福澤徹三のレビュー一覧

  • 侠飯5 嵐のペンション篇

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    シリーズ5作目。嬉しい、読みやすい!
    柳刃さんと火野さんの正体は分かっているので、2巻目以降は謎がひとつ減るが、今回は一番、一作目の雰囲気に近い気がする。

    今回は奥多摩にある、流行らないペンションが舞台。
    大学を出たが正社員の口が無く、アルバイトを転々としてきた湯原和斗(ゆはらかずと)は、三日前から「ペンション・サライ」で住み込みのバイト。
    24歳、自分探しの途中である。

    同じ屋根の下に柳刃さんたちがいるのが嬉しい。(一作置き?)
    料理のアドバイスをしてくれて、ときどき叱ってくれるのもいい(Mか!)
    「食べ物を無駄にするな」と何度か言う柳刃さんには「命を大切にしろ、自分を大切にしろ」と言われている気がする。

    捜査している事件はバレバレだが、犯人を想像しながら読む楽しさもある。
    テンポ良く読めるがすかすか感を感じない。
    エピローグに前作のキャラをチョイ出しは定番になったのか、それとも予告編?

    柳刃さんの生姜焼きレシピを長い間使っていたが、今回新しいレシピが公開されたので、作ってみようと思います。

    また会えますか?

    プロローグ―――――ひまなペンションと迷宮入り事件
    ①焼きかげんひとつでプロの味。塩だけで食す絶品ステーキ
    ②目玉焼きもトーストもひと手間で激旨。朝食のセオリー
    ③猛暑と汗と筋肉痛が調味料。人生でいちばん旨いおにぎり
    ④簡単調理で驚きの美味しさ。真夏の夜の鶏づくし
    ⑤舌がとろける極上美味。スクランブルエッグと牛すじカレー
    ⑥スーパーの鰻が専門店の味に。冷酒が旨い、ふっくら蒲焼き
    ⑦角煮とエビで生ビールがぐいぐい進む、夏のスタミナレシピ
    ⑧豊潤な味わいが心を癒す。嵐の夜に食す大自然の恵み
    エピローグ―――――みんなの笑顔が自分の喜び。料理の道は任侠に通ず

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    2018年08月20日
  • 侠飯3 怒濤の賄い篇

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    イヤー、こんなシリーズがあることに気づいてよかったぁ。フレンチが好きな私ですが、こんな絶妙な一手間をかけた自炊飯は、私のもうひとつの好きなジャンルだということに気づきました。素材の美味しさをしっかり引き出す感じがフレンチとおんなじだと思います。最後の〆の話で、料理の〆同様、きれいにしまりました!
    ヤナギバさんと火野さんが話に初めて登場するときは、私のなかでキター‼って叫んでます。

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    2018年03月07日
  • Iターン

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    ぱっとしないサラリーマンの日常と40代の複雑な感情を表現。また彼が巻き込まれる非日常がなぜか日常と通ずるところがある。最後は本当にほっとしました。

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    2017年09月22日
  • 亡者の家 新装版

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    福澤徹三『亡者の家 新装版』光文社文庫。

    ウィリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を彷彿とさせるような一気読みのホラーサスペンスだった。

    消費者金融で働く新米社員の諸星雄太が延滞者の男の家に取り立てに行くと、男は行方をくらまし、妻と娘だけが残されていた。何度か取り立てに通ううちに人妻の奇妙な色気に魅了される諸星の周囲で次々と変死事件が起こり…

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    2017年08月14日
  • 壊れるもの

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    私は行動を起こすのは、非常に苦手です。
    コンビニに行くぐらいなら、割とスムーズにできますが、
    仕事上のことになると、躊躇してしまいます。

     先入観といいましょうか?ついつい先のことを考えてしまって、
    今、やるべきことをせずに、引き伸ばしてしまうことは、多々あります。

     この本を読むと、先入観=フレーム=自分で勝手に作り出したモノと定義しています。
    つまり、行動したいなら、そのフレームを取り除くことだ!と言っています。

     至極、当たり前の事を言っています。自分も、それが出来たら、行動出来るなと思います。
    読んでみて、損はないですが、この本は、いろいろとマーケティングの趣向が、結構散りばめられていて、
    少し、胡散臭いものでもあります。

     自己啓発は、胡散臭さとは、切っても切り離せませんが、興味があれば、是非。

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    2017年06月06日
  • 怖の日常

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    恩田陸さんが帯書いていたし、福澤徹三さんの名前がこないだどこかで聞いたのでTwitterで見て気になって買った。面白かったです、どれも。恩田陸さんが好きそうなの分かるなーって。個人的に怖かったのは『赤い紙』かな。これがいちばん怖かったかも。こういう本は読まないと分からないので内容は差し控えますが、夏だし怪談物ってひとにはお薦めします。けっこう考えさせられたりしました。

