あらすじ
今夜、武道館で。切なく響く約束の物語。
80年代。小田原の高校で放送部に所属する虎太郎は、部長の大樹がFM雑誌の文通コーナーに気まぐれで募集をかけた高校生・今日子との文通の代筆を頼まれる。お互いの写真交換をしてテンションのあがる大樹に、書道二段の虎太郎は断れなかった。まわりで話せない好きなハードロックの話でしだいに盛り上がるふたり。やがて、虎太郎は今日子に好意を抱くようになっていた。
現代。都内の美大に通う美優は、卒論制作に気持ちを傾けることが難しくなっていた。まわりのレベルの高さと自分を比べてしまい、心の支えになっていたはずの恋人の彰も社会人になり、距離を感じる日々が続いていたのだ。そんな美優は、あるラジオ番組に耳を傾け続けていた。
映画『大きな玉ねぎの下で』ストーリー原案者が贈る、もうひとつの約束の物語。
(底本 2024年8月発売作品)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いいじゃん!!
好きな話でしたー
友達(大樹)に代筆を頼まれ、女の子へ手紙を書く
それがやがて、代筆ではなく
文章も自分で考え手紙を書く
そして、その子に恋してしまう
でも、その相手は友達の写真を見てるので
会いたいと思っても会えない
ここが80年代の話し
現代は、ラジオを通して
失恋を励まされる女子大生
励ましていた投稿仲間も実は失恋してた
二人は、偶然にも同じアパートに住んでた
そのラジオDJが代筆を頼んでた友達(大樹)
失恋を励まされてたのは、80年代の文通してた二人の娘
繋がったー
って分かる瞬間が好き
Posted by ブクログ
80sが刺さるね。
この選曲(&散りばめられる当時の小ネタ)に☆+1。
プレイリスト作ろう。
それを聴きながらもう一度読もう。
映画になるの?サントラ要チェックや。
Posted by ブクログ
「ペンフレンドの二人の恋は
つのるほどに悲しくなるのが宿命」
名曲をリスペクトされた作品。
『あの頃』がふんだんに描かれています。
映画も楽しみにしたいと思います。
Posted by ブクログ
爆風スランプの初期のころからレコードを聞いていたし、同名曲は、若いころ、カラオケでだいたい最初に歌う曲だったので、歌詞はよく知っている。だから展開も結末も知っている。その結末は苦しいなと思いながら読み始める。昭和と令和の時代を行き来しながら、話もシンクロしながら進んでいく展開は引き込まれる。各章のラスト近辺と冒頭の言葉でつながっていくスタイルはgood。虎太郎と今日子の武道館の顛末、そしてその後、そして彼らの現在の状態、丈流と美優の武道館の顛末など、感情がいろんな方向に引っ張られて、心地よい疲労感。会えて良かったね。地の文に同名曲の歌詞が埋め込まれているのが憎い演出。Whoさんの正体に関して夏目漱石『こころ』を連想した(ぜんぜん違うけど)。2025/2の映画はまた別のストーリーみたいだけどどんなだろうな。観てみたい。
Posted by ブクログ
ネタばれなので読む人は注意。
感動の物語。文通を通してお互いの仲を深めていくが虎太郎は友達から頼まれて文通をし、どんどん好きになっていく。一方の今日子も虎太郎の文章と洋楽好きの虎太郎の解説、きれいな字に惹かれてボンジョビのコンサートチケットを送って初対面を期待する。そこまでのやりとりの心情、虎太郎が代筆している友達の顔はかっこよく自分とは全然違うので代筆だと言えない葛藤。そしてコンサートの当日。行くには行くが会う勇気もなく逃げ出してしまう。その切ない感情や今日子の気持ちをすごくじれったくさせているのが現代の大学生の男女の出会い。ラジオ番組からお互いの存在を知り同じ昔の洋楽が好きでそしてそこにはただのリスナーだったのがDJの爆風スランプの歌を流しながら会いたい人に…と自分の過去を話、玉ねぎの下で会おうと締めくくる。そこに駆けつける二人はお互いリスナーと知り、しかも母親は今日子。そして女の方は虎太郎が渡せなかったカセットテープを代筆を頼まれた友人に渡しそれを娘がたまたま持っていた。切なさと今恋愛から遠のいている自分がここまでこの恋愛をきれいと思える感動を忘れたくなくて大雑把に内容を書きこむ。
また再読したい。
Posted by ブクログ
娘が読んで勧めてくれた一冊。
1974年生まれの私には大ハマリでした。
FMラジオを聞いてリクエスト葉書を出したり、エアチェックしたり、FM雑誌も買っていました。
東京に出てきてFM局が多いことに驚きました。
恋愛小説も久しぶりでほのぼのとさせていただきました。
娘と読後の感想を共有できたのも良かったです。
Apple MusicでFor you、For you2のプレイリストを作っちゃった。
Posted by ブクログ
まさにこの時代を同じ年頃で
そして同じような界隈で生きた私にはどこまでもどこまでもノスタルジックでその切なさが手に取るようにわかる描写でした。
現代のお若い方々の心にもきっと響くのではないかしら?
