福澤徹三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ人間は思っているよりずっと頻繁に怪異に出会っている。あなたがその恐ろしい体験をしなかったのはただの偶然で、怪異はいつでもあなたが来るのを待っている。もしかしたら、気づいていないだけで、もう怪異に取り込まれているかもしれない。
こちらは、前日のホラー小説と違い62話からなる、怪談実話集。非常に恐ろしいものから、不気味なもの、不思議なものまで話は多岐に渡り読んでいて飽きなかった。中でもおすすめは「古本」「非常に悪い出品者」「応接室」「戻ってきた携帯」「見知らぬ駅」「地下倉庫」「赤い紙」「古本」は体験者が古本屋で購入してきた本に前の持ち主の痕跡(髪の毛の混入など)が残っておりそれだけで気分が -
購入済み
初めて読む作家さん。幻冬舎のフェアをやっていたのでたまたま見つけて購入。
中にはあまりぱっとしない作品もあったが、全体的にはなかなか面白かった。
とくに「幻日」は秀逸。さすがにデビュー作だけのことはある。阿刀田高の作品
や「笑うせーるすまん」にも似たような話があって、読んでいるうちに次の
展開が見えてくるが、それでもストーリーに引き込まれてしまう。「骨」も
よかった。こんな話は実際にありそうで怖い。福澤さんはいろいろな職業を
転々としてきた人らしいが、そうした過去の苦労や体験が物語に色を添え、
引き立たせているような気がする。 -
Posted by ブクログ
就活生、ブラック企業のサラリーマン、ヤクザ見習い、ときて今回の水先案内人は国会議員秘書。毎回毎回、料理というメインテーマはブレずに持ちながらジャンルの違う小説世界に溶け込ませるのはすごいなぁと感心。今回も政治小説としての体裁がしっかりできているように感じた。
ただ個人的にはドラマの盛り上がりは前作の方が良かったかな。今回は柳刃さん達が裏方に徹しすぎて、後半まであまり活躍がなかった気がした。
ただ毎度お馴染みプロローグの、前作の登場人物のゲスト出演は今回の方が良かった。なんだかほっこりした。
そして料理。今回のは特に作ってみたくなったな。簡単そうだったし。 -
購入済み
特殊シチュ グルメのはしり?
かなあと思っています。
どうみてもヤクザの男を部屋にかくまってしまい、
たびたび食事をふるまわれることになる。
「かくまっている」ために、ありあわせの材料で作ることになるのですが、これが工夫が効いていて面白い。 -
Posted by ブクログ
侠飯、6作目。
毎度おなじみの展開ながら、今回は悪徳引きこもり支援施設の施設長が胸糞すぎて、はやくはやく柳刃さん助けに来てよーー!と思いながら読んでいた。ので、ラストの爽快感はシリーズいちでした。火野さんがシリーズ追うごとにただの気のいい兄ちゃんになって行ってるような気がする。
炎のチョイ足し篇ってことで、コンビニ飯をチョイ足しで美味しくしたり、これならできそうと思えるようなレシピが紹介されていて、毎度のことながらお腹が減ってきます。手作りの焼き肉のたれは今度やってみたい。
お手軽に読めて、美味しい料理と人情話に心が満たされるお気に入りのシリーズです。(それにしても最近の文庫がそうなのか、この -
Posted by ブクログ
ネタバレポリスメンいいよね。毎回、ドキドキハラハラさせてくれます。毎回、ささっと料理していくのが笑える…!ポリスメン流冷やしレモン蕎麦おいしそうです!
今回も柳刃の心に刺さる名言が。
料理は再現できるが人生は後戻りできない…ほんとにそう。
流行り廃りを気にせずいつの時代も変わらないものを身につけろって、893とは思えない深いアドバイスです。
心の安定を得たいなら自分が成長すること…だそうです。自分が変わるしかない、自分の限界を決めてしまうのはいつも自分だから。
自分を振り返って、柳刃の言うとおりだと思いました。
諦めずに意志を持って前向きに生きることはとても大切ですね。
良太がアイドルイベントスタッ -
Posted by ブクログ
ネタバレ就職戦線真っ只中にいるのに、相変わらず危機感ゼロなダメダメ良太~!
なんか簡単で美味しいレシピ…とSNSで探してたところ、ふと侠飯思い出して。
塩豚丼とかお昼にピッタリ。
柳刃レシピはシンプルでスタミナたっぷりで、インスタ映えはないけど実用的ですよね。
そして、柳刃語録はどれも心に刺さるものばかりです。
11時間かけて良太が書き上げたエントリーシートに対して、かかった時間ではなく密度が大事であり、短時間でも集中すれば充実するし何時間かけてもぼんやりすれば手抜きになると手厳しいお言葉。
インスタ映えについても、いいね!は社交辞令、誰もお前の私生活なんかに興味は無いし内輪で褒め合っても何の進歩もな -
Posted by ブクログ
第6作から読んでますという人はいないですよね? 皆さん、一見ヤクザコンビの正体をご存じですよね?
もうとにかく柳刃さんの料理さえあれば、どこが舞台であろうがかまいません状態になっている私です(笑)。化学調味料アレルギーの家族を持つ身としては、ジャンクフードに走りすぎないでいてくれるとありがたい。柳刃さんの場合、ジャンクフードを使いつつもそれに頼りすぎない料理だから嬉しい。
舞台はどこでもいいと言ったものの、自立支援とは名ばかりのぼったくり施設に腹が立ち、最後は柳刃と火野が颯爽と現れるシーンを心待ちにしていました。
レシピ本の出版、まだですか。 -
Posted by ブクログ
気になる作家さんが居るとき、なるべく第1作目を読むようにしている。可能ならば、書かれた順に読みたい派だ。
そんなわけで、最近気になっている郷内心瞳さんのデビュー作が収録されているこちらを手に取る。
そうか。デビュー前から拝み屋としてのスタンスを出しつつ怪談書いてたのか。と驚いた。それから最初から構成力とか文体がずば抜けている。
どうして書き始めたんだろう。供養という意味合いもあるだろうけれど、これでもかというくらい構成を練ったり、余計なものをそぎ落とすような文体は、書いてみた、だけでは収まらない気がする。それはいつか語られるのだろうか。
それから、文末のコンテスト講評を見ると、表 -
Posted by ブクログ
生き方にチョットしくじってしまい、所謂底辺的な環境下でもがく若い男性。そんな主人公の目の前に現れる見た目はヤクザな料理人。その料理人が作り出す数々の絶品メニューに、望みを失いかけていた主人公が活路を見出す。そして大団円な結末。
設定も展開も登場人物も結末も、読者はバッチリ分かりきっているのに楽しめる。そんなシリーズも早6作目。
今回の主人公は、引きこもりニートでゲーム三昧な27歳が、自立支援施設に入れられるという設定。そして料理人、柳刃に課せられたのは、素材のベースがコンビニで売っている惣菜からのアレンジ。
このシリーズは、ストーリーよりも、柳刃が生み出す涎モンの料理だ。正に腹が減っては戦はで -
購入済み
ありそうでなかった?
任侠ものとグルメの奇跡の融合です。
任侠ものは血生臭すぎると苦手。
グルメはストーリー展開が派手なものが少ないので飽きてしまう。
そんな自分にとっては程よい調和具合であっという間に読んでしまいました。
コメディ調なのにやくざの恐さはしっかり残っていて
美味しいものを一生懸命作る姿とのギャップが面白いです。
レシピも難しすぎず、初心者でも真似できそうなお手軽かつ美味しいものという印象です。
自粛期間中の今、出会えてよかったです。