【感想・ネタバレ】作家ごはんのレビュー

あらすじ

ドラマ化でも人気の『侠飯(おとこめし)』著者が、自信のお取り寄せ食材と作家経験のうんちくを全開に綴る、エンタテイメント・グルメ小説。入社ほやほやの文芸編集者・和真が担当するのは「書かずのチクリン」の異名をとる竹林賢一郎。高尾山の麓に瓦葺の一軒家に住み隠居同然の竹林は、もう何年も新作を出していない。のらりくらりの竹林は山之内が訪ねるたび、おとりよせグルメを食卓に。そして、のたまうは物故作家たちの伝説的エピソード。ご飯が美味しいのはいいけれど、いったい山之内は竹林から原稿をもぎ取ることができるのか?

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Posted by ブクログ

福澤徹三『作家ごはん』講談社文庫。

『侠飯』とはまた趣の異なるユーモラスでほのぼのした感じのグルメ短編連作集。美味しい短編10話を収録。

ここ数年小説を書かない作家とデビュー前の新人作家、二人に翻弄される新人文芸編集者が繰り広げるユーモラスな連作グルメ短編小説。料理の蘊蓄だけでなく、古今東西の小説家の作品や生き様に関する蘊蓄なども描かれ、なかなか面白い。

続編がありそう。

『書かずのチクリン』の異名をとる竹林賢一郎は30年間の作家生活の中で僅か20作ほどしか書いていない寡作の作家だ。そんな竹林を担当することになったのは入社して間もない文芸編集者の山野内和真。山野内は、もう何年も新作を書いていない竹林から新作小説の原稿をもぎ取ることが出来るのか。

いざ、竹林の自宅を訪ね、原稿を依頼するも、お取り寄せの雲仙ハムに絶品こだわりの冷奴と枝豆でもてなされ、煙にまかれる山野内。さらには新人文学賞の佳作に選ばれたが、それ以降は良い作品が書けないでいる巣籠ひなというデビュー前の作家の面倒まで見ることになった山野内は……

定価704円
★★★★★

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2021年11月26日

Posted by ブクログ

読みやすい!!
するする頭に入ってくる文体だからすっごく読みやすい。
竹林さんみたいなおじいちゃんがいたらよかったのに。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

てっきりエッセイだと思ってスルーしていたら(エッセイが嫌いなわけじゃないんですが)、めっちゃ小説でした。“侠飯”シリーズのファンならば誰でも好きになりそう。

もう何年も新作を書いていないベテラン作家とその担当となった新米編集者、そして2作目を書けずにいる新人作家。ベテラン作家に焦る様子は皆無で、毎度旨い料理と酒で一杯やることに。

確かに食事はいくらでも簡素にできるものだし、読書はしなくたって生きられる。だけど、そういった無駄こそが人生を楽しくするのですよね、竹林先生。

本作に登場する商品どれも実際に入手可能なのが嬉しい。作らなしゃあないでしょ。

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

出てくる料理は結構ネットで探せるようなものなので、ちょっとげんなりもするけど、竹林の最後の原稿を出すあたりはじわっときていい感じでした。

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2022年03月16日

Posted by ブクログ

初めて読んだ作家さんです。
作中に出てくるお取り寄せ料理がどれも美味しそうなこと(笑)
ひなちゃんと竹林先生と和真くんの和気あいあいとした感じがとっても良かったです。
小説を書くということ、をひなちゃんに教えていく竹林先生はやっぱり大先生なんだなぁっと感じる場面もありました。
ぜひ続編読みたいです!

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

新人編集者の山野内和真(やまのうち かずま)は、竹林賢一郎(たけばやし けんいちろう)の小説が好きで編集者を目指した。
上司から担当するようにと割り当てられた作家たちのほかに、立候補して竹林の担当にしてもらう。
これが、なんとも寡作の作家。
このところは滅多に原稿をもらえないので「書かずの竹林」とあだ名されていた。
そして先輩の若槻からは、文学新人賞で佳作を取ったもののその後が書けない巣籠ひな(すごもり ひな)を押しつけられる。
若槻は売れっ子作家だけを効率よく書かせて成績を上げたいので、西も東もわからない新人を時間をかけて育てる気はさらさら無いのである。
あら?「寡作の作家」と「佳作の作家」を掛けているのかしらん?

和真は誠実な若者。
とにかく、直接会うのが礼儀と、高尾に住む竹林賢一郎のもとに通う。
しかし毎回、仕事の話になる前に、美味しい酒と肴のお相伴をさせられて・・・
ひなをどんなふうに育てたらいいのか(鳥ではなく人間です)分からず相談として一緒に連れて通うようになった。

一章ごとのサブタイトルの付け方が、「侠(おとこ)飯」と同じスタイル。
見るからに美味しい話が待っていると分かる。
三人がいい感じに化学反応を起こして・・・
落ちはなんとなくそちらの方向か、と思ったけれど、楽しく気持ちよく読めた。
しかし、竹林いわくの、平易に書かれていても、奥の深い内容も込められているのだ。
ホラー作家を目指していた巣篭ひなに竹林が薦めた、青空文庫で読めるこわい話のリストは、私も挑戦してみたいと思う。

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

美味しそうなお料理と
小説作法のうんちくが面白かった。
こういう知り合いが欲しい笑
読むべきリストに小川未明が入ってたのが
個人的には嬉しいポイント。

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2022年01月31日

Posted by ブクログ

一 書かない作家
 <旨さと驚くポークソーセージと冷奴>
二 センセイと大先生
 <ビールがノンストップの餃子とモヤシ>
三 作家の視点って?
 <これだけ知ればステーキの旨さ倍増>
四 無料で読める名作短編
 <昭和なスナックの激ウマおつまみ>
五 なぜ本が売れないのか
 <史上最強のモツ煮と白菜キムチ>
六 ぶっ飛んだ作家たち
 <人生でいちばん旨い鮭ごはん>




入社ほやほやの文芸編集者・山野内和真が担当するのは「書かずのチクリン」の異名をとる竹林賢一郎。
東京のはじっこ・高尾山の麓にある瓦葺の一軒家に一人住まいで隠居同然の竹林は、もう何年も新作を出していない。
のらりくらりの竹林は和真が訪ねるたび、お取り寄せ料理を食卓に並べるばかり。そして、いつも物故作家たちの伝説的エピソードを和真に講釈する。
ご飯が美味しいのはいいけれど、いったい和真は竹林から原稿をもぎ取ることができるのか?
かわいらしい作家志望女子も登場し事態はさらにややこしくなって……。(講談社文庫創刊50周年文庫書下ろし)

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2022年10月09日

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