あらすじ
精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編!
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。彼女は、1年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。愛犬の回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はこのままどこまでも続くんだ、と思っていた――)
1969年岐阜県生まれ。
2002年、「リレキショ」で「文藝賞」を受賞しデビュー。
「夏休み」が芥川賞候補に。
「ぐるぐるまわるすべり台」で 「野間文芸新人賞」を受賞。
ほかに「絶対、最強の恋のうた」「あなたがここにいて欲しい」など。
感情タグBEST3
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主人公の気持ちに凄く共感出来た。
自分に同じ悲しみが訪れたらどうなるかを自然に考えた。
大切なものとの時間はどれくらい残されているんだろうか…。
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この題材をこんなにも淡々と書いてる作品を他に見たことがありません。
淡々と書くからこそ、この現実は何をどうしようと、どうしようもなく現実なんだとそんなことを突きつけられているような気がしました。
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こういうカップルが理想だなとおもう。何回見ても泣けるし人のことをこんなに大切にしたいなと思える本。結婚の誓いの言葉がこんなに素敵なものだったなんて。
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僕と彼女の世界観がすごく素敵だった。
どちらかが追いかける恋愛ではなく2人で同じ方向を見て生きているっていうのがすごく素敵。
彼女のように日常のありふれたことに幸せを感じたり面白さを感じたりそんな人になりたいと思った。
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優しい世界の残酷な終わり方が描かれた小説。
あっけないと感じる人もいるが、人間の人生らしくて私は好きだった。
ちなみに映画版とは全く違う。映画がしっくりこなかった人こそ原作を読んでいただきたい。
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解熱の舞をリクエストする彼女もそれを真面目に実行する藤井くんも、なんていじらしいのだろう。
辛い治療をがんばった彼女には、あたたかくてなんだかいい匂いがするような優しいところで静かに眠って欲しい。
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「命」とは何なのかを深く伝えてくるような作品でした。
大切な人が亡くなってしまった。それでも生きなければならない。
そんな時自分はどう生きていくのか?
私はきっと生きたいとは思えない。
もっと他に何か出来たのではないのか?
後悔の雨が自分に降り注いでると思う。
この主人公も初めはそうだった。
けれど自分が愛した人への愛を守り抜きたい。
we→you この言葉がすごく響いた作品でした。
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とても静かな気持ちになる小説でした。
大切なのは、客観的な事実ではなくて、その瞬間瞬間を生きた本人同士の感じたものだと感じました。
100回泣くこと。泣いた先に見えた主人公の決意や生きる覚悟に静かな勇気をもらいました。
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淡々と進む物語。飼い犬が亡くなりそうだということで会いに行かねばというところから物語は始まる。そこから彼女への想い、彼女とのこれからが描かれるわけだが、彼女には…。
人を失う悲しさは体験した人にしか分からない。
どうか主人公には幸せになってほしい。
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普段過ごしている生活が当たり前ではないのだと
感じました。いなくなってから、なくしてからでしか、それを感じることは少ないのかもしれない。
だから普段から自分の感じていることや感謝の気持ちを届け続けられる人でありたいと思いました。
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自分の好きな人について再確認できる本。
いつ死が訪れるかは誰にもわからないが、その死は時間が流れ続ける限り誰にでもやってくる。時間は止めることはできない、だからこそ今この時を悔いが残らないように生きるしかない。そんなふうな考えがでてきた。そして、愛している人との時間はどんなことよりも貴重であると感じた。
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タイトルから、最期がどうなるのかわかっていたのに、それでも涙が止まりませんでした。表現や世界観が素敵で、主人公の悲しみが読者にひしひしと伝わってきました。何回読んでも泣けると思います。最後の箱の意味が分かった時また泣けます。
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嫌だ嫌だ、病気にならないでって願いながら読んで、すごく切なかった。すごく愛と強さを感じたお話。
健やかなる時も…私もいつか愛する人ができたら一緒に読み上げたいって思った。
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どちらも社会人で両想いの若いカップルが経験する幸せと不幸を描いた青春恋愛小説。
主人公の青年は理系のロマンチスト。思考はロジカルであるが故に直情的で、とても好感が持てる。反復を多用する文体がその感情表現をさらに効果的にもしている。
ストーリー自体は名作『世界の中心で愛を叫ぶ』などを彷彿とさせる王道で言ってしまえば陳腐、バイクや飼い犬などのキーアイテムの絡め方も今一歩と感じてしまうが、主人公たちが魅力的でよかった。
Posted by ブクログ
愛犬との思い出、彼女との穏やかな日常
彼女の闘病に向き合い、訪れる別れの日
最初から最後まで男性の視点で描かれるのだけれど
表現がとても淡々としている
今の私にはちょっと感情移入が難しかった
