みするべきなのかとも。真相を誰か教えて欲しい。
面白かった。
フォントがやけにぬるぬるしてた。
装丁・デザインかわいい。

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2017年04月30日

Posted by ブクログ

二面性と連続放火事件。偶然が偶然を呼び作り上げられた偶然の謎世界の謎解き…のような謎回収。物語と現実が入れ子のようになっていて、さくっと読みやすいのに理解し切れず、再読を重ねてそのうち話の核に辿り着ければいいなぁと、そんな思いを抱いた一冊でした。でも嫌いじゃない。むしろ好き。

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2016年03月18日

Posted by ブクログ

今の私にはかなり興味深く読み進むことができましたが、タイトルから長野さんの昔の作風をイメージして読むと、当てが外れるかもしれません。

以下9頁から引用
「現実と虚構の区別もできない、あるいはしない、このような種族がそこらじゅうにいて、多くは病の自覚もないままに日常を過ごしている。」

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

最後の最後まで読み手を混乱させる作品でした。理解しかけていた物語が、ある一文でひっくり返されるの繰り返し。作品中に出てくる「目に見えるものはいつもほかのなにかを隠している」「書かれたことはいつもほかの謎を隠す」といった言葉は、まさにこの作品を表しているように感じました。結局、誰が本当に実在して、それぞれがどのような関係にあるのか理解できずに読み終えてしまいましたが、だからこそ物語に引き込まれました。混乱してばかりだったけれど、読みやすくて雰囲気も好きでした。

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2017年02月04日

Posted by ブクログ

タイトルが素敵だったので。長野まゆみの小説をきちんと読むのは初めて。昔エッセイを1冊読んだくらい。物語の構造が幾重にもなっており集中して読まないと話の全貌がつかみきれない。久しぶりに頭をつかって本を読んだ。薄い本なのにとても密度が濃い。迷宮に迷い込んでしまったかのよう。私は嫌いじゃないな、こういうの

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2016年02月03日

Posted by ブクログ

以前(7年前!)読んで意味不明だった記憶があったので、もう一度再読。前回は裏切られの連続でじれったかったけれど、今回はそういうものだと承知して読んでいたので翻弄されること自体を楽しんだ。
読み進めながら、物語のモチーフになっている実在の人物たちは?この家は何?この宇宙、語り手は誰なのか?ということに思いめぐらせながら整理していくのが楽しい。
結局うまく繋がらないのだけど、じゃあそもそも繋がるように書かれているのか、と謎は巡り巡っていく…。語られていないことも多いので、考えれば考えるほど謎が深まっていって面白い。


↓2016年の感想
現実と虚構が混ざり合っている中で、現実と虚構どちらにも記憶障害であったり混乱があり、大変わかりにくい。
リエトが実在しないと書かれた時には、くそうやられたと思った。良い意味で。
結局何がどう繋がるのか、いや繋げようとしてはいけないのか…。
長野先生に敬服です。
この物語では皆極端だが、誰にでも二面性はあるのだ。

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2016年02月01日

Posted by ブクログ

どこからどこまでが、本当のことなのか、妄想なのか、混ざり合った世界。それが長野まゆみ先生なのだ、と言われればそうなんだけども。舞台が現代で、妙に現実的すぎるからなのか、謎を追いかけながら読み進むことに、いつものような楽しさを感じなかった…。

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2021年05月30日

Posted by ブクログ

実在するのはどちらで、どの過去が本物で、事実はどれなのか?
劇中劇のように見えるのに、ほんの少しずつずれた情報が重なり合い、物語と虚構と登場人物達の位相をずらしていく。
一読しただけでは整理しきれず、再読を試す。が、ますます混乱する。この感覚には覚えがあるぞ、と私のように作者の初期作品に傾倒したことのある読者の一部は感じるのではないだろうか。
当時とは趣が大分異なるが、散りばめられたエッセンスに作者らしさを見つけるという楽しみ方もできる一冊。

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2020年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現実と虚構が混ざる話も双子の話も好きで、これもすごく面白かった。話なかなか進まんなと思いよったけど最初から進んでなかったんやなー。状況説明しよるだけやのに、話進んでないのに先が気になった。
誰の頭の中なのか分かったところで、でもよくわからん謎も残っとるけど、伏線(?)を読み返すのも探すのもたいへんやけんこのままでいいわい。『野ばら』の夢現どっちか分からん感もこんな感じやった気がする。いや長野まゆみこんなんばっかか。
しかし、この手記?一体誰の文章の体で書いとるのや、くどくて読みにくいな、と思いながら読んでた。最近の長野まゆみの文体がこんなんてわけではないよね?????

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2018年09月17日

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その家とその本は、何を隠しているのか──?猫の住む家に集う人々とカルト的人気の小説を幾重にも取り巻く甘美な罠。謎に満ちた物語。

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2018年07月26日

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不思議なタイトルに惹かれて手に取った。
最初の何章かまで読んで、読むのをやめようかと思ったけど、途中まで行くと先が気になってやめられなくなった。
途中から、語り手が誰であるかが気るようになり、これは現実なのか小説の中なのか、ドラマの中なのか混乱していく。

最後にあー!っとすっきりはしなかった。もう一度読むべきか…

2017.3.18…8

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2017年04月29日

Posted by ブクログ

久しぶりに読みたくなった長野まゆみ。初期書かれていたものから根底に流れるものは変わらないんじゃないかと思うのだけど、扱うテーマが少しずつ移ろっていくのが面白い。心の柔らかいころにデビュー当時の作品にどっぷり浸かったのは今は懐かし思い出。初期作品の中では『よくわからなかった』「魚たちの離宮」の文章の一端を見かけて、今読むとなんか違うかも、と読みたくなった。
最近も読んではいて、「カルトローレ」「箪笥のなか」なんかが好き。

今回の作品は分かりづらいけれど、嫌いじゃない。作者と作中作の入れ子構造、小説とそれを原案としたドラマ、さらに小説家が実在の編集者の名前を作中で使ったせいで同じ名前の人間が別の次元に複数存在している。メタ要素のある話ってどれかほんとかわからなくなるからとても心地よい。けれど、すっきり読み終えたいならそこが嫌なのかも。
あと、語り手が誰であるかもマーブルな感じ。でも結末読んだら「物語は円環で閉じる」って感じがしたから満足しました。
星は3.5くらい。

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2017年01月25日

Posted by ブクログ

んん?結局誰が実在するんだ?現実と小説と妄想が入り混じってこんがらがる。正解があるパターンなのか、「新世界」みたいに正解がないパターンなのか。もう一回読んでみます。

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2015年09月27日

Posted by ブクログ

タイトルに全てが込められた小説.
現実と書かれた小説の中の物語と患者の妄想とが入り乱れこんがらがっている.が,このこんがらがり以外に何が面白いかと言われると,ちょっと困ってしまう.

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2015年09月18日

Posted by ブクログ

話が入りまじっているのかな?
なので、わかったようなわからなかったよな。
でも、気分は悪くない。

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2015年07月14日

Posted by ブクログ

紙のチョイス、文字の処理とか
ブックデザインは結構好きです。

内容は、長野まゆみの王道に近い。
しかしちょっとずつ種明かしして
焦らすわりには物足りない。
元々、起伏の激しい話を書く人ではないし
こんなもんかも。

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2015年07月21日

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