中村航のレビュー一覧

  • 注文の多い料理小説集

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    アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

    他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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    2024年08月20日
  • トリガール!

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    一所懸命な人はとても美しいなと思わせる作品であった。鳥人間コンテストに出場するチームは大所帯であり、一人一人の受け持つ箇所はとても小さなところかもしれない。しかし、一年間を捧げて、進み続けるからこそ生まれる感動があるのだろう。青春の美しさを実感するとともに、一つの物事に全力な人は素晴らしいなと感じた。

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    2024年08月14日
  • トリガール!

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    久しぶりに再読。
    臨場感が伝わってきて、読みながら心臓ドキドキ。

    青春のあの感じを思い出し、自分ももう一度走りたくなる。(元陸上部)

    目標に向かってみんなで頑張るあの頃がなつかしくなった。

    部活を頑張ってる人に読んでほしい〜!

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    2024年07月23日
  • 100回泣くこと

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    ネタバレ

    「命」とは何なのかを深く伝えてくるような作品でした。
    大切な人が亡くなってしまった。それでも生きなければならない。
    そんな時自分はどう生きていくのか?
    私はきっと生きたいとは思えない。
    もっと他に何か出来たのではないのか?
    後悔の雨が自分に降り注いでると思う。
    この主人公も初めはそうだった。
    けれど自分が愛した人への愛を守り抜きたい。
    we→you この言葉がすごく響いた作品でした。

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    2024年07月14日
  • 僕の好きな人が、よく眠れますように

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    ネタバレ

    不倫のはずなのになぜかドロドロした感じが全くない、純愛の物語を読んでいるようで不思議な気持ち
    でもタイトルに全共感している
    自分の好きな人がよく眠れていたら私は嬉しいなと思ったから
    忘れられない作品の1つである

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    2024年07月11日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。

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     面白い小説の書き方のエッセンスを凝縮した一冊。
     勿論、これ読んだだけで小説が本当に簡単に書けるわけではなく、本書内でもある通り、努力は必要。ただ努力すべき方向性は示してくれる。過去と未来とのプロットの交差、日常から非日常そして日常への回帰と成長、また転じると比喩の重要性など。小説を書きたい、という人の裾野を広げる内容になっている。
     
     何より小説は、読者に読んでもらうもの、どうやったらページをめくってもらえるかを意識することが大事。小説のみならず、他の文章の書き方としても役立つ。

     本書の内容を知っていると、小説のみならずテレビ、映画の「物語」も深く味わえるようになると思う。

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    2024年06月18日
  • 僕の好きな人が、よく眠れますように

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    ネタバレ

    全てが伏線!みたいな隙のない小説もいいけれど、あんまり重要じゃないような連想がぽんぽんでてくるこのスタイルも本当に他人の頭の中を覗いているみたいで面白かった。もっと派手な展開を期待していたけど、これはこれでリアリティと呆気なさを感じることができて概ね満足。ただ、帯に書いてあるような「心地よいドキドキ」ではなかったかなぁ。

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    2024年06月15日
  • 広告の会社、作りました

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    なんとも切ない始まりから
    あれよアレよと言う間に
    とんでもない事になって行って
    この先も面白そうですね

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    2024年05月15日
  • 僕の好きな人が、よく眠れますように

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    人妻研究員との許されぬ恋。
    でも描写はずっと明るいし、楽しい。
    だから余計に切ない、と思っていた。
    ラストがよく理解出来なかったのが残念。

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    2024年05月11日
  • 世界中の青空をあつめて

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    どんなお話になるのか
    彼は何故そーなったのか
    徐々にわかってくるけど
    本筋はオリンピックで
    いい話でした
    やっぱり上手いな〜〜

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    2024年03月30日
  • これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。

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    簡単に書けるかどうかはともかく、創作初心者が最初に手に取る手引書としてかなり良い。
    精神論に逃げず、具体的な構想の立て方や文章の書き方をロジカルに説明してくれている。これから小説書きたい人はたぶん買って損はない。

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    2024年03月27日
  • サバティカル

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    ネタバレ

    好きな作家さんなのでこの作品は単行本でも読んでいて、航さんの久しぶりの小説新刊というのと、こういう題材の小説を応援したい気持ちで今回文庫でも買っちゃいました。
    正直、単行本で初めて読んだときは(アセクシャルの人が恋するようになる、という結末だけは絶対やだ、と思っていたのもあって)結末にいまいち納得がいかなかったのだけど、今回は素直にいい物語だったなと思えました。



