福澤徹三のレビュー一覧
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福澤徹三『そのひと皿にめぐりあうとき』光文社文庫。
『侠飯』シリーズ、『作家ごはん』など面白いグルメ小説を書いている作家なので、タイトルからして同様の小説かと思ったのだが、全く違った。
戦中、戦後の過酷な状況を生き抜く少年と現代のコロナ禍で息が詰まるような状況を生き抜く少年の2人の少年の物語。
2人の少年の奇蹟のような邂逅……
2人の主人公の少年の人生は、なかなか交わらずに、まるで同時進行で2つの小説を読んでいるかのように錯覚する。しかし、ラスト10ページで世界が変わる。
解説は北上次郎。本作の紹介だけに留まらず、福澤徹三の小説の魅力について鋭い視点で解説している。
1946年、父 -
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め…ちゃくちゃ面白かった。
数年前から気になってたタイトルやけど(ドラマ化もしたっけ?)もっと早く読んでおけばよかった…! ていう具合には面白かった。(意味が分からん)
いやいや、読書は縁のものやから、今、読んだからここまで刺さるんやろうな。それもわかってる。
さてシリーズ二作目が、まさかこういう形で続くとは!
てっきりあの大学生ちゃんたちのその後、みたいな流れと思ってたので、いい意味で裏切られた。
著者の文章は読みやすいなあ。
そのうえ文春文庫は文字が大きいので、初老が通勤電車の暗い車内でも読めるのが助かる。笑
そして今回のテーマがリストラというか、仕事と人生を見直す、みたいな話 -
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ネタバレ「物件」に関する怪談小説のアンソロジー。おすすめ作品
神永学『妹の部屋』死んだはずの妹の部屋がいつしか復元されている。おかしいのは自分か、家族か。ミステリ要素のあるホラー。
澤村伊智『笛を吹く家』一番おすすめの作品。ラストにどんでん返しがあるホラーミステリー。
郷内心瞳『トガハラミ』人間に取り憑いて人を喰らう物の怪、トガハラミの話。ラストシーンの伏線回収が美しい。語り手は美佐子に憑いたトガハラミで、「姉」はトガハラミが見せていた幻覚ではないか。
芦花公園『終の棲家』最後の一文にゾッとする。怪異は話を聞いた者に取り憑き、伝染する。
平山夢明『ろろるいの家』実話怪談風の作品。短編集の中で一番怖かっ -
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お腹が空く
原作小説を読んで面白かったので漫画も読んでみました。火野さんのビジュアルイメージがちょっと違いましたが笑美味しそうな描写はそのままでよかったです。
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福澤徹三『侠飯8 やみつき人情屋台篇』文春文庫。
シリーズ第8弾。本当に面白かった。痛快無比、勧善懲悪のドラマ。最後にほろりとさせられる。今回も柳刃の様々な料理が披露され、レシピの蘊蓄が語られる。その裏で繰り広げられる悪事。侠たるもの、こうあるべきと若者に強いメッセージを残し、風の如く姿を消す柳刃と火野……
新卒で入社した全国でホテルチェーンを運営する大手企業がコロナ禍で休業となり、希望退職を選択をし、やむなく底辺ユーチューバーに甘んじる葉室浩司が今回の準主役。
主役は勿論、柳刃と火野だ。柳刃と火野のコンビは、美食フェスの会場出口でたい焼き屋台を営むテキヤの酒巻庄之助の隣に屋台を構え、お -
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臨場感
一般に読まれている実話怪談本は、体験談を書くものが主流だが、本書は取材そのものを記述している点に特徴がある。空振りに終わることもあるものの、霊体験より取材の方が怖いこともあり、なかなか目を離せない。