長野まゆみのレビュー一覧

  • 野川

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    著者の「最高傑作」とあるので、期待して読んだけど、これが最高傑作なら、他の作品を読む必要はないな。
    設定は今どきのYAらしく、家庭が崩壊し、心を閉ざした少年。もちろん、仲間やいい教師との交流を経て再生していくわけだけど、出てくる人、皆賢くていい人で、傷ついた少年の心を思いやり、成長させてくれるんだな。
    現実にそんなことばかりあるはずないし。
    少年の心が託された鳩のすがたもあまりにありきたり。
    それでも★三つのわけは、今どきの日本のYAの中では、文章はそこそこいいから。
    他は・・・・。
    まあ、こういうのが好きな人もいるんでしょうが、よく読んでる人はこの程度のっ作品に感動したりしないよ。

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    2014年07月28日
  • 鳩の栖

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    中学生を主人公にした5つの短編集。
    表題作『鳩の栖』―内向的で孤独だった主人公操は、快活で人望も厚いクラスメイト至剛との出会いにより初めて心を開くようになるが、至剛には早すぎる死が迫っていた。
    哀しい話ではあるのに、不思議と艶っぽいしっとりとした雰囲気。描写表現がすごく綺麗。

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    2014年06月11日
  • レモンタルト

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    夭逝した姉の配偶者、つまりは義兄とは隣に住む「私」の不思議にまみれた仕事と恋の日常を描く。
    「私」が、恋に巻き込まれるたびに白馬の王子様のごとく現れる義兄との間には死者の、姉の匂いがうっすらと漂う筆致は見事。見事、だけど――やはり長野まゆみである。

    『雪花草紙』で「ぎゃー」と叫んだことがあることをすっかり忘れていた。この手のジャンルはそこまで得意ではないことを忘れていたわけではなかったのだが、忘れていたわけではなかったのだが手にしっとりとなじむ柔らかな文体でつい最後まで読んでしまったのが流石は長野まゆみであるといったところか。後半になればなるほど心の中の「ぎゃー」の頻度は増していったが、違和

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    2014年06月08日
  • 鉱石倶楽部

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    鉱石から生まれた詩のような短編集。鉱石の簡単な解説とカラー写真も掲載され、短編集としても写真集としても楽しめる1冊。元々幻想的で妖艶な作品を多く書く作家さんですが、美しく妖しく光る鉱石がまたよく合う。

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    2014年05月30日
  • レモンタルト

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    ネタバレ

    ”私”は義理の兄と二世帯住宅に暮らしている。
    会社の重役に与えられる数々の秘密の任務をこなし、奇妙なできごとに巻き込まれながら義兄への思いを募らせていく姿が描かれている。

    長野まゆみさんの本、初でしたー
    そしてBLを取り上げている作品も初でしたー
    ことこまかい描写がなかったので読めました。
    普通には起こりえないことが起こっているのに淡々と仕事をこなしている主人公、という印象を受けました。

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    2014年05月19日
  • サマー・キャンプ

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    ああ、長野まゆみさんはやっぱり頭がおかしいなと。

    再読します。
    メモを取ってもう一度頭の中を整理しないと、この本を本当に楽しむことはできないようだから。

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    2014年04月28日
  • 新装版 夜啼く鳥は夢を見た

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    紅於、頬白鳥兄弟と、従兄弟の草一。三人の少年と沼をめぐる不思議な物語。初期の作品らしく、BL要素はないけれど、なんとも不思議な世界観に包まれている。
    沼、水蓮、水蜜、水笛…水をキーワードに、その温度や質感までもが、美しい文章で綴られる。ちょっと恐いけれど幻想的な感じの終わり方が好き。

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    2014年04月23日
  • 野ばら

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    名前フェチみたいになるが、銀色という名を見たときには衝撃だった。
    景色や時間が重なる演出は面白い。が全体的な印象としてはやや茫洋として帰着点がない。

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    2014年04月04日
  • 新装版 夜啼く鳥は夢を見た

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    蓮の咲く沼の近くの別荘地にやってきた兄弟と従兄、3人だけの登場人物。
    紅於(べにお)は体の弱い弟・頬白鳥(ほおじろ)を連れて祖母の家を訪ねる。

