あらすじ
ツケを払わん奴は盗人や。ばんばん追い込みかけんかい! 社長が吠えたその日からバーの名ばかりチーフのおれの災難は始まった。問題の客は明らかにその筋の匂いがし、お目当てのホステスはおれが密かに同棲している女ときた。そこへ現れた昔なじみが取り返しのつかない出来事に結びつくなんて、あの時は思いもしなかった――。北九州のネオン街を疾走する男たちの生き様を描く異色の青春小説!
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Posted by ブクログ
最後の最後まで面白い青春ピカレスク小説。主人公の『おれ』が、ほどほど強く、ほどほど意気地無しという、ほどほどのリアル感が良い。
舞台は北九州市。主人公の『おれ』は昼間はパチンコの打ち子、夜はバーテンダーとなかなかアウトローな生活を送っている。ある時、主人公の『おれ』は社長にヤクザの堂丸からのツケの回収を命ぜられる。それをキッカケに次々と『おれ』を襲う災い…
つい先日、この作家の『灰色の犬』を読んだが、こちらも面白いアウトロー小説だった。本作も、それに負けず劣らずの面白さであり、こうなると評判の高い『すじぼり』も読んでみたくなる。
Posted by ブクログ
『すじぼり』の鬼才が描く男たちの青春!
ツケを払わん奴は盗人や。ばんばん追い込みかけんかい! 社長が吠えたその日から、バーの名ばかりチーフのおれの災難は始まった。北九州のネオン街に生きる男達の疾走する生き様を描く異色の青春物語!
Posted by ブクログ
チンピラ小説であり、青春小説。福澤さんの描く物語は、なんとも瑞々しい。
どうしようもない主人公のおれ(なぜか最後まで名前が出てこない)は、どうしようもないながらも、やるときはやる一面も持っていて、ついつい応援したくなってしまう。
また、登場人物はみなキャラが立っていて、文章も読みやすく、内容も面白い。読み手を飽きさせることなく、笑いながら、ハラハラドキドキさせながら、時にはホロリとさせながらラストまで連れて行ってくれる。
『すじぼり』と似たテイストなので、この物語が好きな人は、ぜひそちらも読んでみては。
Posted by ブクログ
朝は早起きしてパチンコの打ち子のバイト。夜は安いクラブのバーテン。家は女の部屋に居候。
絵に描いたようなチンピラ暮らしのおれに、パチンコ屋の店長の失踪を皮切りに次々とトラブルが押し寄せる。
奥付をみると執筆は2003年。この著者の゙すじぼり゙は2006年だから、すじぼりの前身のような位置付けか。
すじぼりでもそうだったけど、展開が上手く映画のように読める一冊。
またこの作品もキャラクターの立ちっぷりがすごい。書こうと思えば登場人物全員分のスピンオフがすぐ書けそう。
そしてそれを書かないところが偉い。まぁ初出の時点でそれほど売れなかったって事情もあるんだろうけどさ。
好きな作家なので若干甘め評価だけど、ちゃんと面白いのでぜひどうぞ。
ちなみに作品の舞台になってる北九州を知ってる人はより楽しめるかもです。
Posted by ブクログ
製鉄と炭坑と博打で栄えた街(本文まま)北九州を舞台に、人間本来の欲望がこれでもかっ!と描写されてるが、読んで苦痛を感じる事は(暴力場面は別にして)あまりなく、主人公のオレが這いずり廻り、また、のるかそるかの行動に爽快感さえ感じてしまった。あっという間に読み終え面白かった。幽霊の噂話が出てくるがもともと作者がホラー系の作品を書いている関係だったようで、そこはご愛嬌ですね。