長野まゆみのレビュー一覧

  • 銀木犀

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    最初から最後まで、主人公の見た目も年齢もわからないまま、夏の蒸し暑さや、熟れすぎた果物の半分腐ったような感触が物凄く印象に残る作品。

    物語自体も短く、短編ずつ区切られているのでさらりと読めるかと思ったけれど内容が割と重くて、読み終わった後も作品の雰囲気にしばらく引き摺られてしまう。

    『銀木犀』というタイトル通り、銀木犀を中心に進む物語だけれど、途中から現れる不思議な少年に主人公の日常が掻き乱されてしまう。死んだ鳥の卵や、巣から落ちたヒナだったり、扱い方がわからずに投げ出してしまった小さな命の罪悪感にひたすら囚われてしまって苦しんでいる姿と、泥に沈んでしまいたいといった自虐が混ぜこぜになって

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    2018年08月21日
  • デカルコマニア

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    この人の本は読むのに時間がかかる。
    なんとなくおもしろいのだがはまれない。
    解説に少女漫画と。なんか納得。独特の魅力と裏腹な拒絶感はまさに少女漫画ぽい。

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    2018年08月09日
  • メルカトル

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    地図収集館というところに魅かれる。それが当り前にあって、それを普通に使っている様子に、これこそがこの館の役割だろうなと、ちょっとうらやましくある。

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    2018年08月05日
  • 兄と弟、あるいは書物と燃える石

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    その家とその本は、何を隠しているのか──?猫の住む家に集う人々とカルト的人気の小説を幾重にも取り巻く甘美な罠。謎に満ちた物語。

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    2018年07月26日
  • 野川

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    両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、自分でつくりだすものなんだ。もし鳥の目で世界を見ることが、かなうなら…伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。

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    2018年07月26日
  • 新装版 夜啼く鳥は夢を見た

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    少年は夢見るように微笑みながら沼の中へと消えた……従兄の草一を訪ねた紅於と頬白鳥の兄弟。彼らの瑠璃色の愛を描いた初期傑作!

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    2018年07月05日
  • 猫道楽

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    あらすじも読まず、猫の話だと思って読んだら違うネコの話でびっくり(笑)
    今まで読んだ長野作品はさらっとしている感じだったけれど、これは割とガッツリ書かれているので読む人を選ぶかもしれない。
    提灯の話が好きです。

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    2018年05月17日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    左近の桜、続編2巻目。
    なんだか段々桜蔵くんが不憫に思えてきてしまったけれど、変わらず綺麗な情景描写と妖しげな世界観が好きです。
    気になる終わり方だったので続編も読みたい。

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    2018年05月02日
  • メルカトル

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    地図を巡る不可解な事件と、それを取り巻く人物たち。
    だけど読み進めていくと、あの人とあの人がこんなところで繋がっていて…あの人とこの人も知り合いで…そうこうしているうちに意外な結末に辿り着いてしまい、主人公のリュスと同じくらい呆気に取られてしまった。だけど読み終わった後は何だか心がすっきりする。まるでお洒落な洋画を観ているような気分でした。

    でも、終始翻弄されて振り回されっぱなしだったリュスがやっぱり気の毒だなぁ……

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    2018年03月29日
  • メルカトル

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    昔のようなそれほど昔でもないような不思議などこにあるのかわからない街とそこに住む不思議な人々の紡ぎ出すお話し。読み進んでいくほどに広がっていきそうな展開がパタパタと内側に向かって倒れて一つの焦点にあつまってくるような不思議な感覚を覚える筋書き。

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    2018年03月17日
  • メルカトル

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    行きつけの本屋さんにお目当ての本が置いてなかったので代わりにこの本買って帰る。

    中学校(?)で習った地図の図法。メルカトル、モルワイデ、グード、ボンヌ、ランベルト…、色々あって試験にも出たけど、今やどれがどんなとか分からないや。

    さて、この本、救済院で育ち学資を稼ぐために地図収集館で働くリュスのもとにメルカトルなる人物から一通の手紙が届いた時から、彼の周りには変わった人々が現れ、次々と変わったことが起こる。

    う~ん、読み終わってみて分かるけれど、何とも面倒くさいお話しね。
    ああいう理由でわざわざああいうことしなくてもいいんじゃないっていう気がするけど、それじゃあ、お話にならないってか。