Posted by ブクログ
中村さんの、淡々とした日常を大切にしている感じが好きでハマっていた時期があったなあと思い出した。
映画も見たが、細かい描写などが消えていて良さが半減し、よくある感動映画になってしまっている気がした。残念
Posted by ブクログ
大切な人と出逢い、生きていくということは
同時に失う恐怖を覚悟するということ
そして自分がいなくなってしまった時、相手に悲しみを負わせることの責任を持つということ
初めは犬の悲しい物語なのかなと呑気に読み進めていたが
途中、当たり前に続くと思っていた二人の幸せに暗雲がかかり始める。
彼女が体調を崩してから亡くなるまでの描写は長く、一瞬だった。
もし私だったら・・・
主人公、そして彼女それぞれと重ね合わせてみる。
私は自分の心にポジティブとネガティブが存在していて
ネガなことが起きた時に、俯瞰的にそれを見たポジが考え方を教えてくれるのである、
「悲しいよね、でもポジティブに考えたらこうだよね」と
でもそれが人の死でも通用するのか
それは極めて自信がない
前例がないし想像もできない
大切な人の死なら特に、後を追いたくなって耐えられないかもしれない
私の生きる原動力みたいなものだから。
人の死をテーマにした題材をみるたびに
”悔いないように”
”1日1日を大切に生きよう”
そんな気になるんだけどね
死を意識して生きるのってすごくしんどいんだよね。
私は一人っ子なので
よく親が急にいなくなってしまった時のシュミレーションをするの
それに直面した時に、自分を保てるように
自分が潰れてしまわないように。想像するの
そして、辛くなる。
ただ一つ言えるのはね
私は周りの大切な人が原動力になっているけれど
大切に思うからこそ、自分を大切にしないといけないんだと
相手に先立たれたくないから自分が先に死にたい
なんてダウンタウンの松本も言っていたけどね
自分が死んだ後、残された人の気持ちまで考えるんだったら
長生きするに越したことはないのよ。
だから大切にしたい人がいるならまず自分を大切にしないとなあ
Posted by ブクログ
生と死がテーマの作品。人と出会いもあれば別れもある。それはペットとても同じこと。生きるものは必ず死ぬ運命を伴う。ただ、それが自分より早いか遅いかだけ。ただそこが非常に大きな問題である。自分が早いと周囲に悲しみや喪失感を与えてしまうことになり、相手が早いと自分がそれを受けることになってしまう。
悲しんでくれる人がいる人生というのは、何事にも代えがたいものであると感じる。
今は永遠には続かないということを改めて実感させられる作品だと思う。
Posted by ブクログ
中村航作品初めて読みました。
初めてが、この作品で良かった…というのが読んで思います、非常に日常に近い構成と演出が読みやすいし判りやすい。内容は喪失していく主人公の物語。
Posted by ブクログ
「100回泣くこと」って、彼女が亡くなってから100日間毎晩酩酊しながら泣くって意味か、、、。悲しいな。
最後の196ページの、草原で少年の光景が浮かぶところで、愛する人がいなくなっても、彼女と共に過ごした時間の中で、自分の想像力は彼女の影響を受けていて、彼女との関係はweじゃなくて、その少年(想像物への問いかけ)を介したyouに代わっていくというところは、私自身の身の回りの大事な人が亡くなった時にもこういう想像をするのかな、と考えこんでしまいました。
全体としては、淡々としていて、文節ごとの接続という部分では、ストーリーには入り込みにくかったですが、内容がとてもリアルでこの作者さんのことは知りませんが、本当に経験したことなんじゃないかと思えるほどでした。
Posted by ブクログ
恋人が病気と闘っている間も、自分の生活はいつもと変わらず流れてしまう。その事への葛藤や不安、やるせなさ、わかるし、心を取り乱す場面には人間らしさも感じた。
【やるせない】を辞書で調べてしまった。「憂い、悲しみを紛らわそうとしても、晴らしどころが無くせつない」
信頼している人からの「大丈夫」という言葉は強い。
Posted by ブクログ
好きな人よりも先に死ぬか後に死ぬか・・・。
「愛する人の死」をテーマにした話を読むたびに妹のことを考えちゃう。
妹は全然元気だけど。我ながら妹離れできてない姉なので苦笑もし妹が死んだら、戸か考えたらすぐ泣けてくる。実際死んじゃったら絶対立ち直れない('_')
結婚って、いつか死によって分かれる時が来るって覚悟することなんだってすごい心に来た・・・。
結婚の時の誓いの言葉、よくよく考えたらすごい深い言葉だわ・・・。
’’健やかなるときも 病めるときも
喜びのときも 悲しみのときも
富めるときも 貧しいときも
これを愛し これを敬い
これを慰め これを助け
死が二人を別つまで
共に生きることを誓いますか’’
あと、私もこの作品の彼女みたいに依存しない自立した人でいたい。
Posted by ブクログ
なにかあったら2人で励ましあって、ばかやって、時には2人で未来を夢見てそんな何気ない日々が楽しくて…突然悲しみが訪れる…こういうカップルこそずっと一緒に別れはなく続いて欲しいのに…せつない…
Posted by ブクログ
時間の使い方が独特だと思いました。大事な事だ思った事が2行程度で終わったり、なんでもないような事が言葉を変えて数ページにわたっていたりと、、、。
文章は淡々としているので、読む人の想像に委ねているような感じがして、そこが面白かったです。
Posted by ブクログ
ありきたりだと思ったが解説は良かった。
解説は島本理生さんが書かれていたが
「誰かと共に生きるということは、いつか失う悲しみを背負うことであり、同時に、いつか失わせてしまう悲しみを背負うことだ」と。ここにすごく共感が持てずっとこの物語が胸に落ちた気がした。
Posted by ブクログ
愛する人と別れる事はとても悲しい。それが死であるなら尚更辛いもの。読んでてそんなふうに思った。一緒にいることに慣れてしまって鈍化した時間が、別れてどれだけ愛しい時間だったのかに気づく。物語では若くして離れ離れになってしまうのだから辛い。
Posted by ブクログ
何年か前に流行ったよね、と思いなんとなく読んでみた。設定的には片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』に似てると思った。そして中村航の会話は本当に村上春樹っぽい。これから体重を聞かれたら○○ストーンって答えるのも新しくていいかも!ちなみに1ストーンは6.35キロ。2011/481
彼女との思い出
今映画化されて話題になっている書籍ということで読んでみた。彼が彼女からもらった、彼女と共有した景色や価値観は今後も彼に影響を与えるだろう。