    デビュー作『リレキショ』の冒頭で「大切なのは意志と勇気。それだけでね、大抵のことは何とかなるのよ」という台詞があって、「意志と勇気」というのは航さんの作品に度々登場するのだけど、アセクシャルを扱った今作では「意志と勇気ではどう

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    2024年02月04日
  • 100回泣くこと

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    とても静かな気持ちになる小説でした。
    大切なのは、客観的な事実ではなくて、その瞬間瞬間を生きた本人同士の感じたものだと感じました。
    100回泣くこと。泣いた先に見えた主人公の決意や生きる覚悟に静かな勇気をもらいました。

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    2024年02月01日
  • 僕の好きな人が、よく眠れますように

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    この世はまぐれと気まぐれ

    ピュアな不倫のはなし
    障害物がある方が恋って盛り上がるのかな?広末涼子を思い浮かべながら読んでた。(?)
    そのカップルだけのノリとか合言葉みたいなのが散りばめられてた。理系の大学院生で研究とか大学の感じが詳しく書かれてで良かった。
    木戸さんは結局なんだったの?

    最後は年内のうちに白組も負けて終わっちゃった。これ、2008年の小説らしいけど紅白の勝ち負けとかがわからない世代が来てしまったらどうなるんだろうって思った。
    ふたりの今後はご想像に任せますだけど想像もできない。すごく読みやすかった〜

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    2024年01月24日
  • 僕の好きな人が、よく眠れますように

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    勢いのある若者の恋のお話。自分たちはなんでも出来るんじゃないかという全能感に溢れていて、双方どうしようもないくらいにお互いのことが好きで、、、共感はできないけど微笑ましくなる作品です。文体も読みやすかったのでおすすめです!

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    2023年11月24日
  • 僕は小説が書けない

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     文芸部って小説を愛するだけでなく、自分たちでも小説を書く部活だったのか。学生時代そんなクラブなかったので知らなかった。出生の秘密から自分に自信がなく無気力な主人公の成長物語。七瀬先輩があまりにも普通の女子高生すぎてさほど魅力を感じなかったが、原田と御大の正反対のOBや個性溢れる文芸部員が面白い。お父さんの言葉が染みる。色々あっても優しく愛に溢れた家庭に育ち、周りの人に恵まれたからこそ、コンプレックスを克服し成長できた光太郎。彼のその後も気になる。

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    2023年11月19日
  • トリガール!

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    鳥人間コンテストが舞台の青春小説

    練習はめちゃくちゃきつそう。
    だけどそれを乗り越えた飛ぶ瞬間は格別なんだろうな〜

    誰でも経験できることじゃないし
    これから鳥人間コンテスト見る上で参考になりそう。

    ただ物語の展開としてはド定番な感じ。

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    2023年11月18日
  • ご本、出しときますね?

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    読書芸人の若林が小説家と対談する番組の書籍化らしい。
    常々小説大好きな人の気持ちを知りたいと思っていたが、この対談で多くの気づきを得られた。
    自分自身は現実的なビジネス書や、心理学、脳生理学などの役に立つ本を好んでいたので、なにゆえ個人の脳内で創作されたフィクションが好まれるのか不思議であった。
    本書や小説家(書くほう)の視点の言葉が多いが、彼らは読書家でもあるので示唆に富む会話が飛び交っている。

    ・「弱者」って言葉を言い換えると「大多数」のこと
    ・登場人物が自分の身代わりになってくれるような気がした

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    2023年10月05日
  • あのとき始まったことのすべて

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    ふわりと淡く優しい印象な作品でした。

    オーソドックスと言えばそんな感じも、しかしながら最初から最後まで雰囲気は崩さず、淡く甘酸っぱいお話に、おっちゃんは惹かれました。

    淡い黄色、ないしは黄緑色な色彩を思わせる本作、またしておっちゃんのお気に入り候補にあがる著者様を見つけました。

    涼しくなりつつある秋の夜長、センチメンタルにふけるには良い塩梅の作品でした。

    ちなみに気に入ったワンシーンが一つ。修学旅行編の白原母娘が梅酒を酌み交わすシーン、ここが好きですね。娘が少しずつ大人になりつつある会話を交わすシーンには、ホッコリとしました。

    「あのね、不思議ちゃんはやめてよね。どうせなら小悪魔ちゃ

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    2023年09月27日