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    2016年07月31日
  • 死に金

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    作中人物各々が、各々の事情で現在の人生を歩んでいる訳で、それが活写されている作品が面白いというのも在るのだが…私は何か「余命幾許も無い状況下、纏まった金…金は“死後の世界”に持ち去ることが出来るでもない…そういう訳で、多少の縁が在る人達が何やら現れ…」という物語の状況に、「哲学めいたモノ」を感じずには居られなかった…それが「新刊文庫の紹介」で本作に惹かれた理由でもある…

    「勝ち取った」というよりも「なってしまった」という人生の哀切と、そういう中で蠢く作中人物達の思惑が、「余命幾許も無い男の財産」を巡って交錯する様…何か“余韻”が深い…

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    2016年06月03日
  • 真夜中の金魚

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    最後の最後まで面白い青春ピカレスク小説。主人公の『おれ』が、ほどほど強く、ほどほど意気地無しという、ほどほどのリアル感が良い。

    舞台は北九州市。主人公の『おれ』は昼間はパチンコの打ち子、夜はバーテンダーとなかなかアウトローな生活を送っている。ある時、主人公の『おれ』は社長にヤクザの堂丸からのツケの回収を命ぜられる。それをキッカケに次々と『おれ』を襲う災い…

    つい先日、この作家の『灰色の犬』を読んだが、こちらも面白いアウトロー小説だった。本作も、それに負けず劣らずの面白さであり、こうなると評判の高い『すじぼり』も読んでみたくなる。

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    2015年12月01日
  • 灰色の犬

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    なかなか面白いアウトロー小説。

    この小説の面白さは一点。情報漏洩の濡れ衣で左遷された刑事の片桐誠一、多重債務の泥沼にハマっていく誠一の息子の遼平、うだつの上がらない暴力団幹部の刀根剛…この3人が繰り広げる人生模様が次第に交わるとともに目が離せないドラマへと大きく展開していくのだ。

    3人の人生模様だけでも、三作の小説に成り得るのだが、これが一作に凝縮されているだけに十二分に楽しめる。

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    2015年11月26日
  • Iターン

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    ネタバレ

    ヤクザとサラリーマンを行ったり来たり。
    ありえない展開の話だけどスピード感があってあっという間に読み終わる。

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    2014年06月21日
  • 東京難民(上)

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    映画を見て、原作を読んでみました。
    格差社会の底辺をサーキットする感じ。
    どこかマニュアル本的ニュアンスも。
    下巻へ続く。

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    2014年02月28日
  • 東京難民(下)

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    最初は主人公が嫌いでたまらなかったが、後半はあっと言う間に読み切ってしまった。

    自分も、春から東京の私立大学に通う身として、何処か小説と割り切って読むことはできなかった。

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    2014年01月10日
  • 忌談

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    少し古いけど、夏の夜にはぴったりの怪談集。

    空白の54時間の話。(その間に、子供をはらまされたりAV出演の
    疑いなど、これは怖いぞ)
    裏ビデオの中に紛れていたスナッフ映像の話。
    黒い人影、そして謎の中年男の「み、た、や、ろ」。

    ベストはラストに入っている「禁区」
    凶悪な不良たちが、得体のしれない住民(ナニカ)に
    嬲り殺される恐ろしさ。
    場面が海岸だったから、映画「ザ・フォッグ」を想像してしまいました。

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    2013年11月26日
  • 自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術

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    就活に関するもの、格差に関するものは諸々出てるけど、
    こうした「落ちこぼれ」に焦点を当てたキャリアの話って面白い。

    切り口が斬新なのはもちろんだけど、
    論の展開も的確だし、分かりやすいかと。
    このご時世に就活すると、ついついドツボにハマりそうだけど、
    こうした知識があれば、きっと突破口を切り開けるはず。

    自分が就活に突入する前に出逢っておきたかったなぁと感じた。
    これから就活・転職活動する方は、是非一読を。
    そして自称・勝ち組の方々にも読んでもらいたい一冊。

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    2013年04月20日
  • Iターン

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    ありえねえ。

    むちゃくちゃである。
    出てくるキャラが厭な奴ばっかりだ。
    そして後半急にハードボイルド。

    禁酒禁煙していた私には悪影響だらけだ。

    でも何だろう、今年イチかもしれん。
    なんで涙が止まらないんだ。。


    ……って感じでしたよっほーい^^

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    2013年03月08日
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    旧タイトル「幻日」のほうがよかったように思うが、中身のほうは大変に優れた怪談小説集である。
    もっと多くの人に読んで欲しい一冊。

