あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
水天宮の段々坂に鈴の音が鳴ると、ぼくの兄さんとよく似た少年が現れる。歳の離れた姉さんは言う。ぼくには六歳で死んだもう一人の兄がいたのだと。兄さんは作り話だと笑うのだが…著者が初めて子どものために書下ろした珠玉作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まだ大正の気配が残るような昭和の下町の雰囲気がいいです。作者曰く、忘れられてしまう恐れのあることばや暮らしぶりを描いたとのこと。その雰囲気と中学生男子の多感であり些細のことにこだわるような様子が相まって面白いです。
Posted by ブクログ
ちょっと昔の日本の話。湯屋とか棟梁の言葉づかいとかそういうのが凄く好きです。子供のために、ということもあってか文章があっさりしていた気がします
Posted by ブクログ
ぼくは三人兄弟の末っ子。ちィ坊と呼んでぼくをからかう姉さんと兄さんの間には、6歳で死んだ、もう一人の兄さんが居た。キリリンコロンの音とともに現れる兄さんそっくりの少年は誰?
Posted by ブクログ
ひとまわり年の離れた姉の姉美えみ、二つ違いの兄の兄市けいいち、末っ子の弟史ちかし
えみの下に弟介だいすけがいた。六つの時に病気で亡くなった
亡くなったはずの兄と八年前に亡くなった祖母とすれ違う
短編に著者の子供の時のことなど
けんけんふくよう拳々服膺
戦前、戦中、戦後の異なる教育を受けたお母さんがテレビから流れる言葉が正しいと辞典に送り仮名の改正された新聞記事を貼っていた
怒っていたのは教育勅語に出てくる言葉だから
Posted by ブクログ
夏なので、夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのいち。
以前読んだのはちょうど10年前くらい。そんくらいの頃に長野まゆみをまとめて読み漁ったので、1冊1冊の印象が薄くてどれがどの話かよく分からんなっとるのが多いので、再読してちゃんとレビューを書かねばと思っていたのでした。
あとがきによるとこれは子どものためと銘打ったものらしいけど、成長途中の少年が不思議な男の子に出会って謎体験するっていういつものパターンなのよね。
成長途中といっても、弟史の場合は性の目覚めが強調されとるように思うが。
いたのかいなかったのかも分からない、もうひとりの兄との交流もほとんどなくて、彼は何で今このタイミングで出現したんだろうね。
昭和な生活環境が覗けて、鈴の音が聞こえてくるなんとも風通しのいい涼しげなお話でした。
そうそう、あとがき読んで思ったけどこの人も梨木香歩と同じで、エッセイぽいのになると途端に苦手な感じになる。
Posted by ブクログ
文芸コレクションだからサクッと軽く読むつもりではあったけど、こんなにサクッとした話だとは思ってなかったかも。もうちょい話が広がるものかと…
主人公は長野先生に多い大人っぽくてでも世間知らずな儚げ少年ではなく、年相応に背伸びしてみたりむくれてみたりする可愛らしい男の子。中1。姉はもうすぐこどもが産まれて、兄は中3だっけ?
小さい頃に死んだはずの兄と、死んだ祖母と町で度々出くわす。でも出くわすだけで、特に大きな変化はない。
自分は昭和を知らないけど、銭湯とかよく出てきてちょっと古めかしい雰囲気がいい話。話を楽しむというより雰囲気を楽しむ系の話かも。
Posted by ブクログ
ちょっと昔の東京の下町を舞台にした物語。
お風呂屋さんの番台に
好きな女の子が「風呂屋の子だから手伝い」って
座ってたらその風呂屋は 避けるよねぇ(笑)
男の子兄弟のじゃれあいながら育つ雰囲気は
女所帯で育った私にはちょっと憧れだったりする。
Posted by ブクログ
少し前の日本での小さい世界がうまく書かれているのだと思う。’96年に書き始められた「忘れらてしまう恐れ」のあるものたち、10年ちょっとたった今、やはりというか消え去っているものも多い気がする。個人的には同本に入っている他の短編がユニークで好き。
Posted by ブクログ
妹のテストに出てきたらしい。
長野まゆみ、って言うとゴニョゴニョ・・・なイメージしかなかったので(読んでた本がそうだっただけ)
ちょっと驚いて読んでみた一冊