長野まゆみのレビュー一覧

  • 夏期休暇

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    ネタバレ

    兄の幻影に執着する千波矢と、彼に謂れ無い嫉妬の感情をぶつけられるうちに絆されていく葵。
    気がつけば飼い犬や姉とも鏡写しの関係を築いてしまい、葵は青と同化してしまう。
    兄弟姉妹間の愛とも業とも言えない、諦めて呑み込むしかない瞬間の苦々しさが、まるで呪いを受け入れるみたいだと思った。
    タイトルの響きに反して物騒な話だった…。

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    2022年01月15日
  • 夏至祭

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    空家であるはずの屋敷に棲む、黒蜜糖と銀色という不思議なふたりの美しい少年と主人公・月彦との数日間。
    読みながら、あぁ、これこれ……と思う。
    束の間、幻想的な世界に浸ることができた。

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    2022年01月12日
  • ぼくはこうして大人になる

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    夏は長野まゆみが読みたくなる。
    解説は宮木あや子で、これがまたファンの気持ちを代弁しているような名文だった。
    本書の少年たちはまだ生身の人間らしさがあるけれど、相変わらず触れたら壊れそうな危うい関係ときらめき。
    ファンタジーであることは重々承知の上で、長野さんの描く思春期の少年像があまりにも完璧。

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    2022年01月12日
  • その花の名を知らず 左近の桜

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    好きな世界なのだが、登場人物が多すぎて、本筋に絡むエピソードも多すぎるあまり、話が複雑になっていて、また漢字や言葉などの細部にこだわり過ぎて、物語の本筋がわからなくなって来てしまうのが惜しい。途中で細部を理解することを放棄してしまった。もっとスッキリさせてくれた方が物語に没入しやすいのにな。

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    2022年01月04日
  • 上海少年

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    「雪鹿子 ゆきかのこ」「上海少年 しゃんはいしょうねん」
    「満天星 まんてんせい」「幕間 まくあい」
    「白昼堂々 はくちゅうどうどう」

    5つの短編集です。
    大正時代から昭和初期くらいまで?を舞台に
    どこか気だるくて、どこか奔放で官能的で、
    長野さん的な漢字の使い方が物凄く絶妙。
    ふられたルビを見ると、ドキドキします。

    狡猾さやしたたかさや執着を強調しないように
    仕込んでいることで、女のアクセントとしての位置を
    強調して、翻弄される少年達が更に儚く見えるという
    まんまとやられた感が大きいかもです(^◇^;)

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    2022年01月03日
  • 天球儀文庫

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    ネタバレ

    二人の少年が登場して物語が展開しますが、本作はそれぞれの兄や親族が「意図的に」登場します。
    長野さんの小説は、時間の止まった箱庭のような雰囲気がありますが、本作は時間軸を意識させられ、少年たちが成長して大人になっていくことを想像させます。

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    2021年12月31日
  • 超少年

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    ネタバレ

    題名から“少年を超える存在”の登場を想像していた(それもある意味正解だった)けれど、「超少年」とは直接的には「時間移動<超(リープ)>を行う少年」を意味します。
    長野作品セルフカバーのような小説でした。
    解説が千葉雅也さん。

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    2021年12月31日
  • 猫道楽

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    日暮と一朗の話が一番好きだった
    思ってた以上にガッツリBLでびっくりしたけど文章が綺麗でスラスラ読めた。
    少しずつどこかで交わりを持つ登場人物達が物語を運んでいくのがおもしろい。猫が可愛かった。

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    2021年12月21日
  • その花の名を知らず 左近の桜

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    すごく好きなシリーズだったので
    発売してすぐ買いに行ったんですが…
    ちょっと路線が変わった??と思うのは私だけか??
    ルーツを辿るのがメインだったのかな…
    頭弱いので途中から混乱(笑)
    長野まゆみ先生の耽美が欲しい…(笑)

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    2021年12月20日
  • 少年アリス

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    なんとも言えないふわふわとした、メルヘンチックな雰囲気の漂うお話だった。
    正直、雰囲気でどうにかしている、と感じてしまう部分もあったが、それは解説の中に書かれていたように、私が"意味に緊縛されている"からなのだろうと思う。
    言葉や字面の美しさよりも、この表現が正しいか否かで捉えてしまうのがなによりもの証拠だと思う。例えば、鉤括弧の終わりで句点が打たれていることに違和感を感じたり。
    もっと、そうした型に嵌められて凝り固まった感性をほぐす為にも、長野まゆみさんの作品は合っているのかも知れないと感じたので、他の作品も読んでみたいと思う。