映画化されるとのこと
サントラ盤はあるのかなぁ?
発売されたら絶対買う!
Posted by ブクログ
大好きな曲ようなタイトルに惹かれて手に取ったら、やっぱりあの曲!!!
しかも時代を超えてつながっていく人間関係。ますますあの大きな玉ねぎの下での曲がささります。
Posted by ブクログ
1986年、高校で放送部の虎太郎は、友人から文通の代筆を頼まれます。相手は別の高校の今日子。友人が文通を辞める事にしたので、彼のふりをして交流を続ける事に。お互い洋楽好きで、いつか話したい、会いたいと想いが募ります。今日子は2人が大好きなボン・ジョヴィのチケットを送り、武道館で会おうと誘うのですが、、、。会いたいけど、会えない。揺れる気持ちが切ないです。
物語は、過去編と現代編、交互に進んでいきます。2024年の恋は、ラジオのリスナー同士の奇跡の物語。過去と現代の話を繋げる音楽の世界。読書後、爆風スランプの曲を聴くと、そのままの世界観でした。映画版はまだ観てませんが気になります。
Posted by ブクログ
爆風スランプの「ペンフレンドの二人の恋」のその後と現代のラジオリスナーの若者たちのラブストーリー、楽しめました。エモい
虎太郎と今日子の子供が美優、大樹はDJwhoというのはわかるけど丈流の母も今日子、、、??
そのへん、読み取れなくてモヤモヤ
Posted by ブクログ
そうゆう意味だったのか。ちゃんと歌詞を知らなかったけど映画化されると帯に出ていたので興味がわいて読んでみた。途中からはラストが予想できたけど赤いラジカセ、カセットテープのメーカーなどなど懐かしいワードに嬉しくなった。
Posted by ブクログ
タイトルのインパクトが大きい。表紙の装丁的にティーン向けなのかなと思いきや、中身は80年代のロックがたくさん出てきて、これが刺さるのはティーンではないのでは…とちょっと面白かった。友人の代わりに文通していたら、そんなつもりはなかったのに段々と相手に惹かれていって、でも相手を騙しているという罪悪感でなかなか本音が言えないという設定はベタだが切なくて好み。
Posted by ブクログ
過去パートと現代パート、加えてそれぞれの人物のパートを行き来しながら物語は進みます。年代がはっきりしているので、こんがらがることはないので安心。
これこそロマンティックなお話。文通やラジオというアナログな要素がまた良い。
そんなことが起こることはほぼほぼ無いけれども。
ここで繋がるんだと伏線回収もあり、楽しめた。
Posted by ブクログ
[こんな人におすすめ]
*Bon Joviを聴いたことがない人
この本のタイトルは爆風スランプの曲に由来すると思われます。Bon Joviではありません。また、Bon Joviがメインの小説ではありません。
しかし、この本に登場するBon Joviの曲は最高です(もちろん出てこない曲も素敵ですが)。本が読めなくてもBon Joviに救われる夜があります。一度も聴いたことがない人はこの本をきっかけに検索することをおすすめします(もちろんこの本も面白いです)。
[こんな人はいったんストップ]
*リトルトゥースの人
タイトルから深夜ラジオを連想して手に取った人へ。あなたが想像するストーリーではありませんが、ラジオが好きなら気が合うと思います。ただし、一つだけご注意ください。雰囲気は深夜ラジオより昼間から22時に流れるラジオに近いです。
Posted by ブクログ
80年代の高校生の青春、音楽が繋ぐ文通の思い出、そしてその子ども世代の2024年、ラジオのリスナー同士の奇跡と言ってもいい出会い。その奇跡とまで行かなくても勇気が親にあればと思ってしまいました。
Posted by ブクログ
80年代のハードロック好きの人には多分響く小説・・・
38年前と現代の各男女の視点で話が進む小説でした。
また、視点が変わる時の話を繋ぐ感じが好きです。
今と昔で意味が違ったりしますが、心地よく読めます。
80年代の情報や音楽については、乏しく時代背景を楽しんで読んだ感じです。
だって昭和の時代が知らないからです。・・・
ラジカセとか手紙のやり取りとか今では考えられないような話ですよね。
手紙の返事の時間ロスを楽しむのも一興だと感じます。
今は、すぐに返信ができるけど・・・1つのことに心が篭りにくいのかも知れませんね。
小説としては、心地よく読めたので良きでした。