長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中島京子の作品で、田山花袋の奥さんの視点から「蒲団」を書きなおした「futon」という傑作がある。ちょっとそれを期待した。視点が変わるだけで、全く別の世界が見えてくるから。
カバーが最近いろんな本の表紙になってるjunaidaで美しいし、銀河鉄道の夜は、夏になると繰り返し読むし。長野まゆみを読んだことないけど、これだけは興味をもって読んでみた。
全然違った。
確かにカムパネルラが語ってはいるけれど、ときどき中原中也が入りこんで邪魔するという、戸惑う設定。先行する小説があるのかな? なかなか物語に入りこみづらい。
銀河鉄道の夜の世界観を通して、作者である宮沢賢治の人間像に迫ろ -
Posted by ブクログ
シュイがとことん報われなくて悲しい。
主要な登場人物はみんな死んでしまったっぽいのも…あんなにグロテスクだったミュラーに至ってはナレ死レベル。
長野作品では最も多く大人が出てきたのも珍しかったです。どの大人もそれぞれの冷酷さがありました。
目に包帯した白い服の少年、あれがソレンセンの本当の息子だったのかな。
ミンクでイオの産んだ子どもはこのあとどうなるのか…碧と銀杏(の翡翠の方の色だと思う)のオッドアイって凄い。
白い沙の地を舞う焔の蝶の景色の鮮やかさ。イオはこれからずっとここを彷徨うの…?
寂しく、虚無なラストでした。謎は謎のままで。