長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京の西側郊外を流れる野川を中心とした物語。関東の地図を開いてみてください、東京と神奈川の境を西の奥多摩から東京湾に向けて、東西に多摩川が流れています。野川は西東京を流れる多摩川の支流。
多摩川の周辺にはそれとは気づきづらいのですが、何段かの河岸段丘が残ります。東京側の野川の向こうには”はけ”という地形が残る段丘が広がり、周辺には武蔵野台地に浸み込んだ湧水が野川に流れ込んでいきます。
物語の随所に自転車で走り回った地域が出てきますので、大変馴染みを覚えます。調布飛行場、東京天文台、東京外語大学、まだ緑の多く残る地域です。私のホームタウンは多摩川を渡った逆側の段丘、多摩丘陵です。
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Posted by ブクログ
独創的な世界観のある長野まゆみの原点。話の舞台は、現実世界のようなのだけど、著者の幻想的な表現によって、一種のパラレルワールドのようにも感じられる。その世界の住人アリスと蜜蜂が、夜の学校で別の世界に紛れ込んでしまう。二重のパラレルワールドが展開されているようで、とても不思議な作品。単純なファンタジーではなく心にチクッと刺さるものも、大人でも存分に楽しめる童話。
中学の頃に出会った本。当時は単行本だったが今回文庫を読み直し。「天体議会」もそうだけど、この作家の初期の作品を何冊か読んでいると宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(登場人物のほとんどが猫の姿で描かれてたアニメ版)の世界をいつも想像してしまう -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女作の「ぼくはこうして大人になる」と少し近かった。清浄な淡白な文章と設定、ドロドロで欲望と希求溢れる内容。長野まゆみの、錯綜した性や女性男性の垣根を分からなくさせる得意の内容だった。読んでいて誰が何の性別でどんな印象でどんな人物なのかわからなくなる。いかに自分の人物評が性別に依るかが分かって嫌になった。ジェンダーの問題を主眼に置きつつも主人公、温の性別や染色体や病気を探るものではなくてそれは唯の手がかりで自分は何者なのか、どういう生活をしてきたか誰なのか、社会と相対的に存在する自分はどこにいるのかを探っていった。
自分が何者なのかということを探ることで自分の世界、自分にとっての愛おしいものを -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫版楽しみにしていました
表紙の色っぽさが素敵
内容は圧倒的に前作の方が好みでした
今回もいいけどね!!正直いうと後半部で
ちょっと飽きてきてちゃんと読めてないから
また読みますね! あと羽ノ浦先生が
謎を残したままどこかへ行ったのが
かなり悲しかったですね またどこかで登場して頂きたい
サブのほうに好みのキャラが多いので次また出るのだったら
活躍してほしいなー 弥とか久生とか
真也ちゃんの男らしさが好きです なんだかんだで
今回は桜蔵と真也ちゃんの絡みが一番好みでした
髪に指をからませキスをするシーンがとてもきた
相変わらず甘くて幻想的で美しい文章でした
着物の柄の説明?とか香りの表し方と -
Posted by ブクログ
市村青年の鈍さというか天然さに襟首掴んで揺さぶりたくなる気持ちで読み終えてしまいました。彼と兄がどこへ行ったのか、改めて想像するために時間を置いてからまた読みたいです。
思わせぶりな会話と肝心な部分の描写を省いた、読者の想像を掻き立てる物語。長野さんの作品によくあるこの雰囲気をなんと表現するのが適当かわかりませんが、一言で表すなら妖しいです。
私は子供の頃に初期の長野さんの作品でファンになった層なので、こういった雰囲気の作品に抵抗を覚えないではないですが、文章そのものの美しさは流石。解説の言葉をお借りするのであれば、私にとって長野さんは「ひとり一ジャンルの小説家」です。表現するものが変わって