長野まゆみのレビュー一覧
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夏なので、夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのいち。
以前読んだのはちょうど10年前くらい。そんくらいの頃に長野まゆみをまとめて読み漁ったので、1冊1冊の印象が薄くてどれがどの話かよく分からんなっとるのが多いので、再読してちゃんとレビューを書かねばと思っていたのでした。
あとがきによるとこれは子どものためと銘打ったものらしいけど、成長途中の少年が不思議な男の子に出会って謎体験するっていういつものパターンなのよね。
成長途中といっても、弟史の場合は性の目覚めが強調されとるように思うが。
いたのかいなかったのかも分からない、もうひとりの兄との交流もほとんどなくて、彼は何で今このタイ -
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昭和初期の匂いを持つ耽美小説
閉鎖的な集落の名門の素封家で何があったのか。
二重人格である哉と玲。
彼らを愛する学校の教師や画家…BLというより
背徳小説の感じ。
この少年の多重人格と、彼の血縁で過去の世界に
精神を飛ばして生きている寧子おば。
彼女がかつて亡きものにした御幸。
この三人と、この集落で行われる宵祭の晩の
少年の死が軸になって、解決されない狂気が
雨に閉じ込められた世界で綴られていきます。
薄くてすぐ読み終わってしまいますが、これが長かったら途中で読み疲れてやめたろうから、これで良かったのでしょう。
事件の真相や多重人格は解決されていませんが、解決や手の内を見せることを狙 -
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「つまりね、ホンモノかレプリカかということが、なぜ重要なのかということだよ。」(p.154)
本人と区別がつかないほど精巧に作られたレプリカキットが出回る世界。従弟の葡萄丸と暮らす百合彦と、彼の友人野茨を中心としたSF風のお話。
野茨とレプリカの区別がつかない百合彦は本物の野茨を探すうちに、一体、何が野茨を本物と証明することになるのかと考え始める。
一方、本物の野茨はレプリカの百合彦と会っていたらしく、自分の気付かないうちに自分のレプリカが作られ、動いている。それも、1つではなく無数に存在するとなるともう本物がどれだったのかさえわからなくなる。
案外、友人のレプリカに戸惑う百合彦本人がレ -
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★宇宙百貨活劇
かわいい双子の少年ミケシュとロビンに終始癒される。ほのぼのとしていてファンシーな短編集。2人はいつも何処へ行くにも一緒。時々喧嘩もするけれどすぐにお互い反省して仲直りできてしまう。ひっそりと探偵社を営むお父さんが少年たちの無理難題に頭を悩ます姿も良かった。
個人的に第九話の「スノー・スノー・ボーイ」がお気に入り。実は寒さに弱いロビンがミケシュに手伝ってもらわないと着替えも出来なかったり、外出したくなくて愚図る姿が意外で可愛らしかった。凍えてしまったロビンの躰を暖めようと抱きついたミケシュと、頬同士をくっつけて微笑む姿はとっても微笑ましかったです。
今回も、ロケット壜のストロ -
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1年間の学級日誌を通して、成長していく少年たちの姿を追うことができるお話。それぞれが抱える悩みや、わだかまりも前向きに話し合いで解決していこうとする姿には勇気付けられる。
トィとシュウイチにはこれから仲良くなっていってほしいなぁ。
……そんな日常とは裏腹に学校の外の環境は悪化する一方…。謎のシェルタア・シティやこれから行われるであろう食物の配給制度。紫外線が原因で病気になる子供が増えていたりなんてしていて、すごく怖い…。
(そういえば、あんまり関係ないけれどこの頃の長野まゆみさんの著書である『天球議会』や『テレヴィジョン・シティ』も食べ物は配給制だったような…)
初期の頃の作品に見られる、こ -
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文芸コレクションだからサクッと軽く読むつもりではあったけど、こんなにサクッとした話だとは思ってなかったかも。もうちょい話が広がるものかと…
主人公は長野先生に多い大人っぽくてでも世間知らずな儚げ少年ではなく、年相応に背伸びしてみたりむくれてみたりする可愛らしい男の子。中1。姉はもうすぐこどもが産まれて、兄は中3だっけ?
小さい頃に死んだはずの兄と、死んだ祖母と町で度々出くわす。でも出くわすだけで、特に大きな変化はない。
自分は昭和を知らないけど、銭湯とかよく出てきてちょっと古めかしい雰囲気がいい話。話を楽しむというより雰囲気を楽しむ系の話かも。 -
Posted by ブクログ
予想以上にライトだった。猫道楽とかよろずとか桜蔵のやつ(タイトル忘れた)とかと同じテイスト。
これ何も知らずに読んだらびっくりするんじゃ?とか思ったけどそっちに重きを置いて読まなければいいのか。
相変わらずわけのわからない厄介ごとに巻き込まれる主人公(今回はゲイ(ゲイ?))、相手は長野先生お得意の絶妙な距離の身内。死んだ姉の旦那。しかも同じ敷地内に住んでる。姉は死んでるからある意味もうどうしても手に入らない人のものの義兄。
主人公の仕事がこれまた都合いいっていうか、ありがとうございますって感じ…役員の公にできない様々な用事を文句言わず請け負う仕事。同僚からは縁故採用と疎まれ事情を知る者からは -
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<・・・このレプリカは組み立て完成品でございます。分解は自由、簡単。再組み立ても可能です。ご希望であれば、モデルの意識を複製することもでき、よりリアルにお使いいただけること請け合いです。登録品ですので、まずは当社までご連絡を。>
じぶんと同じ顔、同じ背格好の「レプリカ」が当たり前に存在している近未来世界の、少年たちの話。SFと筆者の文体がふしぎといいぐあいにマッチしていて心地いい 読みながら舞台はエーゲ海沿いの街並みをイメージしていた 葡萄丸や百合彦の父親たちのおだやかに諭す感じの口調が気にいった まあ彼らもレプリカかもしれないんだけどね。