長野まゆみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
再読。環境汚染が激化して植物は変異し光合成で二酸化炭素を吐くようになり、地球上には住めなくなって移住した先のコロニーで植物を再生するのに「王子」と呼ばれる人体を使っている世界。人体と言いつつそれに特化した新人類みたいな感じだけど、長野さんのディストピア作品でした。
自覚ないまま植物を繁らせて3人の「ピエロ-α」を名乗る少年に「王子」だと付き纏われる少年だけど、そうきましたか…となりました。
繁らせる植物が作品オリジナルのものばかりで想像するしかないですが、引き抜いたら血液じゃなくて乳液が出るの、王子はほんと植物なんだなと思います。動いて思考して喋るけど。。
解説が千葉雅也さんでした。長野作品を -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ桜蔵のルーツを辿る話でした。
既刊で外堀は埋め終わっているはずなので、あとは謎解きよろしく柾との関係を順序立てて紐解くだけかと思っていましたが、とんでもない。
恐ろしく入り組み、蔓のように複雑に絡み合った家系図を追わねばなりませんでした。私は読み始めて早々に系譜を頭に描くことを放棄したので、終盤の盛り上がりを充分に体感できたかと問われると俯くしかないのですが・・・。
しかし、真相に迫ったかと思えば煙に巻かれるような感覚は、あ〜長野さんの本を読んでいるな〜と実感しました。
というか、この因果を背負ってなお無頓着と無防備な桜蔵は自業自得なので、もう業を受け容れたほうが本人的にも楽ではないかと思って