長野まゆみのレビュー一覧
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ネタバレとにかく謎の多いお話で、何がどうなっているのか理解が追いついていません、、。
いくつかの観点から感想を書いたのですが、読後からしばらく時間が経っているため、まとまりのない文章になってしまいました。
生徒たちのコードを当てはめると下記のとおり。
シルル:ML-0021754、イーイー:ML-0021234、アナナス:MD-0057654、ジロ:MD-0057864
コードから推測するに、本来はML、MDどうしでセットにならないといけないのに、アナナスはそのルールを破ってイーイーとセットになっているようですね。
それは異常ではあるけれど、AVIANが計画して仕組んだ故意の異常ということのようです -
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お菓子を中心とした著者の自伝的エッセイ
長野作品の魅力の一つにはお菓子があると思います。中でも蜂蜜のイメージが私は強いのですが。
そんな長野さんですから、さぞかし素敵なお菓子を沢山食べてきたのだろうな、と。
さすがに脱脂粉乳は飲んだことが無いですが、懐かしいお菓子がたくさん出てきました。ハイクラウン!あー好きだったなぁ、そう言えば妖精を描いたようなカードが、確かに入ってました。ああいうパッケージ今は無いですよね。
味もそうですが、パッケージにも強いこだわりがあったというのも知ることができました。長野さんは美大だったんですね。長野作品には、常々色が感じられると思ってましたが、こういう所からな -
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ネタバレ残酷なこの世界は、とても美しくて。
主人公・一(はじめ)は、田舎町の医者の末息子。双子の姉と兄とは年が離れている。地域の力関係が反映する学校では優等生を演じている。ある日、七月(なつき)が転校してきたことで、一の日常が変わり始める。
長野まゆみ的な、というのか。夏なのにからっとした潮風の爽やかさを感じる。主人公は美しい「未青年」であり、彼を取り巻く登場人物たちも、実際には居ない美しさを持つ。フィクションを思う存分に味わえる、薄荷菓子のような色気に満ちた世界。この物語は思春期女子には効くだろう。
自分の性的志向にコンプレックスを持つ。幼い頃自分を女だと信じ、またそのように振舞っていたのは双 -
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夏なので、夏っぽい長野まゆみ作品を再読しようキャンペーンそのいち。
以前読んだのはちょうど10年前くらい。そんくらいの頃に長野まゆみをまとめて読み漁ったので、1冊1冊の印象が薄くてどれがどの話かよく分からんなっとるのが多いので、再読してちゃんとレビューを書かねばと思っていたのでした。
あとがきによるとこれは子どものためと銘打ったものらしいけど、成長途中の少年が不思議な男の子に出会って謎体験するっていういつものパターンなのよね。
成長途中といっても、弟史の場合は性の目覚めが強調されとるように思うが。
いたのかいなかったのかも分からない、もうひとりの兄との交流もほとんどなくて、彼は何で今このタイ -
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昭和初期の匂いを持つ耽美小説
閉鎖的な集落の名門の素封家で何があったのか。
二重人格である哉と玲。
彼らを愛する学校の教師や画家…BLというより
背徳小説の感じ。
この少年の多重人格と、彼の血縁で過去の世界に
精神を飛ばして生きている寧子おば。
彼女がかつて亡きものにした御幸。
この三人と、この集落で行われる宵祭の晩の
少年の死が軸になって、解決されない狂気が
雨に閉じ込められた世界で綴られていきます。
薄くてすぐ読み終わってしまいますが、これが長かったら途中で読み疲れてやめたろうから、これで良かったのでしょう。
事件の真相や多重人格は解決されていませんが、解決や手の内を見せることを狙 -
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「つまりね、ホンモノかレプリカかということが、なぜ重要なのかということだよ。」(p.154)
本人と区別がつかないほど精巧に作られたレプリカキットが出回る世界。従弟の葡萄丸と暮らす百合彦と、彼の友人野茨を中心としたSF風のお話。
野茨とレプリカの区別がつかない百合彦は本物の野茨を探すうちに、一体、何が野茨を本物と証明することになるのかと考え始める。
一方、本物の野茨はレプリカの百合彦と会っていたらしく、自分の気付かないうちに自分のレプリカが作られ、動いている。それも、1つではなく無数に存在するとなるともう本物がどれだったのかさえわからなくなる。
案外、友人のレプリカに戸惑う百合彦本人がレ -
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★宇宙百貨活劇
かわいい双子の少年ミケシュとロビンに終始癒される。ほのぼのとしていてファンシーな短編集。2人はいつも何処へ行くにも一緒。時々喧嘩もするけれどすぐにお互い反省して仲直りできてしまう。ひっそりと探偵社を営むお父さんが少年たちの無理難題に頭を悩ます姿も良かった。
個人的に第九話の「スノー・スノー・ボーイ」がお気に入り。実は寒さに弱いロビンがミケシュに手伝ってもらわないと着替えも出来なかったり、外出したくなくて愚図る姿が意外で可愛らしかった。凍えてしまったロビンの躰を暖めようと抱きついたミケシュと、頬同士をくっつけて微笑む姿はとっても微笑ましかったです。
今回も、ロケット壜のストロ -
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1年間の学級日誌を通して、成長していく少年たちの姿を追うことができるお話。それぞれが抱える悩みや、わだかまりも前向きに話し合いで解決していこうとする姿には勇気付けられる。
トィとシュウイチにはこれから仲良くなっていってほしいなぁ。
……そんな日常とは裏腹に学校の外の環境は悪化する一方…。謎のシェルタア・シティやこれから行われるであろう食物の配給制度。紫外線が原因で病気になる子供が増えていたりなんてしていて、すごく怖い…。
(そういえば、あんまり関係ないけれどこの頃の長野まゆみさんの著書である『天球議会』や『テレヴィジョン・シティ』も食べ物は配給制だったような…)
初期の頃の作品に見られる、こ