中村航のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ好きな作家さんなのでこの作品は単行本でも読んでいて、航さんの久しぶりの小説新刊というのと、こういう題材の小説を応援したい気持ちで今回文庫でも買っちゃいました。
正直、単行本で初めて読んだときは(アセクシャルの人が恋するようになる、という結末だけは絶対やだ、と思っていたのもあって)結末にいまいち納得がいかなかったのだけど、今回は素直にいい物語だったなと思えました。
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デビュー作『リレキショ』の冒頭で「大切なのは意志と勇気。それだけでね、大抵のことは何とかなるのよ」という台詞があって、「意志と勇気」というのは航さんの作品に度々登場するのだけど、アセクシャルを扱った今作では「意志と勇気ではどう -
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Posted by ブクログ
ふわりと淡く優しい印象な作品でした。
オーソドックスと言えばそんな感じも、しかしながら最初から最後まで雰囲気は崩さず、淡く甘酸っぱいお話に、おっちゃんは惹かれました。
淡い黄色、ないしは黄緑色な色彩を思わせる本作、またしておっちゃんのお気に入り候補にあがる著者様を見つけました。
涼しくなりつつある秋の夜長、センチメンタルにふけるには良い塩梅の作品でした。
ちなみに気に入ったワンシーンが一つ。修学旅行編の白原母娘が梅酒を酌み交わすシーン、ここが好きですね。娘が少しずつ大人になりつつある会話を交わすシーンには、ホッコリとしました。
「あのね、不思議ちゃんはやめてよね。どうせなら小悪魔ちゃ -
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Posted by ブクログ
あの時、こう選択すれば良かった!
良い意味で懐かしさを思い出す作品です。
学生のころに読むのか、大人になって読むのかで全く感じ方が違う非常に楽しめる物語でした。
自分は覚えていない行動も、他人からすると鮮明に覚えている、あるあると思いながら読みました。
学生のころは人との距離感、相手の感情がわからないものの、うまく踏み込めない、
大人になったらなったでいろんな制限が出てくる。。。
全ては自分次第であるのだが、多くの人は上手くいきれないんだなと考えさせられた。
昔好きだった人に連絡しようかとも思ったが、もう家庭もあるし、ノリで電話してその先何がしたいのかもないので、そう思わされたその点が☆マイナ -
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Posted by ブクログ
書店員・光には、絵本作家になりたいな、という漠とした夢があった。恋に関しては、だいたい相手から告白されて付き合うが、「やさしいんだけど……」といわれて最終的には終わってしまうパターンが続いていた。
そんな光には、「デビル・クロース」、略して「デビクロ」という謎キャラに変身して、「デビクロ通信」なるイラスト入りのメッセージを添えた手製ビラを、ポストなどに無差別に撒くという意外な一面が。
そんな光に思いを寄せる実家の鉄工所で働く溶接女子の杏奈の好意に気づくことなく、ある日、光は彼女に運命の人が現れた話を嬉々としてしまうのだが―。
絵本作家として上手くいかないやりきれない気持ちをデビクロ通信として