中村航のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サバティカル…長期休暇、長期充電期間
働かざる者食うべからず!
食うべからずじゃなくて、働かないと食べていけないんです。
長期休暇なんて無理なんです。
転職により不意に手に入れた5ヶ月の長期休暇。
それは非日常の始まり。
梶は、この5ヶ月の間にやりたいこと、やってみたいことをリストアップしてみることにした。
「ショーギできる?」
見知らぬ老人から声をかけられる。それもまた非日常。
日常では出会うはずもない出会いから生まれる新たな出会いが、梶が避けていたの人生の宿題に向き合うきっかけとなっていく。
ここから先は少しネタバレ含みます。
LGBT、性的多様性については理解が広まりつつあるけれども(現実はまだまた〝キモい〟とか言う人は多い。どうして自分は普通だと言い切れるのか…普通が正しいと言い切れるのか…自分がそうでないことを当たり前と思えるのか…自分の愛する我が子がそうだった時にも〝キモい〟と言うのだろうか…。あ、脱線しました。)多様性ということは対象者が存在すると言うことでもある。
この物語は、知ったような顔をしている私にアセシャルという新たな多様性を知らしめた。
最終的には梶の心にわだかまっていた問題が溶けていく物語で、そこに触れるまでが長い。
親子とのエピソードは悪くないけど、その問題とアセシャルとは別物でしっくりこなくて、中村航さんのゆったりとした優しい時間につい流されてしまうけど、正直、別にサバティカルでなくても良かった?と思ってしまった。
この感想がほら…頭とまったく繋がってない。
そんな感じ。
今年の25冊目 -
Posted by ブクログ
◆心に刺さったワード◆
⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
⚫強い心は強い肉体に宿る
◆読んでみたい本◆
⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
⚫世界の実相をつかみたい人 古井由吉 辻
⚫次から次に変人が出てくる 村上龍 ライン -
Posted by ブクログ
大切な人と出逢い、生きていくということは
同時に失う恐怖を覚悟するということ
そして自分がいなくなってしまった時、相手に悲しみを負わせることの責任を持つということ
初めは犬の悲しい物語なのかなと呑気に読み進めていたが
途中、当たり前に続くと思っていた二人の幸せに暗雲がかかり始める。
彼女が体調を崩してから亡くなるまでの描写は長く、一瞬だった。
もし私だったら・・・
主人公、そして彼女それぞれと重ね合わせてみる。
私は自分の心にポジティブとネガティブが存在していて
ネガなことが起きた時に、俯瞰的にそれを見たポジが考え方を教えてくれるのである、
「悲しいよね、でもポジティブに考えたらこうだよね」と
でもそれが人の死でも通用するのか
それは極めて自信がない
前例がないし想像もできない
大切な人の死なら特に、後を追いたくなって耐えられないかもしれない
私の生きる原動力みたいなものだから。
人の死をテーマにした題材をみるたびに
”悔いないように”
”1日1日を大切に生きよう”
そんな気になるんだけどね
死を意識して生きるのってすごくしんどいんだよね。
私は一人っ子なので
よく親が急にいなくなってしまった時のシュミレーションをするの
それに直面した時に、自分を保てるように
自分が潰れてしまわないように。想像するの
そして、辛くなる。
ただ一つ言えるのはね
私は周りの大切な人が原動力になっているけれど
大切に思うからこそ、自分を大切にしないといけないんだと
相手に先立たれたくないから自分が先に死にたい
なんてダウンタウンの松本も言っていたけどね
自分が死んだ後、残された人の気持ちまで考えるんだったら
長生きするに越したことはないのよ。
だから大切にしたい人がいるならまず自分を大切にしないとなあ -
Posted by ブクログ
半沢良。近所のガソリンスタンドでアルバイトをするために履歴書を書く。それと同時に、妄想を取り混ぜたリレキショを作成するのだが。半沢良が姉の弟として、姉の友達の山崎と馬鹿話をしながら深夜のアルバイトをしながら暮らしているある日、原付きのスクーターで給油に来たある少女から白い封筒を渡される。少女の名はウルシバラ。
そうか、中村航のもともとの(?)スタイルってこういうのだったなと。『トリガール』などのような青春ストーリーと言うより、なんだかふんわりした純文学の手触りを感じる作品である。
姉と山崎の間に入って、酒を飲みながらダラダラと過ごすものの、過去がない人生が続いていく。護身術を独学で学びつつ、山崎にもらった自転車「どこ2」を整備していく。それをカールツァイスで眺めるウルシバラ。
知らない少女から手紙を渡されるのが、本作で最も大きい事件かもしれない。いや、山崎と姉が出会うところか。それぞれの白紙の人生が交わったと来、白紙が色を持ち始める、そういった部分を楽しむための一冊である。