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    2018年03月10日
  • メルカトル

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    11年も前の単行本が今文庫化されるとは!(喜)
    文庫化につき再読。
    次々と現れる女性たちと少年に翻弄される青年リュス。
    とはいえ、クールでどこかズレてるリュスに、 みんな手応えを感じず?(笑)
    最後に謎解きがあって、スッキリ終われた。
    (長野作品には珍しく・笑)
    地図収集館という設定が好き。

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    2018年03月08日
  • いい部屋あります。

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    ネタバレ

    僕はひつじ、道に迷い、誰かに導かれ。

    ああああ、ってなる。すごく長野まゆみ。なぜか西炯子の絵で脳内のキャラクターが動き出す。クセのある人ばかり。でもみんな哀しいほどに優しい。ちょっと周囲の人間関係にご都合主義すぎないか、と思いつつも、それがこういうフィクションのいいところじゃないかと。この鳥貝と百合子(百合子は名字という、これもなんだか長野まゆみ的)がどうなるのか、想像が捗ります。百合子は不器用すぎて、もはやかわいい。洋館の寮ということで、恩田陸『ネバーランド』を思い出しもしました。

    鳥貝を象徴するのが「白いひつじ」であること。守られる存在、好奇心、ふわふわ、安心感、さまざまに解釈できそう

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    2018年01月07日
  • いい部屋あります。

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    クセモノ揃いの男子寮の面々に翻弄される物語かと思いきや、あたたかい展開にびっくりした。
    泣きたくないのに泣いてしまう鳥貝がかわいい。愛されキャラでした。

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    2017年11月14日
  • 夏至南風

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    15年程前に読んだことのある作品ですが、再読。
    当時は若かったので「いやらしいわ、これ~」という
    印象だけが強かったのですが
    あらためて読んでみると、長野さんの筆力に脱帽します。

    どのページを開いても、
    湿り気を帯びた熱風が体にまとわりつくような臨場感と
    熟れた果実から溢れ出る腐臭が感じられます。

    丹念に語彙を選び抜いているのだなとつくづく考えさせられました。

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    2017年08月15日
  • 猫道楽

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    耽美はよしとして、頭を空にして、謎掛けとリズムを楽しむべき。連作と言うにも繋がりの薄い短編集なので、物語性や物事の意図を考えても回答は得られない。端的に言うと中身はないがさらっと軽く読めるし文面はとにかく美しいので酒の肴として薦めたい一冊です。

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    2017年07月18日
  • 夏至南風

    好悪分かれる衝撃作

    ひたすら爛れたグロテスクな世界観で、主人公クーランは虐待される側です。
    正直、読んでいて何度も吐き気がしましたが、それでも続きが気になって日付が変わっても最後まで読み切り、熱を出した高校生の冬休みをしみじみと思い出します。
    近親相姦・同性愛・虐待・性的虐待・死体・腐乱――これらにネガティブ方向に敏感な方は絶対に読まないで下さい。
    私はキツい思いをしながらも、非常に中毒性がありました。
    まさか、あの美少年がああなってしまうなんて。でも主人公は理想の具現が現れて幸せそう。
    テレパシーじゃないんだけど、手のひらに記号を書いたり(対緑)、体に触れたりするだけ(対碧夏)で特定の相手(実質、弟と

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    2017年07月10日
  • あのころのデパート

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    長野まゆみさんの作品が好きなので読んでみたが、長野さんってこういうキャラだったのかと以外に思った。思っていたよりこだわりが強そう。
    子供の頃のデパート、自分が働くようになった頃のデパート、今のデパートと、ちょいちょい脱線しながらつらつらと語っており、デパートの魅力や裏事情だけでなく、時代背景やお中元豆知識までわかって面白かった。

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    2017年06月09日
  • 時の旅人

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    3つの短編でできている。
    どの作品の主人公も、時空を超え、今いる世界とは違う時代を覗き見る。
    そしてまた現実へと引き戻されていく。

    なんとも言い表しがたい不思議な世界。
    レトロな雰囲気が、読んでいてとても心地よかった。

    なかでも「リュウグウノツカイ」が好きでした。

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    2017年07月06日
  • チマチマ記

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    家族の健康にこだわったおいしそうなメニューが数々登場。最近だだ下がっていた料理するモチベーションに自然と活が入るwカガミくん尊敬の眼差しだけど、カロリー計算や料理の講釈はちょっとうざったかったなw
    マキマキ兄弟やチビッコたちにも大人からのさり気ない気遣いが紛れていて、長野さん特有の捻った家族構成でありながら、穏やかな時間や関係が心地いい。
    読みながら舌も楽しめて猫の観察力と仕草に和む…あ~なんて贅沢。

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    2017年04月04日