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    2012年07月04日
  • すじぼり

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    大麻を盗んで逃げ込んだバーで、亮はヤクザに助けられる。翌日礼をしに行ったことから付き合いがはじまり、事務所に出入りすることになる。
    個性的なヤクザたちと付き合う内に、無気力な学生だった自分が少しずつ変わっていく。
    しかし彼らに出会うきっかけとなった事件のために、亮はヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう。

    これはもう文句なしで面白い。思わず一気読みしてしまった。俺の睡眠時間返してください(笑)

    まずキャラクターが立ってる(これは設定勝ちな部分もあるけど)。そしてアクションシーンも上手い。ストーリーの進行、伏線や書き込みの量もほぼ完璧。なによりストーリーそのものが面白い。

    敢えていうとすれば、悪役はもっとイヤなヤツでもよかったかもってぐらい。

    そのうち映画になるんじゃないかなぁ。

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    2012年05月13日
  • 自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術

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    ネタバレ

    大学を卒業して数年、仕事に対しての「幻想」がようやく薄らいできた。
    この本はそんな状況にいる自分の考え方に自信を持たせてくれた。

    タイトルの「落ちこぼれ」というのが卑屈に見えるかもしれないが、書かれている内容は現実的で至極まっとう。説教くさくもないし、新卒のころに読んでもよかったかもしれない。☆5つなのは個人的なタイミングが合ったから。


    レビューというより、ほとんど印象に残った点を引用するだけになってしまうが、記しておく。

    まず、現代社会において就職というのがどういう意味合いを持つかについて説明している。このあたりは色々な本で言われていることなので省略。

    p31「だいたい職業を自分で選ばなければならなくなったのは、ごく最近のことです」
    p32「いわば『手本のない時代』に突入しているのですから、『がんばればなんとかなる』というのは過去の残骸です」

    ではどうすればいいのか。

    p37「仕事のイロハもわからないうちから、無性に『やる気』があるのは頼もしいものの、空元気に終わる可能性だってあります。下手に意気ごんだぶん、失敗したときのショックは大きいでしょう。(中略)大切なのは『やる気に執着することではなく、とりあえず行動することです』」

    と、「やる気なんかなくてもいい」とバッサリ。適職信仰についても「時間のむだ」と切り捨てている。個性教育に関しても
    「教育というのは、善かれ悪しかれひとつの方向に生徒を導くべきで、一本の線をひくから子どもの個性が見えてくるのだと思います。」と、至極まっとうな意見が述べられている。

    下手にやりたいことがなかったために順調に仕事をこなしていった教え子の話はうなづける。私は「やりたいこと」を目指して仕事をしてはギャップに苦しみ、会社を辞めていってしまったので。一番長く続いた会社も「やりたいこと」がなかったためだ。

    でもじゃあ働く目的ってなによ、という話になると
    「最終的に仕事が目的になればいいが、まずは仕事を手段としてとらえる」となる。
    「こんな人と知り合いたい」「こんな部屋に住んでこんな服を着たい」などでいいらしい。

    難しく考えすぎていたなぁ…。

    では手段としての職業をどう選ぶか。

    これは学びたいことを学ぶために企業を活用する、くらいでいいようだ。どんな職業であれ、目的ではなく手段なので、考え方が楽になる。
    実際に仕事をすると仕事のプロセスではなく、最短距離が求められることも忘れてはいけない。現実は厳しい。

    第二章の「だめな企業ほど求人する」はほんとに目から鱗。具体的な会社の選び方なので、このあたりが気になる人は手にとって読んでほしい。

    とりあえず、本当に人が欲しいところは求人広告を大々的に出さないし、衰退する専門職に手を出さないことも納得。自分を雇うメリットもしっかりアピールする。

    三章は職場に入ったときのことだが、職場は演ずる場所、という割り切りが必要。そして、あまりにも理不尽な場合、怒るときは怒って、然る後謝るということも経験上納得できた。

    最後に、p129「あのときやればよかった、の『あのとき』は今なのだ」(これは作者もどこからか引用してきたようだが)という言葉に「やる気」がふるい起された。

    就職本としてだけでなく、仕事に疲れたら読み返したい。

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    2012年01月16日
  • すじぼり

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    男の子に生まれ変わったら、命をかけて今を必死に生きる人生もかっこいいなと思いました。ほんとに多くの葛藤がリアルに描かれてたから、ドキドキしながら読みました。

    実写化したら面白そうだなーなんて思ったりもしました。

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    2011年03月30日
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    はじめの数話を読んでいるとき独特の世界に、ん?と思いましたが、どこか饐えたような雰囲気に読めば読むほど魅了されました。読み終えたあとは思わず重い溜息がでるような暗澹とした、それでいてどこか幻想的なお話の詰まった短編集です。

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    2009年10月04日