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    2021年12月10日
  • 猫道楽

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    ネタバレ

    猫シッターの話かと思って読みはじめたら、BLだった…。長野まゆみさんの作品は「ささみみささめ」から入ってしまったから、あまりのBLっぷりに少々ひいた。
    BLと承知して読み始めれば良いのかも。ラストの話が1番良かった。

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    2021年11月26日
  • 雨更紗

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    正直、何が言いたいのかわかりませんでした
    主人公のハジメはいったい・・・
    アキラと同一人物なんだろうけど
    多重人格者とかそういうことなのかな?

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    2021年11月25日
  • あめふらし

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    再読でも世界を掴むのが難しかったです。でも決して嫌いではない世界。気を抜いたら魂を取られてしまいそうで生き抜くのが過酷そうだけれど。。
    市村くんはあんなに訳わかってなくても生きていられるのが不思議…と思ったら亡くなってるっぽい。誰が生者で誰が死者なのか…揺蕩うお話でした。

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    2021年11月22日
  • お菓子手帖

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    ネタバレ

    自伝風スイーツ小説。

    先祖も甘党だったという主人公は1959年、昭和34年生まれ。

    戦後の高度成長期、バブル時代と
    主人公の成長のそばにいつもあったお菓子たち。

    洋菓子が多かったのは、国の成長とともに洋風のものが段々と入ってきている時代の象徴なのかなあ。

    なんか甘いもの食べたくなったなあ。

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    2021年09月11日
  • カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

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     中島京子の作品で、田山花袋の奥さんの視点から「蒲団」を書きなおした「futon」という傑作がある。ちょっとそれを期待した。視点が変わるだけで、全く別の世界が見えてくるから。
     カバーが最近いろんな本の表紙になってるjunaidaで美しいし、銀河鉄道の夜は、夏になると繰り返し読むし。長野まゆみを読んだことないけど、これだけは興味をもって読んでみた。
     
     全然違った。

     確かにカムパネルラが語ってはいるけれど、ときどき中原中也が入りこんで邪魔するという、戸惑う設定。先行する小説があるのかな? なかなか物語に入りこみづらい。
     
     銀河鉄道の夜の世界観を通して、作者である宮沢賢治の人間像に迫ろ

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    2021年08月13日
  • 45° ここだけの話

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    現代が舞台の不可思議な話9編。
    タイトルも記号など変わったものばかりで今までの作風とかなり変わっている。

    記憶や性が倒錯しているのは健在で、大体ケムに巻かれて終わるのでふわふわした読後感。
    人の見方が少々意地が悪い(特に女性に対して)

    「●クロボシ」は従来のパターンならナギサとフルサトは双子ではなく同一人物だと思う。

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    2021年08月11日
  • 兄と弟、あるいは書物と燃える石

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    どこからどこまでが、本当のことなのか、妄想なのか、混ざり合った世界。それが長野まゆみ先生なのだ、と言われればそうなんだけども。舞台が現代で、妙に現実的すぎるからなのか、謎を追いかけながら読み進むことに、いつものような楽しさを感じなかった…。

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    2021年05月30日
  • 三日月少年の秘密

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    自動人形である三日月少年の世界は好きです。
    最先端でいて、レトロ。片仮名混じりの話し言葉を読むのには手間取るものの、好きな世界観。
    ミステリアスな「かばんの秘密篇」が特に好みです。倅はやっぱり三日月少年だったんじゃないのかなぁ。。

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    2021年05月21日
  • コドモノクニ

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    昭和の子ども、を垣間見ました。
    著者紹介を読んでいてはたと気付いたのですがたぶんうちの母親と同い年だ長野さん。うちの母とは違って都会っ子の長野さんですけど、あの頃の女の子の楽しみってこんな感じだったのかなぁと思ったりしました。

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    2021年05月01日
  • フランダースの帽子

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    家族の関係性をテーマにした短編集。
    親子だと思っていたら姉妹だったり、姉妹だと思っていたら従姉妹だったり…。

    テーマのある短編集って、そのテーマが広ければ面白いけど、狭いと物語のパターンが出来ちゃってその中でどれだけ読者が差異を見出せるかみたいなことになりがちな気がする。
    わたしはちょっと飽きてしまった。

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    2021年05月01日