    少年たちが沼でボートに乗ったり散歩をしたりと、ストーリーは特にない。
    紅於はつかみ所のない草一を苦手に思っており、頬白鳥は沼に沈みたがる。

    ラストは不穏な雰囲気。
    結局三人はどうなってしまったのか、謎のままで終わる。

    ふんだんな挿絵は著者の長野まゆみが手がけたということで、余計に独特の雰囲気を漂わせている。

    沼、蓮の花、鳥の鳴き声のように響く笛、水蜜桃などのモチーフが繰り返し出てくる。

    とても妖しくてつかみ所のない世界。

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    2014年04月03日
  • 新学期

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    両親を亡くして叔父の家で暮らしていた少年は、17歳年上の兄に引き取られ兄が教師を務める中学校に転校する。

    そこで出会った風変わりなふたりの少年との交流を描いた物語。
    耽美要素もファンタジー的なものも薄く、ごく普通の青春小説の印象である。
    少々さらっとしすぎだった。

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    2014年03月29日
  • 三日月少年漂流記

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    ネタバレ

    独特な雰囲気が物語全般に漂っています。漢字や言葉に所々古いものが使われていて、絶妙な世界観を作り出してると思いました。
    個人的に主人公二人のコンビが好きです。じゃれ合い感がいい。特に睡蓮の賢いやんちゃっぷりには笑えました。あまり深く考えると疲れるので、物語がすすむまま、流されて読むのがおすすめです。

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    2014年03月12日
  • 少年アリス

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    アリス、蜜蜂、耳丸。舞台はどこなんだってなりました(笑)なんかメルヘンで不思議なお話でした。つかみどころ無いですが何回も何回も読んでしまいます。

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    2014年03月03日
  • 遊覧旅行

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    2〜3ページ程度のショートショート。

    JR西日本「三都物語」キャンペーンで連載された作品集。前半はJR発行誌に掲載されていたということで”旅”感が強い。
    主人公が旅先でふらりと立ち寄った見知らぬ場所で遭遇した出来事を描く。
    後半のHanako連載分はより長野まゆみワールドで少年が主人公の連作で雰囲気が違う。

    全編通して長野さんらしく少年がよく出てくる。
    こんなに短いのに豊かな印象を与えられるのがすごいのである。

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    2014年01月26日
  • 改造版 少年アリス

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    夜の学校へ忍び込み、はぐれてしまったアリスと蜜蜂のお話。

    風景の描写が不思議で幻想的で、ふわふわしていて。
    小説というより、長い詩を読んでいるような作品でした。

    白くて冷たい砂に紛れた、きらきら光る何かを探しているみたい。
    アリスも蜜蜂も蜜蜂のお兄さんも、最後に登場する少年も、ささやかに輝いていて、素敵です。

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    2014年01月21日
  • となりの姉妹

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    都内某所で暮らす主人公の日常を、彼女が遭遇する少し不思議な出来事を絡めて描いた物語。
    タイトル通り隣の家に住む姉妹(妹はまあり出てこないけれど)と、主人公の兄家族が物語の中心人物である。

    ゆったりとした綺麗な文体だけれど、文章の情報量が多くて(でも随想っぽく、物語の動きは少ない)なかなか進みが遅く、途中流してしまった。

    兄の独特の生き方がすてきである。

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    2014年01月21日
  • 夏至南風

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    なんて言うか、グロくてちょっと官能的な内容でした。長野さんにはよく男性同士の描写がありなんとも言えない不快感がある。やっぱり初期作品が良いですね。

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    2014年01月19日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    左近の桜続編。ひとつ年をとり、受験生に。
    パターンは同じ。ちょっと飽きた。
    全体としての動きが欲しいところ。

    父親との関係に変化が見られ続きが気になる。

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    2014年01月19日
  • 咲くや、この花 左近の桜

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    前作よりも夢オチが増えたなって印象だった。あと直接的な表現が大分減った気がする。
    最後が思わせぶりな終わり方だったからすごく続きが読みたい。

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    2014年01月17日
  • コドモノクニ

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    1970年前後の東京で暮らす女の子の日々を描いた短篇集。
    チロリアンテープやアップリケ、刺繍など、ノスタルジックなアイテムがたくさん出てくる。
    雰囲気を楽しむ物語で、ストーリーとしては実に緩やかである。

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    2014年01月15日
  • 箪笥のなか

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    親戚の家から、古い紅い箪笥を譲り受けた私。
    その箪笥は突然引き出しが開かなくなったり、お酒を飲んだり、あるはずのないものが出てきたりする。
    風変わりな弟と共に、主人公が遭遇した箪笥にまつわる不思議な出来事を描いた短篇集。

    掴みどころがない、ふわふわとした物語である。
    弟のキャラクタが味わい深い。

    ホラーよりのファンタジーというイメージ。
    寝しなに少しずつ読んでいくのが合っていそう。

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    2014年01月06日