長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ放浪癖のある父親のせいで転校を繰り返す岬。引っ越してきた山間の町で、小柄な少年賢彦に出会う。賢彦は二年前幻の湖で神隠しに遭い、二年前と変わらぬ姿で戻ってきたとか。そのせいでクラスで浮いてしまっていた。
まず、表紙のお人形さんの眸に惹きつけられて、表紙買いしました。美少年さんです。
長野まゆみさんの描かれる少年はきっと、岬も賢彦も透明感のある少年なのでしょう。
鬼胡桃の印鑑、檸檬水の空き瓶を溶かして作った笛……
古い机の中とかに入っているのを見つけたくなるような小物がいちいち可愛いです。
父親の過去の友人と、息子である岬が邂逅します。
短い時間でも、もう会えなくても岬は賢彦と友人になり、そしてすべて霧の向こうに消えていく。父親にとっても、岬にとっても心に残った気持ちは、ふとした時、振り返りたくなるようなものだと思います。決して忘れない淡い思い出です。
最後に消えてしまった街のように、幻想的な雰囲気の小説でした。 -
Posted by ブクログ
「意識を変えろ。ルールが変わったんだ」
両親の離婚により生活が一変した中二の夏。転校した先で出会った担任の言葉は『音和(おとわ)』の耳に重くひびいた。
課題図書らしい。けど長野まゆみだ。例のジャンルではないだろうが、それでも感想を書くのは難しいんじゃないだろうかと心配になる。なんせ私はいつも悩むので。
登場するのは思春期のシニカルな主人公(もちろん男)、人好きのする分別ある先輩、一風変わってはいるがセンスのある担任等々。長野ワールドとしてのメンツがそろっていてこちらとしては深読みをしたくなってしまうが、そこは課題図書、少年の成長期として体をなしていた。
そしてもう一つの主題と言ってもいいと思うのが『言葉の力』。実際に目にしたように言葉で風景を感じさせることが出来たら・・・。やっぱり物書きとしてはそんな表現をしてみたいものだろうな。もちろん、受け手側にもそれなりの感性が必要だろうけど。