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長野まゆみ先生の作品には読み始めるといつもその発想に驚かされて感動して、読み終わった後にはその全てに納得させられることが多いです。題名通りの「超少年」。長野先生ならではの少年たちが織り成す物語はその特殊性も相まって言葉にしがたい感覚があります。いってしまえばこのお話は覗き穴からそっと覗いているような、そんな感覚でした。植物の仕組みを少年に組み込み少年は植物のような瑞々しさを持ちふわっとその花の香りが香ってくるような、そんな感覚を味わえる1冊です。
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長野作品の中でも一、二位を争う好きな作品。
独特な世界観が確立されたややBL風味な小説。
読み終えたのはずいぶん昔ででも今読み返しても曖昧で難解な部分が多い。
それでも台詞まわしやそこここに散らばる素敵な小道具のおかげで雰囲気だけでもじゅうぶん楽しめる。
「いつまで待たせるんだよ」
気まぐれで意地悪ででも時々素直で、
繊細なオレ様少年キャラを描かせたら、
長野さんは天下一品。
Posted by ブクログ
再読。環境汚染が激化して植物は変異し光合成で二酸化炭素を吐くようになり、地球上には住めなくなって移住した先のコロニーで植物を再生するのに「王子」と呼ばれる人体を使っている世界。人体と言いつつそれに特化した新人類みたいな感じだけど、長野さんのディストピア作品でした。
自覚ないまま植物を繁らせて3人の「ピエロ-α」を名乗る少年に「王子」だと付き纏われる少年だけど、そうきましたか…となりました。
繁らせる植物が作品オリジナルのものばかりで想像するしかないですが、引き抜いたら血液じゃなくて乳液が出るの、王子はほんと植物なんだなと思います。動いて思考して喋るけど。。
解説が千葉雅也さんでした。長野作品を愛好する男性のお話は興味深かったです。
Posted by ブクログ
題名から“少年を超える存在”の登場を想像していた(それもある意味正解だった)けれど、「超少年」とは直接的には「時間移動<超(リープ)>を行う少年」を意味します。
長野作品セルフカバーのような小説でした。
解説が千葉雅也さん。
Posted by ブクログ
近未来、地球外での話。
絶滅したとされる植物を育てたり、それを育てるために王子を探しているという3人のピエロ。
まずありえない体の変化を体験する少年。
少年同士の穏やかな愛を軸に、不思議な話が進む。
ラストは温かくハッピーエンドでよかったなあと思います。
Posted by ブクログ
最初の方、何言ってるのか全く理解できなかったけど、三分の一過ぎたあたりからなんとなくもやっと理解し始めた感じ…
思ったより話の展開は無かったという印象。なんとなく、もっとスケールがでかいというか、舞台が2,3回変わるかと思ってた。
隠語というか、独特の言い回し、用語がよく使われてるけど、段々わかってくる感じが楽しかったな。この世界観。
αが悲しげでいいなあ。泣く泣かないの件(118ページあたりだっけか)でぐっときた。
珍しく、後味のいい話だったと思う。すっきり、幸せに、安心して終わった感じ。
最後の方は割とあからさまにアレだったけど、このぐらいのふわっとした感じ好きだ…同調ねハイ…
Posted by ブクログ
今回はカップルではないのか……と思いきや、
千葉雅也さんが指摘している通り、主人公スワンと対になる者はおそらく兄なのでしょう。
全編通してあざといです。
でもそれがいい、のかも。
植物という、鉱石と異なるモチーフに焦点を当てていることにも注目したい。